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【全年齢版】可愛い君♂に恋する私は「男装」していると言い出せない。〜男の娘と男装女子はすれ違いすぎる。〜  作者: かたたな


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占いと悩み。


 マルーナさんの意味深な言葉。

 必死で涼しい顔を保つけど、内心は荒れていた。そんな私の心の内を分かっているかのように頷き、微笑んでからマルーナさんはさらに言葉を続ける。


「リーシュ様は今、恋愛が遠退いていると思っているかもしれません。しかし、遠回りに見えて、それが近道のようですわ。」

「本当に!?」

「あら、冷静な仮面が崩れましたわね。可愛らしい」


 くすくす楽しそうに笑う彼女の様子にハッ!と我に返る。 つい本音が漏れてしまった。彼女の不思議な話術と雰囲気に、どんどん引き込まれる。多分…私自身も一人で悩みを抱えるのは限界があったんだ。誰かに聞いて欲しい…。相談したい。誰にも相談できなかった本心を抑えきれなくなっている。


「昔から、恋人が…欲しいなって憧れてて。好きな人と学園生活を楽しみたいのに…そうする事ができなくて。自分でそういう事態を招いてしまったのだけど。」

「あらあら。」


 マルーナさんの優しい眼差しに、つい安心してしまう。そして目を閉じる。閉じているのに私の何かを見るような?そんな不思議な仕草をするマルーナさん。


 何故か、その時間は話しかけてはいけない気がした。ほんの少しの間閉じていた瞼は、すぐに開いてまっすぐ私を見る。その瞳を見ると、とても優しくて…何でも言いたくなってしまう。


「リーシュ様が、もし今の選択をしなかった場合。あなたには簡単に恋人ができたでしょうね。」

「それってやっぱりダメだったってこと!?」


 余りにも残酷な占い結果!?いや、分かってたけど!私の愚策具合なんてとっくに。でも…でもダメなのか。挽回はできないのか!?と慌てて聞くと、マルーナさんは左右に首を振る。


「いいえ。その場合、今の想い人とは仲良くなることはなかったでしょう。断言できます。」

「そうなの?」

「ええ。しかし、今の想い人以外の方と恋仲になりたかったなら悪手ですわね。今からでも挽回は可能ですが…暫く恥ずかしい思いをするでしょう。」


 男装しなければ、クラウさんとここまで仲良くなれなかった…ということか。それは、確かに感じてる。しかし断言されるとは。マルーナさんは、私が誰を好きなのかも分かっているのだろうか。


 そして想い人以外と恋仲になりたかった場合…挽回できるけど暫く恥ずかしい思いをするの!?怖っ!!どう恥ずかしいの?怖っ!!


「今の恋…助言をするなら、素直な気持ちを伝えること。リーシュ様は深く考えると拗れますわ。直感が大切です。今までもそうでしょう?」

「素直…本当に大丈夫かな。」

「さあ、それは貴方次第です。」

「ええ、その言い方ずるい。」

「占い師ですもの。」


 クスクスと笑うマルーナさんは、ミステリアスで大人っぽい魅力がある。でも、マルーナさんの言う事が当たるとすれば、このまま上手く行けばクラウさんと!?


 あるのかな?


 成就する可能性が!?。

 もっとしっかりマルーナさんから話を聞きたい!と口を開いた時。


「リーシュ君、何を楽しそうに話してるの?」

「わ!」


 ビクッ!!と身体が跳ねた。声のほうへ視線を向ければニコニコといつもの調子の想い人…クラウさんがいる。


「ひ、ひみつ!」

「そう、秘密ですわ。」


 私が慌てて口を閉じると、マルーナさんが人差し指を自分の口元に寄せて優雅に言う。そんな様子に何かを察したのか、近付いてきた生徒がニヤニヤと茶化してくる。


「聞いてやるなって〜。マルーナさんに聞いてもらうってなったら恋の話だろー。」

「え!?何、リーシュ君が恋!?」


 クラウさんの目がキラキラ輝いて、興味津々に身を乗り出す。この純粋な眼差しが、私の恋心を深く刺してくる。


 その「自分は無関係」と思っている純粋な好奇心の瞳が…。


「はぁ…」


 マルーナさん…ここからどうしたらいいんですか?って聞きたい。それでも今ここで深追いをされても困る。


 だから一旦、話を切り上げることにした。


「秘密はひみつ。それで、付与魔法は誰が担当だっけ。このブレスレットに上手く付与魔法できるかな?」


 私が話を進めると、クラスメイトたちが付与魔法の担当について話し始めた。その事にホッと胸をなで下ろす。


 しかし、親友の眼差しは今も興味津々で…。


 クラウの事だよって素直に言ってしまえば…君は困るくせに。


 本当に厄介な親友だ。


◇ ◇ ◇

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