29話 おねだりするならパパ活しかないっしょ!
いつものように、
公爵家でのお茶会
「フィリアってさ」
りなはクッキーをかじりながら首を傾げる
「お父様におねだりとかしないの?」
「お、おねだり……?」
フィリアが目を丸くした
「したことありません」
「マジで!?」
「欲しい物は基本的に用意されますので……」
「うわ、ガチお嬢様だ」
りなは感心する
「じゃあ“パパ活”したことないんだ」
「ぱ、ぱぱかつ……?」
フィリアが固まった
エミリアも嫌そうな顔をする
「なんですかその不穏な単語は」
「いや普通にリアルパパへのおねだり活動だけど?」
「紛らわしいです!!」
◇◇◇
「まずは見本ね」
りなが立ち上がる
「お父様〜」
バタンッ!!
「どうしたレティシア」
エドワードが即座に現れた
「来るの早っ」
「呼ばれたからな」
「お茶しよ〜」
りながエドワードの腕へ軽く抱きつく
「今日めっちゃ天気いいし〜」
「……ふむ」
エドワードの口元が少し緩んだ
「たまにはそういう時間も悪くないな」
「っしょ?」
「欲しい物はあるか?」
「早っ!?」
エミリアがツッコむ
「いやでも〜、
この前見たアクセちょっと気になってて〜」
「買おう」
「即決!?」
エドワード、
満更でもなかった
◇◇◇
「……これが」
フィリアが衝撃を受けていた
「パパ活……」
「違う気もしますけどね!?」
エミリアが必死に軌道修正する
「ポイントはね」
「甘える」
「頼る」
「褒める」
「これ」
りなはドヤ顔になる
「な、なるほど……!」
フィリアが真剣に頷いた
そして。
勢いよく立ち上がる
「レティシア様!」
「ん?」
「ついてきてくださいませんか!?」
「え、今!?」
◇◇◇
王城
「お、お父様……」
エリック王が呼び出された
「どうしたフィリア!?」
秒で来た
さらに
「なにかあったのか!?」
「誰か泣かせたか!?」
レオンとルークまでいる
「来るの早すぎん?」
フィリアは少し緊張しながら口を開く
「あの……その……」
「うむ!」
「い、一緒にお買い物へ行きたいです……」
沈黙
次の瞬間
「かわいい!!!!」
エリック王が叫んだ
「フィリアがお願いを!!」
「お父様落ち着いてください!!」
「店ごと買おう!!」
「いや父上」
レオンが真顔で口を開く
「フィリア専用の商店街を作るべきです」
「なるほど!!」
エリック王が立ち上がる
「それだ!!!」
「いいえ父上」
ルークも真顔で続ける
「街を作りましょう」
「採用!!!」
「規模がどんどんデカくなってんだけど!?」
◇◇◇
「陛下!!」
バンッ!!
宰相が飛び込んできた
「予算会議が悲鳴を上げております!!」
「えぇい細かい!!」
「国が傾きます!!」
会議室がカオスになる
りなはお茶を飲みながら呟く
「あー、歯止め効かない系ね」
「完全に親バカですね……」
エミリアが遠い目をした
◇◇◇
「なるほど」
ベルモンドが静かに頷く
「これが“パパ活”ですか」
「そうそう」
「甘えることで相手を喜ばせる高度技術」
「言い方」
エミリアがツッコむ
その時
ベルモンドが、
すっとりなの前へ跪いた
「では」
「ん?」
「私にもそのパパ活とやらをやってくれませんか?」
沈黙
「執事長まで来たーーー!!?」




