墜ちる㕶星、拾う百萬星。 〜44
国際連合。いわゆる、国連。
国際連盟とは異なる。別に国際連盟の後身ではない。資産や組織などの一部は継承されているが、それは解散・解消した上での事だ。
なお、国際連盟は日本語では連盟と訳す。こうしないと、国際連合であっても国際連盟であっても、いずれも国連になってしまうからだ。
英語表記だと、国際連合と国際連盟は完全に別モノになる(※0)。
国際連合は、英語表記を日本語へ直訳すると連合国家、または連合国家群(※1)となる。なお、英語表記の正式名称は、「The」と言う冠詞が付くから「The United Nations」となる。
なお、英国は連合王国だ。ちょっと似てる。
ただ、「Nation」には、文化的に区切られた民族グループ(=部族)、意識的な集合体と言う解釈も出来る。「Country」と違って、地理的に区切る要素は感じられない気がする。だから、一つの「Nation」は複数の「Country」を跨がって存在し、一つの「Country」は複数の「Nation」を跨がって存在している。
だから、国際紛争とか大陸国家同士の国境線の諍いのネタは絶えない。
国際連合は、190カ国を越える"平和的友好関係国"が群れて成り立つ、いや、寄り添い合う国際機関だ。
Membership in the United Nations is open to all other peace-loving states.
国際連合への参加権は、国連憲章で、平和を愛する全ての国々に対して開かれていると述べられているのだから、まあ、そう言う事なんだろう(※2)。
しかし、そんな国際連合ではあるが、近年では機能不全に陥ったままになって久しく、単なる国際社会のご近所倶楽部と揶揄される所まで落ちぶれた。
先進国であれば、運営金の負担ばかり要求されて、経済的なメリットはほぼゼロ。先進国以外なら、特に貧国(自称含む)であれば負担ほぼゼロと言う参加条件に拘わらず、何かと金を引っ張り出せる便利な「打ち出の小槌」的に利用可能だ。
更に、全ての"平和的友好関係国"が平等に一国一票の権利しか与えられない。国連への負担金の大小や領土内での国民の多少や社会のデストピア指数の高低などは、組織内の権利の増減には何の影響も与えない。
運営資金の大部分を負担している国家であっても、負担金が限りなくゼロに近い国家が集まって議会で妨害すれば、主張は何一つ通らない。
そんなあまりに進歩的な状況に腹を立てて、負担金の支払いを拒む国家が現れた時期もあった。
まあ、分かる。共感出来る。先進国とそれ以外で投票争いをすると、先進国以外の国の数があまりに多過ぎて、理論的には先進国の全戦全敗は必然的に避けられなくなる。民主主義の罠だ。衆愚政治とはまた違う、非民主主義国家による民主主義の悪用だ。
ただし、極東アジアにある日本国、ただ一国の国民の大半は、このヘンテコな組織を激重に扱っている。「世界平和を恒久的に守っている」とか言って崇拝している。誤解である。奇妙ですらある。
別に、国際連合は、世界最大の軍事力と言うしっかりとした裏付けを持つ「世界政府」じゃないんだから。
正直、日本人の考え方は、ある種の「国際連合」への信仰なんじゃないか? と疑いたくなるくらいにキモい。
ともかく、そう言うのは激しい誤解だ。
ーーー国連を介す国際協調主義(Internationalism)が唯一の正道である。
とか瞳孔を開けた真顔で言う。
頭沸いてんじゃね。
自国の持つ主権や権限を国民以外に譲り渡すみたいな印象。いつか総理大臣を経験する事になる大物政治家が陽気に、「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」とある討論会で主張した。これに近い思想だ。
つまり、国民が自国の直接的な主権者ではなくなる。そんなとんでもなさが国際協調主義の本質である。これを理想とする国民が一定数存在する文明国家は。地球上に日本国以外に存在し得ない。
まあ、地球上の全国家が国際連合加盟国となって、例外なく自国の持つ主権や権限を国連に譲り渡すべき・・・的なイデオロギーである。
本の一部だが、EUの利念に通じるところが無いわけでも無い。そして、それがEUが背負っている最大のデメリットだ。欧州人も、EUが抱える矛盾を目の当たりにして、参加メンバーを厳選したに関わらず何事も理想通りにはいかないと本音では頭を抱えただろう。日本国の場合は、メンバーを選ばずなので、もっと深刻なデメリットを背負っているとも言える。
その手の理想は、聞いたり語るには美しいが、実現させるには時期尚早。人類にはまだ早過ぎる。むしろ、そんな話を持ち掛けられたら、即座に詐欺案件だと断定した方が安全そう。
世界市民なんてまだまだ幻想の域を出ていない。未確認動物の一つである。チュパカブラやバロメッツの仲間であるに違いない。
国会答弁でも、国際協調主義と言う主張を時々耳にする。本気でこれを素晴らしい事だと考えているらしい。初心が過ぎるんじゃまいか。こんな甘い心構えじゃ、国際社会に出たら直ぐに詐欺師が寄って来て、身ぐるみ引き剥がされちまうぜ。
ーーー起て、飢えたる者よ、いまぞ日は近し。覚めよ、わが同胞、暁は来ぬ。
しかも、革命歌「インターナショナル」を眉間に青筋立てて合掌してそうな人達が、例外なくコレを推す。推し活しているのだ。正確には、コレを利用して国力を増強して来た国家を推し活しているのだ。
まったくお人好しにも程がある。平和な世界を拡張する為の看板として掲げるのは賢い。しかし、それを心底から全力で信じ込んではいけない。そんな事じゃ、宗教で詐欺しようとしている悪人が、間違ってその神様に転んでしまって身ぐるみ剥がされる被害者にクラス☆チェンジみたいな不幸に陥ってしまうよ。
そんな極めて実現性に乏しく、実害が大いに伴うイデオロギーは、飽くまでも、使えるカードの一つと理解した上で、ご利用は計画的に願いたい。
日本国の国境を越えて外に出れば、こんなふんわりとした「国際連合」への狂信は、まるで10代の平均的女子が心の何処かで期待せずにはいられない「いつか王子様が」的な初心さが丸出しの態度として微笑まれるか、見苦しいから早く「大人に成れよ」と鼻白まれるかのどちらの対応を受ける事になる。
いや、前者となるか後者となるかは、誰がそんな夢を見ているで決まるのだろう。
可愛い少女が語れば、優しく微笑まれて、むしろそう考える事を推奨されたり、そのままで居られる様にと全周囲から助力を得られるだろう(一部、邪な動機による援助も含む)。
一方、良い年したオッサンが語れば、聞こえなかった振りをされて、鼻白まれるどころか交渉を持つ事すら、あからさまに避けられるだろう。
日本国は、果たしてどっちだ?
まあ、国連の役目は冷戦時に、大国同士が核ミサイルを使ってドッジボールを始めない様に、両者の立場を調整する事だったと言う話もある。二代大国と言う二人のジャイアンの暴走を回避する為にクッション役と言う事だ。
常任理事国へ「拒否権」などと言う、不公平極まりない特権が与えられているのもその為だと考えれば分からないでもない(非常任理事国には納得は行かない。が、核保有国がが核ミサイルを使用しづらい環境を作り出したと言う一点でのみ、メリットが認められる)。
以前に存在した有力な国際機関、国際連盟の様に列強国家が参加に利益を見出せずに気軽に脱退する事を避けさせる「飴」として機能しているとか。いないとか。
加盟国は約190カ国を越える。地球に存在する一般的な国家のほぼ全て。他に、オブザーバー参加国とか例外も何通りか認められている。
国数が超えるでなく、越えるであるのは、増減もありえるからだ。東チモールの様に、独立して新たに加盟する国もある。東ドイツの様に国家がまるごと消滅する事で、参加国が減る事もある。また、極東アジアにあった帝国が国際連盟を脱退した様に、そこから抜け出す事も全くの不可能ではない。
もちろん、脱退時に893の様に、小指をなんちゃら的な落とし前もない。ただし、足を洗った後に何かと不都合が多くなるだろうとは思うけれど。国連が脱退国を意図的に村八分にしなくても、個人に例えれば公権のほとんどを喪失する、みたいなどうにもならい感じになると思う(※3)。
一応、二人のジャイアンの暴走を回避すると言う使命だけならば、国際連合は成し遂げた。今の所第三次世界大戦は起こってないのだから、そう言う事なのだろう。
全く役に立っていない様で、そつなく大役を果たして来たと言う事だ。
ただ、縁の下で力を発揮していたので、当事者以外はその有り難みに気づかなかった。或いは、気付いても無視しているのだろう。
国際連合加盟国は、無条件で国際連合にとっての"平和的友好関係国"と認められている。そう。例外なく、100%全てが"平和的友好関係国"である。しかし、国連憲章には「旧・敵国条項」と言う面倒な条文が残されてもいる。これは、日本国を含む、第二次世界大戦時の枢軸国側に組みしていた国家の全てを指している。
例外がない訳でもない。例えば、タイ王国。枢軸国側の一国として連合国に宣戦布告をしておきながら、敗戦色が国なり始めると、「全部日本国に強要されていた」と連合国側へ密かに訴え始めた。終戦間際から英国と不思議な不思議な交渉を重ねて、英国にイロイロと身ぐるみを剥がされた後でなかった事にしてもらった。高い買い物だったけれど、長い目で見れば安く付いた。ラッキー。おいおい、フランス支配下のカンボジア北部へ勝手に侵攻して、負けそうになって尻ぬぐいを・・・うげ。げほんげほん。ごほごほ。ま、いいか。
また、もっともっと不思議なのは、その当時にまだ建国していなかった国家が、戦勝国を名乗ったりする例がある。さらに、自称で戦勝国の国民であると宣言する者までいたりする。それは言論と信仰の自由みたいなものである。中二病真っ盛り、あるいは拗らせているだけなので、大人に成れるまで生暖かい目で見守ってあげよう。
その日、合衆国のニューヨークで国連安全保障理事会が催された。
当然、東南アジアにおいて継続中の「平和の破壊」について議論する為であった。
議論は最初から最後まで紛糾するかと思われていた。だが、たった一つの要素の御陰で開会から閉会まで、とても穏やかに進行した。
要素とは、人民共和国の代表がその場に参加出来ていなかった事。その一点に尽きる。
人民共和国は、目下、領土全土において、厳しい「内戦状態にある」と見做された。日に日に所か、刻一刻と「独立」や「分離」や自らが「正統政府」であるとする組織が、次から次へと名乗りを上げている。今の所、そういう組織が一体いくつ存在しているのか、当事者であったも把握し切れなくなっている。
合衆国のニューヨークの国連本部の前と中では、中央政府に対して蜂起し、そんな有象無象の組織の代表達、いわゆる、多数の「本物の国家代表」が詰めかけていて、傍から眺めると活気に溢れたお祭りの様な大騒ぎとなっていた。
合衆国国内だけでなく、世界中を網羅する多数のニュース・ネットワークが斯様に非常識な混乱の様を、ハデに、面白おかしく報道し合った。いや、報道による視聴率を競った。
わざわざ、泡沫勢力を含んだ各勢力の代表を網羅する直接インタビューを取って、それをキレイに編集して、ゴールデン・タイムに長々とそれぞれの主張を垂れ流しもした。
混乱は更に加速、積層、増大して行った。分一分とである。
国際連合と同安全保障理事会は、各勢力による代表権問題の早期解決が不可能と見るしかなくなった。果たして、どの勢力が本当に代表権を保持しているのかの判断を、当面は見送る事とした。
後の世で、俗に「白京政府」と言われる事になるもっとも古い勢力の代表は、大いに怒り、公衆の面前で、国連ビルを背景に、「上海政府」の代表者の顔面に見事なストレート・パンチを炸裂させた。
その様子は、世界中のお茶の間にリアル・タイムで放送された。その後、世界中の動画サイトで拡散、編集、MADを繰り返されてネットミームの一つへと登り詰めた。なお、ネット民からの支持が最も高かったのは、「ギャラクティカ・マグナム!!」とか言う、CGによる安っぽい効果処理を重ねたギャグ動画だった。
当然、「白京政府代表」は、暴行容疑で現地警察に現行犯逮捕された。
俗に言われる「白京政府」の大使館は、外交官特権を掲げて猛烈に抗議した。だが、連邦政府と地元警察の共同会見で、「人民共和国関連の「外交権特権」を一時的に保留する」と言う正式な発表を誘発してしまった。
この政治的な失敗により、「白京政府」は、国連や合衆国での、国家代表としての外交活動を行う余地を完全に排除されてしまった。また、「白京政府」もまた、ニューヨークに集まっている各勢力代表の中に一つに過ぎない、と言う印象を世界に対してばらまいてしまった。
その直後、まるでタイミングを見計らっていたかの様に、非常任理事国のインド共和国とドゥクパ王国が共同提案を議長へと上げた。
それは、議題を東南アジアで発生した「平和の破壊」から、インドシナ半島の付け根で進行中の「侵略行為」へ切り替えると言うものだった。
ロシア共和国の代表だけが、その翻訳されたロシア語を耳にした時に、右の眉を高く上げた。だが、強く関わる事は避けた。左の眉も同じ様に上げるのではなく、右の眉を下げて元に戻した。
その他の参加国の代表は、その提案の支持を直ぐに表明した。
元・常任理事国の代表達が繰り広げている、実に質の悪いコメディーに嫌気が差していたからだ。
議題の内容が「侵略行為」へと切り替わると、一晩ほど徹夜で、休憩は一切挟まずに閉会まで突き進んだ。
真正な議論の結果、参加国14カ国中13カ国の賛成によって、国連史上極めて稀な「事態の認定」がなされた。
投票内容の詳細は常任理事国3カ国の賛成、常任理事国1カ国の棄権、非常任理事国9カ国の賛成だった。
立て続けに、「経済・外交面での制裁処置」や「非軍事的処置」による様子見をすっとばして、一気に「軍事的処置」による解決を採択するに至った。
ーーー武力攻撃を撃退した上で,更に該当地域における国際の平和と安全を回復させる「国連軍」の承認決議。
ソマリアで人道的な救援活動、ハイチで民主的に選ばれた政府の回復、アルバニアでの人道的活動の保護、リビアでの一般市民の保護などの、国際平和と安全の維持を任務するだけの「国連軍」とは、明らかに異なる承認である。
イラク侵攻後のクウェートで行動した「多国籍軍」や半島に於ける東西冷戦の代理戦争へ派遣された「国連軍(国連安保理決議第83号/84号)」とも、引かれた一線の向こう側の承認である。
ーーーインドシナ半島北部で進行中の「侵略行為」が、発生より既に相当な日数が経過し、更に相当数の民間人の死傷者を発生させていたからである。
これは、国連が、国連憲章第7章に端を発する「集団的自衛権」に基づいてに、「国連軍」による即時の「すべての必要な措置」を許可したと言う事である。
ーーー勧告ではなく、許可だった。この一点が実に画期的だった。
国際社会による「平和創造の努力」が既に失敗に終わってる事は、誰の目にも明らかであった。平和と安全を回復させる為には、軍事的な強制措置が不可欠であると認めるしかなかったのだ。
過去に前例のない程に、国連史上極めて稀なで希有でレアな、即時性を伴う画期的な決断が下された。
この快挙は、今回の安保理事会において、常任理事国による拒否権は一切行使されなかったからである。
過去に拒否権を多用した実績を誇る人民共和国は、現在は深刻な無政府状態にあると見做されていた。更に、解決すべき侵略行為の当事国、それも一方的な加害者であると世界中から見做されていた事情もあって、最初から最後まで蚊帳の外に置かれた。
いや、追い出されていた。
これによって、死文化していた「旧・敵国条項」とは全く異なる、「新・敵国条項」と言う真新しい概念が完成した。同時に、安保理事会から、つい三日前に秘密協定を結んだばかりの「協定国」に対して、「適当な軍事力の提供を求める」との声明を発した。
「旧・敵国条項」には、具体的な「協定国」は明記されていなかった。それは、おそらく、当時の合衆国やソ連が自国の軍隊を、他国軍の指揮官の指揮下へ置くことを嫌ったと言う事情も一つの原因だったかも知れない。
しかし、「新・敵国条項」を採択するにあたり、それまでに盛大なロービーが極秘の中に繰り広げられていた。それは、密約として成立し、「一口乗る事に決めた国家」は、その時に備えた準備を完了済みだった。
このニュースに接した人類のほとんどは、国連が設立以来100年以上を「協定国」を持たずに過ごして来た事実を知らなかった。だから、「あっ、そう」とすんなりと受け入れた。
そして、「協定国」の実体は、「連合スペースガード」と参加l国と賛同国であった。それは、ラオス戦線では、ラオス・タイ連合軍がそのまま「国連軍」へと繰り上げされる事を暗に示していた。そして、ラオス・タイ連合軍を、今後は国際社会が表立って支える将来が予想出来た。
ーーー誰だってバスに乗り遅れたくない。
勝ち馬を逃したくはない。特に、馬がケツを振っている場合は。
安保理事会は、武力行使の具体的な計画を練るために「新・軍事参謀委員会」を結成した。
人民共和国の一勢力、あるいは地方の一軍閥にまで扱いが貶められた「白京政府」は、このニュースに接して呆然とするしかなかった。そして、乱立する他の軍閥の中には、バスへの途中乗車を試みるケースも見られる様になった。誰だって、勝ち馬を逃したくはない。そう言う事である。
もちろん、「白京政府」の中には、他の軍閥の様に、事の重大さにいち早く気付いた者達もいた。しかし、そんな賢者の約6割は母国を見捨てて、一分一秒でも早く出国する為の作業に入っていた(一部の家族と財産は既に他国へ移住し、永住権を取得済みだった。準備は万端である)。愛国心がなかった訳ではない。ただ、無駄な努力をした見返り=顛末の予想が容易かったのだ。
彼等の不思議な慌て振りをぼーっと眺めていた、つまり人民共和国に取り残された凡人達は、後日になってから我武者羅に出国した者達を非人民とは罵らず、むしろ「作風優良、能打勝仗」と言う、人民や市民の前から姿を隠して久しい"紅い皇帝"が下賜した古のスローガンが脳裏を過ぎった、と語っている。
そして自らの意思で人民共和国へ残留した者達は、悲壮な表情を浮かべながら、近日中にラオスとの国境や東シナ海や南シナ海の領海に沿う接続水域へと迫るだろう「国連軍」に対する国防や交渉の研究に入った。準備ではない。その前段階の研究である。
人民共和国では、他国を侵攻する研究であれば大変に進んでいた。豊富な経験に基づく地道な研究の成果を誇っていたので、その準備をするのであればお手の物だった。しかし、他国からの攻撃に曝される場合、国防に関する研究の方はお座なりとなっていた。
偉大なる党による、自尊、自愛、自立、自強の指導方針を突き詰めすぎでしまったが為に、価値観の硬直化を招き、それが常態化して久しかった。
自国が強国であると考え、馬鹿者が国境線を越えて攻撃して来る可能性をは皆無だと言う「信仰」を強く抱いていたからだ。実際、もし、表立ってそんな研究を行う人民がいれば、偉大なる党にその不埒が発覚すれば、運が良ければ左遷。悪ければ労働改造所送りを受け入れなければならなかった。
だから、その手の研究の必要性を感じている賢者であっても、自分と家族の政治的安全を確保する為に手を着ける事が出来なかったのだ。
水面下やテーブルの下で段取りが整えられ、表舞台でこれ見よがしに公開された「一連の儀式」によって、差し迫る武力行使への参加国及びその軍隊は、青い国連旗の元に集い、「多国籍軍」ではなく、「国連軍」を名乗る名誉が許された。
民主主義国家群が、ラオス紛争開始直後から鈍い動きを見せられなかった事情。もしかしたら、この密議を繰り広げていたせいなのかも知れない。
※0= 国際連盟の英語表記はLeague of Nationsだ。もちろん、冠詞のTheが付くこともある。ラテン系の言語を母国語とする人でないと、この辺りは戸惑う。連盟の発足時の常任理事国は、第一次世界大戦で勝利した連合国=フランス、イギリス、イタリア、日本の4カ国。合衆国は提唱しておきながら参加しなかった。
※1= どうして、王国の方が単数形で、国家の方が複数形なのかは分からない。王国が四つじゃなくて、四つの連合国が一人の王に支配される=一つの王国だから単数形なんだろうか? なお、マン島は属領(王族の私有財産)で、これは連合王国とは別口と言う、所見殺し振りを発揮しているので困る。
※2= 国連事務局と国際司法裁判所の常用語がフランス語と英語。総会、安全保障理事会、経済社会理事会では、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語が使用されている。親和性のない言語同士の翻訳とか通訳って大変そう。
※3= 実際、日本国とはそこそこ縁の深いインドネシアが脱退した事がある。で、すぐに帰って来て現在に至る。
参考=国連広報センターの主な活動に関する解説。




