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『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた件』  作者: qp46


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51話 レティシア教!?何それ聞いてない!

 王都中央大聖堂。


普段は厳かな祈りが響くその場所に――


「「「アゲ〜〜〜↑↑↑」」」


意味不明な大歓声が響いていた


「いや何これ」


りなが真顔になる

隣でエミリアがそっと視線を逸らした


「レティシア様……わたくし、数日前から少し嫌な予感はしておりました……」


「止めてよ!?」


大聖堂内部

そこには巨大なステンドグラス。

七色に輝くその中央に描かれていたのは――


「なんで私!?」


盛れ加工されたレティシアの姿だった

しかも無駄に神々しい

謎のラメ演出まで入っている


「完成度高いの腹立つ……」


民衆達がざわめく


「あれが“始まりのギャル”……」


「尊い……」


「盛りの女神……!」


「やめろやめろやめろ」


すると奥の扉が開く


ふわりと揺れる豪華なドレス。


キラキラに盛られたネイル。


王女フィリア・エルドラドがゆっくり姿を現した


「皆様、本日はよく集まってくださいました」


完全に教祖だった


「フィリアぁぁぁぁ!!!」


りなが叫ぶ

フィリアが嬉しそうに手を振る


「あっ! レティシア様!」


「じゃないのよ!」


「本日は記念すべき“第一回 盛りの祝祭”です!」


「開催すな」


民衆が盛り上がる


「うおおおお!!」


「アゲ〜〜〜↑↑↑!!」


「なんで統率取れてんの!?」


フィリアが真面目な顔で演説を始める


「かつてこの国では、“好き”を語ることは恥とされていました」


「かわいくなりたいと願うことも」


「誰かを推したいと思うことも」


「ですが――」


フィリアがりなを見る


「レティシア様は教えてくださったのです」


「好きなものを好きと言っていいのだと!」


 教徒

「「「おおおおお!!!」」」


「いや待って急にちょっといい話にするのやめて」


「盛ることは、自分を好きになること」


「推しは心の光」


「サゲ↓よりアゲ↑です!」


 教徒

「「「アゲ〜〜〜↑↑↑!!!」」」


「だからなんで浸透してんの!?」


その時だった


奥から聖女セレスティアが現れる


「待ちなさい!!」


ビシィッ!!


セレスティアがフィリアを指差した


「こんなふざけた宗教、教会は認めません!!」


「聖女様!!」


空気が張り詰める


「お、まとも枠きた」


聖女がりなを見る


「そもそも“盛る”とはなんなのですか!!」


「え、なんかいい感じにかわいくする感じ?」


「曖昧!!」


だがその瞬間。


 フィリアがじーっと聖女の手元を見る


「……聖女様」


「なんです」


「そのネイル……新しくしました?」


沈黙


りなが目を細める


「……え」


聖女の爪


うっすらラメ入り。しかも薄ピンク

盛っていた


「…………」


「…………」


聖女がさっと手を隠す


「こ、これは違います!」


「いや絶対最近覚えたやつじゃん」


「違います!!」


さらにエミリアが追撃する


「そのバッグについている“レオン王子推し”のうちわは……?」


「っ!!?」


会場がざわつく


「こ、これは没収品です!!」


「嘘つけぇ!!」


フィリアがキラキラした目になる


「聖女様も、“こちら側”だったのですね……!」


「違います!!」


「尊いです!!」


「違いますぅ!!」


完全に囲まれていた

その時

ゴゴゴゴゴ……


大聖堂奥の幕が上がる


「……ん?」


現れたのは、巨大なレティシア像

片手を掲げ、無駄に神々しいポーズ

台座には金文字


『アゲこそ救い』


「誰が作ったァァァァ!!!!!」


 教徒

「「「うおおおおお!!!」」」


「レティシア様ぁぁぁ!!」


「盛りの女神!!」


「いやマジでやめて!!!」


フィリアが感動した顔になる


「レティシア様……!」


「この文化で、沢山の人が笑顔になりました!」


「わたくし、これは救いだと思うのです!」


一瞬だけ

りなが言葉を失う


確かに

前よりみんな楽しそうだった

笑っていた


好きなものを好きと言えていた


「……あー……」


ちょっとだけ照れ臭そうに頭をかく


「まあ……それは……」


その瞬間


「「「アゲ〜〜〜↑↑↑!!!」」」


巨大レティシア像から謎の光


「やっぱダメ!!!!普通に恥ずかしいわ!」


 りなが叫ぶ


「はい解散!!!」


「宗教化禁止!!!」


「推しは自由!!!」


「あとその像壊して!!!」


 教徒

「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」


「そんなぁ……」


「そんなぁじゃないのよ!!」


数日後。


王都裏路地。


「……それな」


「それな……」


「アゲ↑……」


フードを被った隠れ信徒達


「残党いるぅぅぅぅ!!!!」

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