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『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた件』  作者: qp46


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65/68

64話 山登り!のつもりがなんか温泉湧いたんだけど!?

公爵家


「うわ〜……」


りなが窓の外を見る


綺麗な青空。


気持ちいい風。


「どっか行きて〜」


「急ですね」


エミリアが紅茶を置いた


◇◇◇


「レティシア様!」


フィリアが勢いよく立ち上がる


「山などどうでしょう!?」


「山?」


「自然!

 景色!

 空気!」


「遠足前の小学生みたいなテンションだなぁ」


◇◇◇


数日後


山道


「うわ空気うまっ」


りなが大きく伸びをする


今日は完全に山登り仕様だった


動きやすい軽装。


編み上げブーツ。


帽子。


ラフなのに妙に盛れている


「レティシア様ー!」


フィリアが先を歩く


今日は王女というより、

完全にアウトドア少女だった


「見てください!!

 花です!!」


「ほんとだ」


◇◇◇


後ろでは。


公爵家の護衛騎士達が周囲を警戒している


「周辺異常ありません!」


「足元お気をつけください!」


「うわガチ登山だ」


「当然です」


エミリアが即答した


「レティシア様とフィリア様がおられるのですから」


「確かに」


◇◇◇


山道を進む。


川を越える。


岩場を登る。


「うわっ」


りなが少し滑る


「レティシア様!?」


「だいじょぶだいじょぶ」


「危険ですのでふざけないでください」


「今のはギャル回避だから」


「なんですかそれ」


◇◇◇


「でも山っていいね〜」


りなが木々を見上げる


葉の隙間から光が差し込む


風が揺れる。


鳥の声。


川の音。


王都とは全然違う空気だった


「なんか癒される」


「はい!」


フィリアも嬉しそうに頷く


「空気が綺麗です!」


◇◇◇


その時だった


「……ねえ」


りなが足を止める


「ん?」


「なんかさ」


地面を見る


「ここ掘ったら、

 温泉とか出そうじゃね?」


沈黙


「おんせん?」


フィリアが首を傾げた


◇◇◇


「自然にお湯湧いてる場所!」


「しかもめっちゃ気持ちいい!」


「景色見ながら入れたりするし!」


フィリアの目が輝く


「最高では!?」


「ワンチャンありそうじゃん?」


「わんちゃん」


「可能性あるって意味」


◇◇◇


「ですが」


エミリアが周囲を見回す


「そんな都合よく――」


黄金の光。


「うわっ」


『創造神スキル起動』


「タイミング良すぎん?」


◇◇◇


『“温泉を探したい”という欲求を確認』


『新規創造候補を解放』


『温泉探知機』


「あるんだ……」


現れたのは。


妙にそれっぽい棒だった


◇◇◇


「……これで分かるの?」


『反応地点へ向かってください』


「説明ざっくりだなぁ」


りなが棒を持つ


すると。


カタッ。


「お?」


少し動いた


◇◇◇


「動きました!!」


フィリアが目を輝かせる


「いやでもこれ、

 たまたまじゃ――」


カタカタカタカタッ!!


「うわっ!?」


急に激しく震え始めた


「怖っ」


◇◇◇


「こっちっぽい!」


りなが棒に引っ張られるように歩く


フィリアも続く


「探検みたいです!」


「ちょっと楽しくなってきたな」


◇◇◇


数分後。


探知機が、

ピタッと止まった


そこは。


ただの地面。


「……ここ?」


りながしゃがみ込む


地面へ触れる


「ん?」


ほんのり暖かかった


沈黙


もう一回触る


「あったかい」


◇◇◇


「……え」


フィリアも触る


「ほんとです!!」


エミリアも目を細める


「これは……」


護衛騎士達までざわつき始めた


「まさか本当に……」


◇◇◇


「ほんとにあるやん!!」


りなが爆笑する


「ノリで言っただけなんだけど!?」


◇◇◇


数時間後


「掘れぇぇぇぇ!!」


エリック王の声が山へ響いた


「来るの早っ!?」


「温泉と聞いて!!」


「フットワーク軽すぎるんすよ!!」


◇◇◇


騎士達が一斉に掘り始める


ドゴッ!!


ガン!!


ザッ!!


「いや本当に掘るんだ……」


「陛下がやる気ですので」


エミリアが真顔だった


◇◇◇


「レティシア様!」


フィリアがソワソワしている


「出るでしょうか!?」


「いやどうだろ」


その時だった


――ゴボッ。


全員止まる


「……今なんか言った?」


次の瞬間。


ブシャァァァァ!!


「うわぁぁぁぁ!?」


大量のお湯が吹き上がった


◇◇◇


湯気。


熱。


溢れるお湯。


山中へ広がる蒸気。


「「「おおおおお!!!」」」


フィリアが跳ねる


「温泉ですーーー!!」


「マジで掘り当てちゃった……」


りながちょっと引いていた


◇◇◇


数週間後


「完成早くない!?」


りなが固まった


山の麓。


そこには。


立派な温泉宿が建っていた


木造建築。


露天風呂。


休憩所。


完全に温泉街だった


◇◇◇


「レティシア」


エリック王が満足げに頷く


「この温泉の名だが――」


嫌な予感がした


「“レティシア温泉”とする!!」


沈黙


「えっ」


「第一発見者だからな!」


「いや待って恥ずっ!!」


「良い名前です!!」


フィリアが拍手する


「よくないって!!」


◇◇◇


「そして!」


エリック王が笑う


「完成記念として、

 レティシア達へ最初の入浴権を与える!!」


「「「おおおおお!!!」」」


「そんな拍手されること!?」


◇◇◇


露天風呂


「うわぁぁ……」


りなが目を丸くする


夜空。


湯気。


木の香り。


広い湯船。


完全に温泉旅館だった


「なんか……

 ガチで温泉だ……」


「レティシア様!」


フィリアが目を輝かせる


「入る前に“ばすぼむ”です!!」


「あ、そうだった」


◇◇◇


「創ちゃん!」


黄金の光。


『新規創造候補を解放』


『あわばすぼむ』


『温泉用へあおいる』


『保湿くりぃむ』


『ふぇいすぱっく』


「急に女子力!!」


◇◇◇


「まずこれ!」


りなが丸い玉を持ち上げる


「ばすぼむ!」


「ばすぼむ!」


フィリアが目を輝かせる


「お湯に入れるとシュワシュワするやつ!」


「必要なのですか!?」


「必要」


即答だった


◇◇◇


ぽちゃん。


シーーーン……


沈黙


「……あれ?」


フィリアが首を傾げる


「何も起きません!」


「いや温泉広すぎた」


◇◇◇


「追加ぁ!!」


ぽちゃんぽちゃんぽちゃん!!


大量投入。


次の瞬間。


シュワァァァァァ!!


「うわぁぁぁ!!」


露天風呂がめちゃくちゃ泡立った


「多い多い多い!!」


◇◇◇


「でもめっちゃいい匂いです!!」


「テンション上がるっしょ?」


「温泉ガチよりガチです!!」


「まだ言ってる」


◇◇◇


「ふぃ〜……」


りなが露天風呂で伸びをする


夜空。


湯気。


木の香り。


「温泉最高〜……」


「ガチよりガチです……」


フィリアが完全に蕩けていた


「それもう褒め言葉として定着したな」


◇◇◇


「でもなんか不思議だね」


りなが空を見る


「山来て」


「掘って」


「温泉出て」


「宿まで建ってる」


「勢いがすごいです!」


「この国ノリで進みすぎなんだよなぁ」


みんなが笑った


◇◇◇


翌日


「レティシア温泉はこちら最後尾です!!」


「温泉まんじゅう追加ー!!」


「限定へあおいる完売しました!!」


「次のお客様ご案内します!!」


沈黙


「……え」


◇◇◇


長蛇の列だった


屋台。


湯気。


観光客。


行列。


山だった場所が、

もう半分温泉街になっていた


「早くない!?」


◇◇◇


「なんで屋台もう出てんの!?」


「商人達が集まり始めまして」


エミリアが普通に答える


「適応力どうなってんの!?」


◇◇◇


りなは行列を見る


王国民達。


めちゃくちゃ楽しそうだった


「……ほんと」


りなが苦笑する


「この国の人たち、

 相変わらずノリ良すぎんだろ……」

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