これからに向かって side侯爵
子爵令嬢アニータの考案した音の鳴る縫いぐるみは新たなシリーズを作りまた、顧客の購買意欲を上向かせた。そこで、早めに籍だけ入れた。そうして彼女の口座を作り、彼女自身の資産を増やしていくことにした。
どうやら婚約前に話をした彼女の父親は、家を支えた彼女に感謝よりも鬱陶しさを感じているようだった。
家の仕事に手を付けなかったのは自分だろうに。
彼女の資産が家に流れるのは、私から見てもどうかと思う。
もちろん、彼女が自分で弟やミリエルに何か贈るのは構わないと思う。
でも、当たり前のように実家に仕送りをする必要はない。
だから、彼女は自由にお金を使うべきだ。
そうして、彼女は次のアイデアを私に持ってくる。
嬉しそうに笑いながら。
契約だけの妻のつもりだった。なのにこんなに頼ってしまう。ミリエルの世話も積極的にしてくれている。
本当にありがたい。
そうして、彼女と共にいる時間が増えると彼女のことをつい考えてしまう。
籍を入れたこともあり、周りからはついに夫婦になったと言われている。
そのからかいに私は曖昧に微笑むことにしている。
理想の女性…なのかもしれない。
だが、彼女に敬愛以上の感情はなぜだか感じない。
彼女からも愛情は全く感じない。
むしろ、同志的な。
むしろ、仲間的な。
なんと表現してよいのか分からない。
だが、付き合いやすいミリエルを間に挟んだ同志であるんだ。
誰かを好きになることが良く分からなかった私が、ミリエルを愛しいと思えるようになった。
そして、ミリエルを共に育てる仲間が見つかった。
それだけで充分なんじゃないだろうか。
ほら、またアニータの足音がしている。
また、何か思いついたのかな?
それとも、ミリエルの報告かな?
彼女の訪れは私の幸せを運んでくれる伝説の青い鳥のようだ。
今週中には完結予定です。
ぜひ、★で評価していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。




