34話 使い捨てカメラって普通にエモくね?
「最近さ〜」
りながソファへ寝転がる
「写真すぐ見れすぎじゃね?」
「便利で良いことでは?」
エミリアが首を傾げる
「いやもちろん便利なんだけど」
りなは少し笑った
「たまには“不便”もエモいんよ」
◇◇◇
「創ちゃん」
――ブワッ!!
机の上へ、
黒い箱が置かれる
「おぉ……?」
エミリアが不思議そうに眺めた
「これは?」
「使い捨てカメラ!」
りながカメラを構える
カシャ
そして横を回す
ガリガリガリ
「なんで回してるんですか?」
「これがエモい」
ガリガリガリ
「あとさ〜、
現像するまで写真見れないんだよね〜」
沈黙
「不便ですね」
エミリアが真顔で言った
「いやそこがいいんじゃん!」
「どんな風に撮れたかわからないまま?」
「そうそう」
「待ってる時間込みでワクワクすんのがエモいの!」
「しかしそのような技術は……」
「まあそうだよね〜」
ピコン
『SOUZOU使って』
「できるんかい!」
◇◇◇
「あとこれ、
二十枚くらいしか撮れないんだよね〜」
「少ないですね」
「だから一枚一枚が大事なの!」
りなが立ち上がる
「よし」
「どちらへ?」
「みんな撮りにいく!」
◇◇◇
「お父様〜!」
カシャ
「おぉ!?」
「ベルモンドもこっち!」
カシャ
「私もですか!?」
「当たり前じゃん!」
◇◇◇
バァン!!
「写真撮影と聞こえました!!」
「地獄耳!!」
フィリアだった
その後ろには。
「面白そうだな」
レオン様
「俺も撮る!」
ルーク様
「フィリアだけずるいぞ」
王様
「私も写ります♪」
王妃様
「増えたぁ!?」
◇◇◇
「レオン様もっと笑ってください!」
カシャ
「ルーク様そのポーズなに!?」
カシャ
「お父様近い近い!!」
カシャ
「ベルモンド顔怖っ!」
カシャ
どんどん減っていく枚数
「……あ」
りなが固まる
「次ラストじゃね?」
「え、もうですか!?」
「最後どうするかな〜」
沈黙
「……よし!」
「全員で撮るか!」
◇◇◇
全員並ぶ
「では、
撮影いたします」
メイド長がカメラを構えた
「あっ」
りなが固まる
「忘れてた!」
「?」
「写真撮る時には掛け声があるんだよ!」
「掛け声?」
「そう!
“はい!チーズ!”って言って、
カシャ!みたいな感じ!」
「チーズですか」
「深く考えなくてもノリで!」
「なるほど……」
「では改めて」
全員並ぶ
「はい!」
「「「チーズ!!」」」
カシャ
沈黙
「……待って」
りなが固まる
「今半目だった気がする」
「え」
「確認できないの怖っ!!」
◇◇◇
一週間後
「できたぁぁぁ!!」
みんなで写真を見る
「変顔多すぎません!?」
フィリアが笑う
「ルーク様ブレてます!」
「動いたからだ!」
そして最後の一枚
「……あ」
りな。
ほぼ半目。
「全然盛れてねぇじゃん!?」




