36話 つるんでるだけがダチじゃなくね?
最近
ギャル文化は、
貴族社会へかなり浸透していた
「それアゲ〜!」
「わかります!」
「盛れてますわ!」
令嬢たちは今日も騒がしい
◇◇◇
「レティシア様!」
フィリアが嬉しそうに駆け寄ってくる
「最近みなさんノリが良くなりましたね!」
「だね〜」
りなも笑う
「最初はみんな硬かったし」
◇◇◇
その時だった
「そのリボンちょっとサゲじゃない?」
一人の令嬢が笑う
「わかる〜!」
「それ去年感ありますわ!」
周囲も笑った
言われた令嬢も。
「あはは……」
笑っていた
でも。
「……」
りなの笑顔が消える
◇◇◇
「どしたの?」
フィリアが首を傾げる
「いや」
りなが令嬢たちを見る
「それ楽しい?」
空気が止まった
◇◇◇
「え?」
「いやだってノリじゃん?」
一人の令嬢が笑う
「ギャルっぽい感じで〜」
「……ん〜」
りなが頭を掻く
「ノリってさ」
周囲を見る
「みんなで笑って楽しいからアガるんじゃん?」
沈黙
「誰かが笑ってないなら、
それノレてなくね?」
◇◇◇
令嬢たちが固まる
リボンをいじられていた令嬢は、
少しだけ俯いていた
「……あ」
一人が気づいたように声を漏らす
◇◇◇
「つるんでさ〜」
りなが少し笑う
「一緒に騒いで、
ノリで笑ってんのも楽しいじゃん?」
「はい……」
「でもさ」
りなの顔が少し真面目になる
「つるんでるだけが、
ダチじゃなくね?」
静かになる空気
◇◇◇
「ダチならさ」
「嫌がってる時くらい、
気づいてやれって思うんよね」
令嬢たちは何も言えなかった
◇◇◇
「盛るって、
別に誰か下げるためにやるもんじゃないし」
りなが笑う
「せっかくなら全員でアガった方が楽しくね?」
沈黙
そして。
「……申し訳ありません」
最初に言った令嬢が頭を下げた
「いえ……」
リボンの令嬢も少し笑う
◇◇◇
「そのリボン」
りながじっと見る
「普通にかわいくね?」
「え」
「今日の服とも合ってるし」
「……!」
令嬢の顔が少し明るくなる
◇◇◇
「なるほど……」
フィリアが真剣な顔で頷く
「ダチとは奥が深いのですね……」
「ノリで喋っただけだけどね?」
「まあでも、せっかくなら
楽しい空気の方がよくね?」
「はい!」




