88.瘴気水蛇
村長さんを問い詰め、分かったことをまとめてみよう。
まず水蛇が大量発生したのは間違いないらしい。
しかし問題は川の水に影響を与えているのはその水蛇達ではなく、その水蛇の大量発生を引き起こしたなにかだということだ。
わかりやすく言うと水蛇が大量発生したから川に異常が起きた、ではなく、原因不明のなにかによって川に異常が起き、それに引き寄せられる形で水蛇の大量発生が起こったということだ。
(問題は村長ですらそのなにかがなにかわからないことだよね。)
できる限りの調査はして原因が別にあるということまでは突き止めたらしいが、結局その原因を突き止めることはできなかったらしい。
しかも原因が別にあると気づいた頃にはもう依頼を組合に出してしまっていたため、いまさら変更しても追加で料金が発生してしまい、小さいこの村では払いきれない……とのことで、たとえ子供であろうとBランクの実力者であるならなんとかして依頼に行かせようと必死だったわけだ。
[組合の規則によればこの依頼は断っても罰せられることはありません。
わざわざ関わる必要はないと考えます。]
(うーん、とは言ってもなぁ……
話を聞いた以上ここでさよなら〜っていうのも後味が悪いし、一回行くだけ行こうかな。)
このままでは後味が悪いので、一回様子を見に行くことにしてみる。
(ま、一回くらいじゃなにも起きないでしょ〜。)
[……見事なフラグ立てですね。]
(何か言った?)
[……]
一瞬メモから懐かしい単語が聞こえた気がしたが、メモから返事が返ってくることはなかった。
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川にそって森を進み、1時間ほどで上流くらいまで来ると、さっそく何匹かの水蛇に遭遇した。
(メモ、魔物図鑑を読んだ記憶からあの蛇がなにかわかる?)
[検索中––––特徴が瘴気水蛇と合致しました。瘴気水蛇は名の通り瘴気に侵された水辺を好む魔物で、かつて魔王が支配していた瘴気に満ちた地に主に生息しています。
戦闘能力は低いですが、毒の中でも毒性が非常に強い魔毒を使ってくるので戦う時は十分に気をつけた方が良いでしょう。]
メモの話を聞いた限りだと毒にさえ気をつければ大した脅威ではないようなので、咬まれないように遠くから魔法を発動する。
「映鏡。」
『『シャーッ!?』』
映し出した風刃は1匹を真っ二つにする。
それによって周りにいた数匹がこちらに気づいて襲って来たが、落ち着いて魔法を放ち続ければ問題なく処理できた。
「水蛇自体は問題なさそうだし、とりあえずは進んでみようかな。」
瘴気に侵されたというのが少し気になるけど、いざとなったら逃げれば大丈夫でしょ。
……大丈夫、だよね?
組合への依頼を出す場合は報酬額は組合が保証する代わりに、ランクによって一定のお金を収めないといけません。




