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第18話

―オルレアン王国 王都トゥーラ 闘技場 決勝戦―


「〈断天〉ッ!」


 俺は、グリフィンの胴体に向かって力強く一閃を放った。

 これは流石に躱せなかったらしく、見事グリフィンは真っ二つになった。


「意外とやるのう。じゃあ、次じゃ。

 〈召喚:サイクロプス〉」


 発動と同時に巨大な魔法陣が出現する。

 そしてそこから、巨大な剣を持つ1つ目の巨人が現れた。


「高ランクのモンスターを連続で召喚するって、どんだけ規格外なんだよ…」

「ただの劣化版じゃ。

 さぁ、あやつを殺れ」


 指示を受けたサイクロプスはこちらに向かってその巨大な剣を振り下ろしてくる。


「結界の展開は間に合わない…。

 この距離、速度…受けるしかない…!」


 剣を横に構え、剣身で相手の攻撃を受ける構えを取る。

 次の瞬間、全身を揺らすような衝撃が響く。

 足で踏ん張っていないと押しつぶされそうなほどの質量だ。


「ぐっ……重いッ…!」

「ほう!これを受けるとはなかなかじゃのう。

 じゃが、そこからどう動く気じゃ?」

「…いくらでもやりようはある!」


 防御している剣を高速で自分の体に引き寄せ、相手の大剣との間に隙間を作る。


「〈瞬天〉!」


 その直後に姿勢を低くし、力強く踏み込み高速移動で大剣の攻撃範囲から抜け出す。

 大剣が地面に突き刺さり、地が揺れる。

 かなりの力がかかっていたのか、どうやら地面に深く突き刺さって抜けないようだ。

 この隙を利用する!


「〈天地両断〉ッ!」


 地から天へと縦に一気に切り裂き、サイクロプスは縦に2つに割れた。


「クレア!【死霊魔術(ネクロマンシー)】使えないか?」

「わかりました…!〈屍体覚醒(アニメイト・デッド)〉」


 クレアの第二の職業(ジョブ)、それは【死霊魔術(ネクロマンシー)】である。

 といってもまぁ、正当な職業(ジョブ)ではなく、死霊魔術(ネクロマンシー)のスキルが使えるというだけなのだが。

 これは早期に職業(ジョブ)獲得の儀を行ったゆえの副産物だと考えられている。

 隠している理由は簡単で、死霊魔術ネクロマンシーはイメージ上忌避されやすく、かつ職業(ジョブ)自体は【大聖女】だからである。


「これでヨルムンガンドに対抗できれば…!」


 クレアがグリフォンとサイクロプスの死体に魔力を流し込み、切断面が繋がってゆく。

 切断面に魔力が集中し、死体同士は引き寄せられていく。

 そして、ついには2つの怪物は起き上がり、ヨルムンガンドに飛びかかる。


「おぉ…!妾の召喚魔法を利用するとは…やり手じゃのう。

 じゃが、妾にも対策はある」


 そう言って少女は空に飛び上がった。


「クレア!対空魔法!」

「〈神光穿槍(ホーリー・スピア)〉!」


 クレアが光魔法を放ち、無数のレーザー光線が少女に向かって伸びていく。


 「無駄じゃ」


 そう言って魔力の塊を数十個射出し、神光穿槍(ホーリー・スピア)のホーミングを巧みに欺き、全て相殺した。

 そして、少女は自身の手に持つレーヴァテインでグリフォンとサイクロプスに向かって軽く一振りする。

 次の瞬間、目の前には八つ裂きにされた2つの化物があった。


「さぁ、続きじゃ。〈召喚:ヨルムンガンド〉。

 やれ、ヨルムンガンド」


 空高くに居座る少女がそう言うと共に巨大な魔法陣が出現する。

 そしてそこから、黒色の鱗を携えた大蛇が現れた。


「お兄様、ヨルムンガンドは毒を持つモンスターです、お気をつけて」

「ありがとうクレア。

 しかしどうしたもんか…」


 指示を受けたヨルムンガンドはこちらに飛びかかってくる。


「まあ、あれしかないか」


 蛇はすばしっこいし、何よりも曲面が多すぎて剣がまともに機能しない。

 だからこの剣で断ち切れるかは半々だろう。

 それに、この調子じゃまた相手に新しいモンスターを召喚されかねない。

 なら、やることは一つだ。


「合図したらバリア頼んだぞ!クレア」

「わかりました!」


 そう言って俺は飛びかかってくる大蛇の口に向かって飛び込む。

 同時に大蛇は俺を噛み砕こうと口を素早く閉じてくる。


「なんじゃ、もう終わりか…」


 少女が少し肩透かしな様子で言ってくる。


「今だ!クレア!」

「〈神意結界アブソリュート・ウォール〉!」


 クレアが俺の周りに球状に結界を張る。


「よしッ!」


 予想通り、大蛇の口の中に生きたまま入り込めた。

 大蛇が戸惑っているこの隙に…!


「〈断空円舞〉ッ!」


 剣を縦に一回転し、斬撃を円状に発生させる。

 そして次の瞬間、大蛇は地に落ちた。

 

「なっ?!」

「やるなら相手が混乱してる今っ…!」


 俺は少女めがけて剣を投げ、魔道具に魔力を込め、発動させる。

 そして次の瞬間、視界が変わる。

 周囲を見渡すと、丁度少女の真上だ。


「お主、どうやってここに…!?」

「獲った…!」


 俺は飛んで逃げようとする少女を空中で上から捕まえる。


「お主重いんじゃ!離せっ…!」


 暴れる少女を抑えながら、姿勢を整える。

 数秒の間の後、全身に衝撃が走る。

 そして次の瞬間、少女の首元に剣を突き立てた。


「これで俺達の勝ちだ」

「…完敗じゃ」

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