第百九話 説明を求める
長きにわたる戦いは終わりました。
しかし残された問題はまだあります。
そして何より、説明を求めたい人が一人いました。
風が吹く。
長い戦いは終わった。
誰も動かない。
いや、動けなかった。
「……」
レオンが空を見上げる。
そこには
◇
黒い竜。
白銀龍。
黒龍。
◇
意味が分からない。
頭が追い付かない。
「……」
「……」
「……」
沈黙。
そして
「説明を求める」
真顔だった。
シエルが目を逸らす。
シアも目を逸らす。
『知らないわ』
『知らないっす』
「いや絶対知ってるだろ!」
即答だった。
ユウトも思わず吹き出した。
『ぷっ』
「お前もだ!」
レオンが指を差す。
「一番怪しいのはお前だ!」
『そうなのか?』
「そうだ!」
迷いのない返答。
だがその時だった。
ユウトの身体が光り始める。
『あ』
嫌な予感。
次の瞬間。
光。
そして。
◇
ポフン。
◇
人の姿へ戻った。
「戻った」
『戻ったっす』
シアが頷く。
レオンは頭を抱えた。
「待て!情報量が多い」
「整理させろ」
指を一本立てる。
「シエルは白銀龍」
『そうね』
「シアは黒龍」
『そうっす』
「それはもういい」
よくない。全然よくない。だが諦めた。
「で」
レオンがユウトを見る。
「お前は何なんだ?」
全員固まった。
「……」
「……」
「……」
気まずい。
非常に気まずい。
ユウトはシエルを見る。
シエルはシアを見る。
シアは空を見る。
誰も答えない。
「おい!なんで目を逸らす」
レオンがツッコむ。
だがその時。
ユウトの腹が鳴った。
◇
ぐぅぅぅぅぅぅ。
◇
盛大に。
「……」
「……」
「……」
「腹減った」
ユウトが真顔で言った。
レオンは天を仰いだ。
「お前なぁぁぁぁぁぁ!!」
久しぶりに平和なツッコミが夜空に響いた。
第百九話をお読みいただきありがとうございました!
研究所での戦いは終わりましたが、レオンの疑問は終わりません。
むしろ増えています。
説明を求めるレオンと、目を逸らす三人。
久しぶりに少し肩の力を抜いた回になりました。
次回からは研究所の後処理や報告へと移っていきます。
それではまた次回!




