表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【全年齢版】可愛い君♂に恋する私は「男装」していると言い出せない。〜男の娘と男装女子はすれ違いすぎる。〜  作者: かたたな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/38

男の子!?



 女の子には戻れない。

 そんな暗い気持ちでの進級。どうなることかと心配していたのに…


「リーシュ君、おはよー!」

「おはよう、クラウさん。」


 クラウさんのおかげで楽しい生活がスタートしていた。

 朝は髪の結いかたについて話し、実践して、そのまま一緒に授業へ行く。食堂でも定食を一口分交換したり、放課後はギリギリまで教室に残って下らない話をする。


 一年の時は、別のクラスだからと遠慮していたことも気にしなくていい。


『友達と青春を謳歌するのも悪くない!!』なんて本気で思える程楽しい時間だった。




 そんな私達に水を差す人物が現れた。




 いつも通りクラウさんと話していると、クラスメイトが数人、ソワソワと近づいてきてきた。


「ねぇ、リーシュ君とクラウさんって、恋人?それとも婚約中?」

「まさか?…友達だよ。」


 またまた、何を言い出すんだか…。

 なんて思って答えると、他の生徒たちからも驚きの声が上がった。


「嘘!!あんなに仲いいのに!?」

「婚約者だと思ってた。」


 思ってもいなかった周囲からの認識。それを知って戸惑った。私が男装してるからだ…。クラウさんに申し訳ない。


 そう思った時、クラウさんが「はぁ」とため息をついた。



 そして、いつもの軽快な声でバッサリ言い放つ。



「ボク、可愛い女の子が恋愛対象なの。男の子とは付き合う気はないなー。」


 うんうん。



 …



 …?



 ん!?



 …そうだったの??




 隣で涼しい顔をしながら、頭は混乱していた。クラウさんが『可愛い子が好き』なのは知っていた。けれど、勝手に『可愛い系の男性が好み』なのだと思っていた。


 先入観って良くないな。


 クラウさんの様子を伺いながら更に状況を理解しようと試みる。すると、別の男子生徒とクラウさんの会話が続く。



「女の子が好き? 前に流行った同性の美しい愛ってやつ?それとも本物?」



 なんてデリカシーない質問だ。

 少しムッとしてしまった。私の頭は混乱していても、デリカシーくらいは残ってる。


 彼女はふんって鼻を鳴らして、堂々と言い切った。



「流行とか関係ないよ。君たちは初めてボクと同じクラスになったから勘違いがあるかもだけど。ボクは可愛いものが好きなだけで『男』だから。同性好きの素質無しの男なの。」


「「「…そうなの!?」」」



 クラスメイト全員の声が揃った。

 私も心の中で同じ事を呟いた。



「リーシュ君も、ボクが『男』だって知ってるし。今や親友そのもの!」



 皆の視線が私に集まり、ニヤッとだけ笑った。上手く笑えなくて。その表情が周囲には『知っているからこそのドヤ顔』に見えたかも知れない。「なんだ〜」と納得していた。


 …


 えっと…


 ごめん。


 その


 今…知った。




 でも、親友としての意地があって涼しい顔を続けていた。ここは態度に出たら負けだ。親友として。


  いくらピンクのふわふわな長い髪に、キラキラのアクセサリー、制服はフリル付きのスカートの…どう見ても女の子でも『男』なのだ。本人が言うのだからそうなんだ。


 男ってことは…


 身体が…男性なわけで。


 …




 クラウさんとなら恋ができる…!?




 そこまで考えて、思考にストップをかける。


 いやいやいや、私、今なに考えた?


 クラウさんが男性と知った途端にこんな考えになるなんておかしい。なんとなく、自分が最低な人間のように思えた。


 それにクラウさんは「男とは付き合わない」とハッキリ言った。それは男装しているとは言え、私も入っているんだから。今、私は恋愛対象外って話してたんだから。



 でも…


 でもだよ?



 私がクラウさんに女だと明かせば事態が変わるんじゃ…。


 あぁ…もぅ、ほんとに。



 誰だ、事態をこんなにややこしくした奴。



 …


 ……


 私だ!!



 男装を始めた時の浅はかな自分を、改めて悔やんだ。聖女様の流行りに乗って、恋のチャンスを掴もうなんてしなければ、普通に女の子としてクラウさんと出会っていれば…って、ああ、また!!!



 最低!


 私、最低!!


 親友の風上にも置けない思考だよ!!



 女の子だと明かしたとしても、クラウさんは「可愛い女の子」が好みだから。私とは違うから。



「リーシュ君? なんかボーッとしてるけど、大丈夫?」



 クラウさんの声でハッとする。

 私の混乱状態は、ただ「ボーッとしてる」と見えたらしい。動揺があまり表に出なくて良かった。

 だけど、それだけでも彼女…いや彼が心配そうに気にかけてくれることに罪悪感がある。その瞳には純粋に心配の色が混じっていた。


「うん、大丈夫。少し考えごと。」

「…なんかごめんね?ボクがこんな格好してるからさ…周りに勘違いされちゃって。でも、この服装とか『可愛い』のは大好きだから譲れないんだ。」


 それは、お互い様です。むしろオープンにしているクラウさんはカッコいい。


「大丈夫。クラウさんは可愛いもの似合うし、それでいいと思う。」

「そっか!やっぱりリーシュ君といるのは楽だなー。」


 笑顔で向かいの椅子に座り、くつろぐクラウさんを眺める。


 一度、頭を「無」にしよう。

 ゆっくり、落ち着いて考えれば良い。

 今は混乱しててもきっと、気持ちは落ち着くはず。




 …





 そうして数日が経った。




 今も混乱している。




 彼が「男性」だった事実もそうだけど。

 一番驚いているのは「男性」だと知った途端にドキドキしている自分自身だった。



続きは本日の21時頃投稿予定です。(手動でできれば2分くらいずらして投稿、忙しければ予約投稿で21時10分に投稿されます)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ