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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百七話 現実

 進化を果たしたユウト。


 それは黒幕が求め続けた力とは、まったく別次元の存在でした。

 『試してみるか?』


 静かな声だった。


 だが黒幕の全身が震える。


 本能が叫んでいる。


 逃げろと。


 だが逃げる訳にはいかない。


 ここで退けば全てが終わる。


「私は究極だ!」


 黒幕が叫ぶ。


「私は完成した!」


「私は終焉竜へ――」


『違う』


 黒幕の言葉が止まる。


『お前は何にも辿り着いていない』


 黄金の瞳が見下ろす。


 ただそれだけで黒幕の身体が硬直した。


「黙れぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 黒い霧が爆発する。


 翼が広がる。


 腕が唸る。


 全ての力を込めた一撃。


 今までで最強。


 白銀龍すら吹き飛ばした攻撃。


 黒龍すら押し返した力。


 それがユウトへ振り下ろされる。




 ドォォォォォォォォン!!




 凄まじい轟音。


 大地が割れる。


 衝撃波が周囲を吹き飛ばす。


 レオンが目を見開いた。


「やられたのか!?」


 その瞬間。


『終わりか?』


 静かな声。


 土煙の中。


 ユウトは立っていた。


 無傷でただ立っていた。


「なっ……」


 黒幕の顔が引き攣る。


「ありえない……」


 ユウトは首を傾げた。


『今のが全力か?』


「ふざけるなぁぁぁ!!」


 再び攻撃。


 拳。


 爪。


 翼。


 黒い霧。


 全てを叩き込む。


 だが届かない。


 当たらない。


 触れられない。


 ユウトはただ歩いていた。


 一歩。


 また一歩。


 黒幕へ向かって


「来るな……」


 黒幕が後退る。


 さらに一歩。


「来るな!!」


 また一歩。


 そしてユウトが目の前へ立った。


 巨大な怪物。


 完成形。


 その筈だった。


 だが今は怯えるだけの存在。


『お前は勘違いしている』


 ユウトが言う。


『力は奪うものじゃない』


『与えるものなんだ』


 黒幕の瞳が揺れる。


『だから』


 ユウトが拳を握る。


 ゆっくりと。


 静かに。


 だが絶対的な力を込めて。


『これは』


 黄金の瞳が光る。


『No.1の分だ』


 黒幕の顔が凍り付いた。


 そしてユウトの拳が振り抜かれる。



 ドゴォォォォォォォォォォォン!!


 第百七話をお読みいただきありがとうございました!


 完成形へ辿り着いたと信じていた黒幕。


 しかし進化したユウトを前に、その自信は音を立てて崩れていきます。


 そしてユウトが放った一撃。


 その拳に込められた想いとは――。


 次回、研究所編最大の決着が訪れます。


 それではまた次回!

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