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鏡魔法で成り上がれ!〜役に立たないといわれた鏡魔法はなんでもコピーできるチートでした〜  作者: 〜蒼〜
第五章 貴族学院

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71.サプライズイベント(悪意)

「それで、貴族達が住むことになる寮だから、自然と豪華なものになるっていうのはわかったけど……やりすぎじゃない?」

「そんなことないぞ。

 去年のどこかで一部の上流貴族が不満を爆発させて、ボイコットが起きたことがあったんだ。」

「へぇ、こんな豪華なのに、まだそんなことが起きるんだ……」


つくづく貴族の価値観はよくわからない。

自分にも一応()()()()が流れているはずなのだが……


「あ、レクト。僕はここで別れなきゃいけないけど、何かあったらすぐにお兄ちゃんに言うんだぞ!

 これでも僕はこの学院では強い方だからな。」

「レクト……頑張れよ。」

「わかった〜。

 それじゃあ、また明日ね!」


お兄ちゃんとカイトさんはもうすでに寮に登録されているので、2人とはここでお別れだ。

だが、僕がお兄ちゃんとカイトさんと一緒にいるところを見られている以上、受付の時のように下手に絡まれることはないだろう。

一つ懸念点があるとすれば、別れ際にカイトさんがこちらに憐れむような視線を送ってきたことくらいだが……まあ、気にしても仕方がないだろう。


**


「次の赤髪の子〜、入学証明書を出して待っててね〜。」

「わかりました。」


寮の入口にできていた列に並ぶと、数分で最前まで来る。

そして手続きを担当している男の人が言った赤髪の子というのが、僕だとすぐに気づくと、メモに頼りながらも入学証明書をバックから探し当てる。


(ありがとうメモ!もうメモなしでは生きていけないかもしれない……)

[これくらい自分で覚えておいてください。]


メモが感情を持つにつれ、僕に対する対応が冷たくなっているのは何故だろうか?

まあそんなことより手続きを早く済ませてしまおう。


「はい、レクト君だね。

 じゃあこれを持って奥に進んでね。」


渡されたのはレ––910と彫られた金色に輝く鍵と、冒険者カードに似た一枚の白紙カード。

おそらく鍵に関しては部屋の鍵だと思うが、このカードについては全く情報がない。

もう少しお兄ちゃん達に聞いておくんだったな、と少し後悔しつつも、どうせわかるならいいかとポジティブな考えで、言われた通りに寮の中に入り、エントランスに着いた。


やはり外も豪華だったが、中はさらに生活品なども高級品で取り揃えられており、どれだけお金がかかったのかは想像もつかない。

それでもこれだけ高級品で取り揃えられているにもかかわらず、あくまで学院というイメージが崩れていないのは、やはりかけたお金に比例させて、優秀なデザイナーを雇っているからなのだろうか。


(メモの記憶にあった、ネズミの国の前にあるホテルみたい。)

[この例えが伝わる人はごく少数かと。]


しばらくは部屋に入れないみたいなので、エントランスの椅子に座り、鑑賞を楽しんでいると、いきなり『ピンポンパンポーン』と大きな音が響き渡る。

音が聞こえた方向を見ると、天井近くの魔道音声拡張機––––つまりスピーカー––––から放送が流れ出した。


『えー、これからゴールドランクの新入生へのサプライズイベント––––部屋探しを始めます!

 ルールは簡単、自分と相部屋になる人を探し出して、相手から鍵を奪うだけ。

 そうすると自分の部屋の鍵が出来るはずだから、そしたら部屋に入ってね〜。』


エントランスに少しどよめきがおきる。

なぜならここにいるほとんどの新入生は、荷物を置きに来ただけで、女子の中にはドレスを着てきたものすらいる。

そんな中、鍵を奪う––––つまり戦闘をするのは、特定の人が圧倒的に不利に陥る条件なのだ。

さらに、鍵を取られてしまった方についての説明が何もないのが余計に不安を煽る。


「……カイトさんの視線は、こういうことかぁ。」


僕は少し着飾ってはいるがほとんどいつもと変わらないので、周りにいるいかにも正装みたいな人達よりは有利だろう。

だが鍵を奪うには、この鍵と対になる鍵を所有しているであろう人物を、この広い、さらに50人はいるであろう場所から探し出さなければならない。


『あ、言い忘れてたけど、結界がかけられてるから魔法を放っても大丈夫だよ。』

「……部屋くらい、大人しく入らせてよ。」


そんな嘆きは、誰かが放ったであろう魔法の爆音にかき消された。




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