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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百六話 新たな姿

 進化を果たしたユウト。


 戦場の空気は一変し、ついに黒幕は初めて恐怖を知ります。

 光が収まっていく。


 戦場を包んでいた眩い輝きが少しずつ消えていく。


 そしてそこにいたのは



 竜だった。



 だが誰も見たことのない竜。



 黒い鱗


 夜空よりも深い漆黒


 その隙間を走る金色の紋様


 巨大な翼


 鋭い角


 そして全てを見透かすような黄金の瞳



 静かだった。


 咆哮もない。


 威嚇もない。


 それなのに誰も動けない。


「なんだ……あれは」


 レオンが呟く。


 答えられる者はいない。


 いや、二人だけは違った。


『ユウト……』


 シエルの声が震える。


『主……』


 シアも目を見開いていた。


 その姿を知っていたから。



 黒幕が一歩後退る。


 初めてだった彼が自ら距離を取ったのは。


「ありえない……」


 震える声。


「そんな筈がない」


 その瞳には。


 恐怖があった。


 今まで一度も見せなかった感情。


 だがユウトは何も答えない。


 ただゆっくりと前へ出る。


 一歩。


 また一歩。


 その度に空気が重くなる。


 大地が震える。


 黒幕の額から汗が流れる。


「何なんですか……」


 返事はない。


 代わりに黄金の瞳が黒幕を見つめた。


 その瞬間黒幕の身体が震えた。


 本能だった。


 理解ではない。


 知識でもない。


 生物としての本能。


 逆らうな。


 近付くな。


 逃げろ。


 そう叫んでいた。


「ふ、ふざけるな……!」


 黒幕が叫ぶ。


 黒い霧が膨れ上がる。


 完成形。


 その力を全て解放する。


「私は完成した!私が究極なんだ!」


 だがユウトは静かだった。


 そして初めて口を開く。


『そうか』


 低い声。


 今までとは違う。


 竜の声。


 威厳を帯びた声。


『なら』


 黄金の瞳が細められる。


『試してみるか?』


 その瞬間黒幕の顔から血の気が引いた。

 第百六話をお読みいただきありがとうございました!


 進化を果たしたユウト。


 その姿はシエルやシアですら驚くものでした。


 そして初めて黒幕が見せた恐怖。


 今までとは立場が逆転した戦いが始まろうとしています。


 それではまた次回!

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