61話 準備ってマジ青春じゃね?
王城
国祭準備初日
「うわぁぁぁ忙しっ!!」
りなが廊下を走る
王城中が大騒ぎだった
「看板班こちらです!」
「屋台資材運んでください!」
「ステージ装飾急いでください!」
「誰!?中央広場で爆発起こしたの!!」
「ルーク様です!!」
「また!?
あの人何回爆発させるんだ……」
◇◇◇
「レティシア様!」
フィリアが駆け寄ってくる
今日はエプロン姿だった
「見てください!」
巨大な紙。
そこには。
『第一回 王国文化祭』
その下には。
『略して国祭!』
「ほんとに略したんだ」
「大事です!」
フィリアがドヤ顔する
◇◇◇
「レティシア様〜!」
別の貴族令嬢達がやってくる
「メイド喫茶班、
制服決まりました!」
「おぉ〜!」
「こちらです!」
フリフリだった
「強っ」
「“萌え”を意識しました!」
「完全に染まってるなぁ」
◇◇◇
「こちらも完成しました!」
エミリアが布を広げる
『映え屋台通り』
「ネーミング終わってんなぁ」
「レティシア様が決めたんですよ?」
「そうだった」
◇◇◇
「うわっ」
りなが窓の外を見る
王城前広場。
大量の人。
職人達が屋台を組み立て。
騎士達が荷物を運び。
貴族達が飾り付けをしていた
「規模デカ……」
「国民の皆様も協力してくださっているそうです」
セレスティアが資料をめくる
「南区の職人街から追加屋台三十」
「商業区から装飾提供」
「子供達から看板百二十枚」
「多っ!?」
◇◇◇
「資材足りません!」
「東通路混雑してます!」
「屋台班止まってます!」
王城が一気に騒がしくなる
その時だった
「……第三倉庫を開けろ」
低い声が響いた
騎士達が一斉に動く
「装飾班は西へ回せ」
「中央を空ける」
「人の流れが止まる」
次々と指示が飛ぶ
「うわっ」
りなが目を丸くした
「レオン様しごでき……」
◇◇◇
「レオンお兄様すごいです!」
フィリアが目を輝かせる
「慣れてるだけだ」
「いや絶対仕事できる人の動きじゃん」
「王族だからな」
「顔良くて仕事できるのズルくないっすか?」
「お前、
たまに失礼だよな」
◇◇◇
「レティシア様ー!」
子供達まで走ってきた
「国祭楽しみです!!」
「おぉ〜!」
「これ描きました!」
見せられた看板。
『るーくさま♡』
「完全に推し活文化じゃん」
◇◇◇
「いやぁ」
ルーク様が後ろから笑う
「人気者ってつれぇわ〜」
「調子乗ってんなぁ」
「レティシア、
ステージ見たか?」
「まだっす〜」
「今回マジでヤバいぞ!」
「毎回それ言って爆発してません?」
「今回は爆発してねぇ!」
沈黙
「……まだ」
「する気じゃないっすか!!」
◇◇◇
「セレスティア様!」
フィリアが手を振る
「こちら手伝ってください!」
「えっ」
セレスティアが固まる
「いえ、
私は招待客で――」
「お願いします!」
「うっ」
押し切られた
◇◇◇
数十分後
「なぜ私は看板を塗っているのでしょう……」
セレスティアが真顔で呟く
手はペンキまみれだった
「セレス上手〜!」
「レティシア、
普通に巻き込まないでください」
「もう参加してんじゃん」
「してません」
「いや絶対楽しんでるって」
「……否定はしません」
◇◇◇
「レティシア」
エドワードが書類を差し出す
「屋台配置の最終確認を」
「お父様しごできじゃん!」
「しごでき?」
エドワードが首を傾げる
「めっちゃ有能って意味!」
「そ、そうか」
エドワードが少し目を逸らす
「……ふふ」
エミリアが小さく吹き出した
「めちゃくちゃ照れてますね」
「うるさい」
◇◇◇
その後ろでは、
ベルモンドが大量の資料を抱えていた
「メイド喫茶の運営表です」
「仕事早っ!?」
「既に三店舗ほど追加希望が来ております」
「増えてる!?」
◇◇◇
「あとこちら」
ベルモンドが静かに紙を差し出す
『国祭ファッションショー』
「え」
「王妃様主催です」
嫌な予感しかしなかった
◇◇◇
数分後
「レティシアちゃーん♪」
オリヴィア王妃が満面の笑みで現れる
「今回のテーマは!」
バァン!!
「“盛り”よ!!」
「うわノリノリだ!!」
「レオンもルークも出るわよ〜♪」
「母上やめてって!」
「もう衣装決まってるから♡」
「早っ!?」
◇◇◇
中庭
「おぉ……!」
りなが目を丸くした
大量の屋台。
飾り付け。
ステージ。
旗。
人。
まだ準備途中。
でも。
もう祭りだった
「すごいです……!」
フィリアも目を輝かせる
「本当に国のお祭りみたいです!」
「いや国祭だからね?」
◇◇◇
その夜
王城の一室
「……で?」
りなが腕を組む
「なんで集められたんすか」
そこには。
レオン様。
ルーク様。
フィリア。
エミリア。
そして楽器。
「国祭ライブやるぞ!」
ルーク様がドラムを叩く
ドォン!!
「うるさっ!?」
「バンドってやつだ!」
「いや聞いてないんすけど!?」
「レティシアがボーカルな!」
「なんでっすか!?」
「センター感あるから!」
「理由ふわっふわだなぁ!?」




