90.魔族戦闘
遅くなってごめんなさい!でももしかしたらこれからもっと更新頻度落ちるかもです……
魔族は周りを見ると面倒そうに「ちっ」と舌打ちする。
「人間の村を一つ潰すだけの簡単な仕事じゃなかったのかよ。
防衛用にせっかくばら撒いた瘴気水蛇を全部殺しやがって……」
「ばら撒いた?」
つまりはこの魔族が元凶––––と考えていいのだろうか。
「まあ、そろそろ目的は達成されるみたいだし、このガキを始末して帰れば魔法陣にも影響はないか。」
「……やっぱ面倒なことになった。」
魔族は背中から翼を生やし、僕の真上まで浮上する。
そうして戦闘体制に入った僕に対して手をかざした。
「黒球。」
「反射鏡、映鏡!」
声に合わせて降り注ぐ黒色の球体を反射鏡で跳ね返しつつ、映した水球で相手に反撃する。
相手は空中で器用に攻撃を躱しながら僕に攻撃を続けていたが、次第に次第に物量的にも、魔力消費的にも不有利だと悟ったのか魔法での攻撃をやめた。
「攻撃を跳ね返すなんて奇妙な魔法を使いやがる………だが、物理攻撃ならどうなるだろうなぁ!」
「映鏡、身体強化、風纏、反射鏡。」
相手は僕に向かって飛んでくると同時に、爪と牙をより鋭く大きい凶悪なものへと変える。
それを見て接近戦狙いだと気づいた僕は、映鏡で短剣を映し出し、反射鏡で相手の攻撃の軌道を絞り、限界まで身体能力を底上げして正面から迎え撃つ構えをとった。
「これで終わり––––っ!?」
「そっちが、ねっ!」
軌道を絞られたことにも気づかず突っ込んできた相手を、容赦なく正面から突き刺す。
相手の勢いと相まってすごい衝撃だったが、それすらも押し返して相手の腕を肩まで切り裂いた。
「グァァァ……!?
……ありえない、ありえないぞ!
俺の力がこんなガキの力に負けるなど、絶対にありえてはならないのだっ!」
「知らないよ、そんなの。」
僕は飛びあがろうとする相手の翼に風刃を直撃させ、バランスを崩したところに再度短剣で追撃を入れる。
それがトドメとなったのか、魔族は最後の抵抗に魔力の込められた金切り声をあげ、動かなくなった。
(ここ一年の冒険者活動で鍛えた、近接戦闘技術を舐めるなぁ!……メモ、いつもありがとね!)
[どういたしまして、レクト。]
技術が上達したのは感じるが、やはり近接戦闘の半分はメモの行動予測に頼りきりなレクトであった。
**
「それじゃあこの魔族のことも含めて、一回村に帰ろっかな。」
そう言って魔族の亡骸を風魔法で浮かばせる。
かなり人に似たような見た目をしているが、この程度で攻撃を躊躇うような心はDランクで置いてきた。
なにせ盗賊退治とか普通にあったからね……
とまあそんなことを考えて川を下っていると、珍しくメモから話しかけてきた。
[レクト、さっきこの魔族が最後に発した金切り声ですが、仲間を呼ばれた可能性があります。]
(仲間?)
[魔族は非常に頭の良い生物です。
そんな魔族が理由もなく魔力を込めた叫び声を発する可能性は低いと考えました。]
(なるほど、気をつけて進むことにするよ。)
そんな会話から数十分、あたりはすっかり暗くなってきたが特におかしなことは起きていない。
そしてようやく山を下り切ったのか村の明かりが見えてきた。
(結局何も起こらなかったなー。
まあそれに越したことはないんだけど。)
メモの言ったことの9割は当たっていたので少し、というかかなり警戒しながら歩いていたのだが、どうやら杞憂で終わったようだ。
「じゃ、さっさと村長さんに報告しに行っちゃおうか!」
その後村長に報告を済ませ、ようやく宿で眠りについたレクトであった。
レクトの報告に村長さんは危うく気絶しかけたとか。
誤字脱字報告お願いします!




