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スター・スフィア-異世界冒険はおしゃべり宝石と共に-  作者: 黒河ハル


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第629話:欲望薬

「デザイ…? 聞きなれない名前のお薬ね」


「カルメス、それはどういった効能なんだ?」



 私とルカの疑問に、ラムジーはこくりと応じた。



欲望薬(デザイア・ポーション)というのは、その名の通り、服用者の秘めた『欲』をさらけ出しちゃうとても危険な薬なんです。

 お金を欲して銀行を襲ったり、自分が嫌いな人をやっつけたり、とにかく暴力的になる症例が多く見られます。

 もちろんこれは違法薬物として、理の国(ゼクス)では製造と販売が禁止されていますよ!」


「「!」」



 暴力的になる違法薬物ですって!?

 そ、そんな危ないスープになってたの!?



「欲望…暴力的にするだと? おかしくはないか?

 あの女は零人の『姉』を名乗っているだけ。

 それが、彼女の欲望だというのか」


「いえ、待ってルカ。今のナディアは自分の言うことを聞かないと火魔法をすぐ使ってくるわ。

 まあ、被害を被ってるのはレイトだけど…」



 …少し、アイツに申し訳なくなってきたわ。


 昨日はみんな、豹変したナディアがちょっと怖くて、レイトに彼女のお世話を押し付けちゃったけど…もっと、ちゃんと協力してあげるべきだったかも。



「フーちゃん、ナディアさんの性格が明確に変わった時の状況を詳しく教えてもらってもいい?」



 ラムジーが冷静に質問してきた。

 両手には、薬の資料と思われる分厚い本を広げている。



「それが…私もよく分かんないけど、きっかけはレイトがナディアに向かって間違って『お姉』って言っちゃったらしいのよ」


「へ…そ、それだけ? というか、レイトさんってお姉さんがいたの!?」


「みたいよ。私も初めて知ったわ。

 アイツ、あまり自分の家族のこと話さないし」


「そうだな。なぜか私にも教えてくれん。

 こっちは兄のことを話しているというのに…」



 私とルカは、微妙に不貞腐れてしまった。


 だって、仕方ないじゃない。

 レイトと共に過ごしてからそれなりに月日が経っているのに、未だに彼の家族を知らない。

 聞いてもいつも話を逸らされてしまう。



「あーレイトの姉貴か。大人しめなレイトとは違って、えらく派手な人だったな〜」


「「「!?」」」



 ルイスがふと思い出したかのように、とんでもないことを呟いた。



「待ちなさいルイス! なんでそんなことアンタが知ってんのよ!?」


「ぐえっ!?」



 思わずルイスの胸ぐらを掴んでしまった。



「昔アイツを俺の店に泊まらせた時に、スマホってのでその人の写真を見せてくれたんだよっ!」


「はあ!? なに私より先に見てんのよー!」


「ぐああっ!? そんなキレることなのか!?」



 まったくもう、レイトのやつ!

 こんなトサカ男には紹介して、なんで私には教えてくれないのよ!

 さっきの申し訳ない気持ちが一瞬で吹っ飛んだわ。



「はあ、その辺にしておけシュバルツァー。

 私も多少憤ってはいるが…今はウォルトだ。

 なぜ、たかが姉呼びをしただけであんな状態になるのだ?」


「あ、はい。あくまで推測ですが…ナディアさんの中に『姉』に対する特別な思い入れがあるんだと思います。彼女のご家族にお姉さん、もしくは、弟さんはいらっしゃいませんか?」



 再びラムジーが質問する。

 私はルカと顔を見合わせた。



「親戚とか親族はいるみたいだけど、自分に兄弟姉妹はいないって、前に彼女自身が言ってたわ」


「ああ。彼女は警察だが、その身分は貴族だ。

 どうやら家族とは折り合いが悪いらしい」


「そう、ですか…」



 ラムジーは難しい表情で、目線を手元の本へ落とす。

 どうやらこの子の参考になる情報は渡せなかったみたいね…。


 カン! カン! カン! カン! カン!


「「「!」」」



 その時、突然鐘を叩く音が聞こえてきた。

 外から…!?



「なんだぁ?」



 不審に思ったルイスが、店の窓を開く。

 すると…



「みんな早く避難しろー!!! 『赤竜(レッド・ドラゴン)』がやって来た!」


「うわああああ!!! 助けてくれええ!!」


「なんであんなデカい竜が人里に!?」


「ねえ、荷物なんか持たないで! はやく逃げようってば!!」



 エステリ村の人々の、パニックと化した悲鳴が飛び込んできた。

 さっきの鐘の音は、魔物や山賊の襲来を知らせる警告だったのね。


 …って、ドラゴンですって!? うそ!?



「レ…赤竜(レッド・ドラゴン)だと!? こんな所にか!?

 冗談だろ、〝色つき〟の竜なんざ滅多に現れねえ村だぞ!」


「ルイス君! とりあえず私たちも出よう!

 ほら! フーちゃんとルカさんも…って、二人とも?」


「「………」」



 私とルカはジッと、考え込んだ。

 さっき、誰かレッドって言ってたわね。

 もしかしたら…



「えっと、なんて言ったらいいかしら…」


「まだ断定はできんが、そいつは私たちが知る魔物である可能性が高い。そもそも、モルゲンの言う通り、そう簡単にドラゴンと邂逅する者などいない。…零人だけは別格だが」


「「???」」



 ラムジーとルイスは大量の疑問符を頭に浮かべた。

 ま、今はそんなこと言ってる場合じゃないわよね。



「よし。それじゃあルカは…」


「シュバルツァー。弓傘(アーチ・ブレラ)は持ってきているか? 村を守れ。私は先に出撃する」


「は!? ちょっと、旅団の副リーダーは私よ!?

 なに勝手に指示してくれてんのよ!

 仮にドラゴンが本当に敵だったら、レイトがいないアンタだけで適うわけないでしょ!」


宝石(スフィア)は対話が基本だ。その場合は話し合いでカタをつけてみせるさ」


 ブン!


「あっ!?」



 ルカは言いたいことを言って、ラムジーのお店から消えてしまった。

 もう、あの子ってば!

 なんでジッとしてられないのかしら!








こんにちは、黒河ハルです。

貴重なお時間を消費して読んでくださり、とても嬉しいです!


しれっとルイスだけ零人の家族を知っていました笑

またもフレデリカは置いてけぼりです。


「続きを読ませろ!」と思った方は、ぜひブックマーク、並びに下の☆を『5つ星』お願いします!

何卒、なにとぞっ!底辺作家めにお慈悲を…!!


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