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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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第百二話 双竜

 白銀龍と黒龍。


 伝承に語られる二体の竜が、その力を解放します。


 しかし相手もまた、異常な執念で進化を続けていました。

 「これが私の完成形です」


 黒幕が両腕を広げる。


 黒い霧が夜空を覆う。


 その異様な姿はもはや人間の面影すら残していなかった。


『完成形?』


 シエルが静かに言う。


『そんなものではないわ』


 次の瞬間巨大な翼が羽ばたいた。



 ドォォォォォン!!



 白銀の巨体が夜空を駆ける。


 速い。


 竜の姿になったシエルは人化の時とは比較にならなかった。


 振り下ろされる巨大な爪。


 黒幕が受け止める。


 だが受け止めただけだった。


 大地が陥没する。


 黒幕の身体が沈む。


「ぐっ……!」


 初めてだった。


 黒幕の顔から余裕が消えたのは。


『シア!』


『任せるっす!』


 黒龍が飛ぶ。


 漆黒の巨体が夜空を裂く。


 白銀龍の攻撃で生まれた隙。


 そこへ黒龍の爪が突き刺さった。



 ドガァァァァァン!!



 凄まじい衝撃。


 黒幕の身体が吹き飛ぶ。


 山肌へ激突する。


 岩盤が砕け散った。


「うわぁ……」


 ユウトが引いていた。


「やっぱりあの二人おかしいだろ」


「今さらだな」


 レオンが遠い目をする。


 少し慣れてきたらしい。


 だがシエルとシアは笑っていなかった。


 分かっているのだ。


 まだ倒せていないと。


 案の定崩れた岩の中から黒い霧が溢れ出した。


「素晴らしい」


 聞き飽きた声。


 だが今度は違った。


 声が歪んでいる。


 苦しそうだった。


『効いている』


 シエルが呟く。


『効いてるっす』


 シアも頷く。


 勝機はある。


 そう思えた。


 だが次の瞬間だった。



 ゴォォォォォォォォッ!!



 黒い霧が暴走する。


 周囲の木々が枯れる。


 大地が黒く染まる。


「なっ……」


 レオンが絶句する。


 その中心で黒幕は笑っていた。


 いや。


 笑いながら崩れていた。


 肉体が耐えられていない。


 それでも止まらない。


「あと少しです」


「あと少しで」


 狂気に満ちた瞳。


 そして


「終焉竜へ辿り着ける」


 その言葉にユウトの表情が変わった。


 空気が凍る。


 黒幕の目的。


 その核心がついに口にされた。

 第百二話をお読みいただきありがとうございました!


 白銀龍と黒龍の連携により、ついに黒幕へ有効打を与えることができました。


 しかし彼は倒れるどころか、自らの肉体が崩れることすら気にしていません。


 その目的は、終焉竜へ至ること。


 研究所編もいよいよ最終局面へと向かっていきます。


 それではまた次回!

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