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スター・スフィア-異世界冒険はおしゃべり宝石と共に-  作者: 黒河ハル


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第625話:ミネストローネ

「「ただいまー」」


「おかえり。面倒をかけたな、二人とも」



 余計な寄り道を経て、マミヤ邸へ帰宅。

 前掛けエプロンを着用した給仕姿のナディアさんが、俺とフレイを出迎えてくれた。

 他の連中はまだ帰ってきていないようだ。



「はい、じゃあ食材はアンタ達でよろしくね〜。

 私は先に着替えてくるわ」


「あっ、てめ!? 卑怯だぞコラ!」



 フレイは自分が持っていた分の買い物袋を強引に俺へ押し付け、速攻で離脱しやがった。

 買ってきた物を冷蔵庫や棚に全部入れるのって、何気に大変なんだよな…。



「ふふ。フレイ殿には困ったものだな。

 安心しろマミヤ殿。私も手伝う。

 ちょうどこれから夕飯の支度だ」


「あざす!」



 ☆☆☆



「よっこらっしょ…うし、これで終わりました」


「ありがとうマミヤ殿。あとは貴公も着替えて来ていいぞ。ご飯ができるまで、ゆっくり休んでてくれ」


「うーす」



 マミヤ邸、厨房にて。


 ナディアさんと協力して、買ってきた食材を全て食料庫にしまい込んだ。


 ウチはただ人数が多いってだけじゃなく、ルカとカーティスっつー大食い女がいるからな。

 ほんのちょっとでも食いもんの備蓄を切らすと、彼女たちの機嫌が大変なことになる。



「そういやナディアさん。今日のスープはずいぶんと手が込んでますね?」



 厨房を出る前に、ふと聞いてみた。

 ナディアさんは既に下処理を終えた食材を使って、調理も同時に並行していた。

 グツグツと煮立つ大鍋からは、どこか懐かしい匂いがする。



「ああ。貴公に教えてもらった『ミネストローネ』とやらを作ってみようと思ってな。

 私なりにレシピは再現したつもりだ。

 あとはこの隠し味を少し入れて…よし完成だ」



 ナディアさんは手元から、なにやら赤い液体を数滴たらした。酢とか香油とかな?


 というか、ミネストローネだったんだ〜!

 道理で懐かしいだなんて思うわけだ。



「クンクン…おお。うーん、うまそうっすね〜」



 ホワホワと、食欲をそそる湯気がキッチンを駆け巡る。


 まさか俺の世界の料理をわざわざ作ってくれるなんて…ナディアさんは優しいな。

 零人さん、感激して泣いちゃいそう。



「良かったら味見してみるか?」



 ナディアさんはお玉で具材をひとつすくうと、小皿によそった。



「いいんすか? 前ルカがつまみ食いしようとしたら、アンタめっちゃ怒ってませんでしたっけ?」


「あれはまあ…さすがに行儀が悪かったからな。

 今日はおつかいもこなしてくれたし、特別だ」


「マジすか、へへーやったー」



 小皿を受け取ろうと手を伸ばすと、ナディアさんはチョイチョイと手招きをした。



「ホラ、あーん」


「ええ!?」



 直接食べさせてくれるの!?

 いつぞやか、同じことをされたような…



「あ、あーん…!」



 だけどここで恥ずかしがったら、なんとなく負けた気がするし、あえてノッてやるぜ!

 以前のシャイな俺とは違うんすよ、ナディアさん!



 パクっ


「はが…っ?」


「モグモグ…初めて作ったが、まあ及第点か。

 モグ…うん、まだまだ改善の余地はあるな」



 俺の口の中に収まるはずのミネストローネは、なぜかナディアさんが頬張っている。


 ま、まさか…はめられた!?



「……意地悪」


「ぷっ、はは! 悪かった悪かった、そう怒ってくれるな。ほら、おいで。今度はちゃんとあげるよ」



 カラカラと、愉快に笑うナディアさん。

 …やられた。彼女の方が一枚上手だったぜ。


 差し出されたスプーンに、次は確実にパクンと食らいつく。



「……!」



 わっ! 酸味と甘みのバランスが絶妙だ。

 噛むたびにジュワッと、具材に染み込んだお汁が口の中を満たしていく。


 これは、なかなか…!



「どうだ、マミヤ殿?」


「うん。美味しいよ、()()!」



 ……………………………………………?


 ……………………………………………??


 ……………………………………………???


 あれ? 俺いま、何つった…?

『お姉』って言ったか!? や、やっべ…!



「ち、違う! その、今のはですね…!」


「………」



 カラン



 ナディアさんの手から、スプーンが落ちた。

 あ、あれ…? 応答がないぞ?



「私は、マミヤ殿の…お姉、チャン…?」


「ナ、ナディアさん?」



 なんでカタコト!? 様子がおかしい。

 息づかいも次第に荒くなっている。


 ガバッ!!


「へえっ!?」



 まばたきをしたその刹那。

 俺は、ナディアさんに抱きつかれた。

 は、はや…! どうなってんの!?



「えーと…なに、してるんです?」


「………」



 またも返事はない。こ、困った。

 こんなところ他の誰かに見られたら…



「ナディア、じゃない」


「え」



 むんずと、両手で俺の顔を掴まれる。

 互いの鼻と鼻が触れるほどの至近距離。

 そんなナディアさんの顔は、尋常じゃないぐらい紅く染め上がっていた。



「私はぁ! 貴公の『お姉ちゃん』だぞぅ!

 間違えるなんて…貴公は悪い子だな!

 おしおきしてやるぅ! ふんっ!」


「へ…あっぢぁぁアアア!!?」



 突然火属性のエネルギーを全身に展開し、俺ごと覆った! いきなりバーベキューにされたんだけど!?



「ねえレイトー。さっき買ってきた薬、お酢だったんだけ…、アンタ達なにやってんのよ!?」






こんにちは、黒河ハルです。

貴重なお時間を消費して読んでくださり、とても嬉しいです!


うっかり零人くん!

次回で時間軸は戻ります。


「続きを読ませろ!」と思った方は、ぜひブックマーク、並びに下の☆を『5つ星』お願いします!

何卒、なにとぞっ!底辺作家めにお慈悲を…!!


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