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『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた件』  作者: qp46


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21話 これって脈絡アリ?

「――レティシア様」


 今日もフィリア様がアルヴェイン公爵家へやってきた。


 もう誰も止めない。


 門番ですら。


「おかえりなさいませ、フィリア様」


 って言ってた。


 いや実家化してない?


 


◇ ◇ ◇


「で?」


 私は紅茶を飲みながらフィリア様を見る。


「今日はどしたん」


 フィリア様は頬を赤くしながら、

もじもじ指を絡めていた。


「……あの」


「うん」


「これって……脈アリなのでしょうか」


「来たわね」


 恋愛相談あるある。


 “脈アリ判定会議”。


「何されたん」


「その……」


 フィリア様が顔を赤くする。


「先日、“本日はお綺麗ですね”と……」


「脈アリ」


「早くない!?」


「いや好きじゃん」


「ま、まだ分かりませんわ!」


 フィリア様がぶんぶん首を振る。


「他は?」


「訓練場で目が合う回数が多くて……」


「脈アリ」


「早いですって!」


「あと?」


「わ、私が来ると姿勢を正されますわ……」


「脈アリ」


「雑ぅ!?」


 フィリア様が机を叩いた。


 エミリアが小さく吹き出す。


「レティシア様、ほぼ願望で喋ってません?」


「恋愛って勢いだから」


「ダメなアドバイスの典型ですね」


 


◇ ◇ ◇


 その時だった。


「随分楽しそうだな」


 声。


 部屋へ入ってきたのは、

レオン・エルドラド第一王子。


「あ、お兄様……!」


 フィリア様が少し慌てる。


 レオン様はソファへ腰掛けながら、

こちらを見た。


「何の話だ?」


「脈アリ判定会議」


「なんだそれ」


「恋愛相談!」


「帰るか……」


「帰んな!」


 私は即ツッコむ。


 


◇ ◇ ◇


「で?」


 私はレオン様を見る。


「男子的にどうなん」


「どうと言われてもな……」


 レオン様はため息をつく。


「“綺麗ですね”程度なら社交辞令でも言う」


「えっ」


 フィリア様の顔が固まる。


「えっ」


「貴族なら普通だ」


「えぇぇぇぇっ!?」


 フィリア様が崩れ落ちた。


 私はレオン様を睨む。


「いや空気読んで!?」


「なぜだ」


「今いい感じだったじゃん!」


「事実を言っただけだが」


「モテないぞ!」


「余計なお世話だ」


 エミリアが真顔で頷く。


「確かにちょっとモテなさそうです」


「エミリア!?」


 


◇ ◇ ◇


「ですが」


 レオン様がふと続ける。


「目で追うのは、多少あるかもしれんな」


「っ!」


 フィリア様が顔を上げる。


「あと……」


 レオン様は少し考える。


「好きな相手の前では、男は多少格好つける」


「格好つける……?」


「姿勢を正すのも、その類だろう」


「〜〜〜っ!!」


 フィリア様の顔が一気に赤くなる。


 私はガッツポーズした。


「っしゃ脈アリ!」


「まだ分からん」


「いや今のは強いって!」


「期待しすぎるなと言ってる」


「男子ってめんど」


「お前らが騒ぎすぎなんだ」


 


◇ ◇ ◇


「じゃあ逆に聞くけど」


 私は身を乗り出す。


「男子ってどんな時好きになるん?」


「なんだ急に」


「参考にしたいじゃん」


 レオン様は露骨に嫌そうな顔をした。


「……安心できる相手、とかじゃないか」


「おー」


「あと自然に笑ってくれるとか」


「ほうほう」


「無理に着飾るより、普通にしてる方がいい」


「…………」


 その瞬間。


 フィリア様と私の視線が、

同時に昨日の“盛りすぎ事件”を思い出した。


「「あっ」」


 エミリアが静かに吹き出す。


「だから怖がられたんですね」


「やめてぇぇぇぇ!!」


 フィリア様が机へ突っ伏した。


 


◇ ◇ ◇


「つまり!」


 私は指を立てる。


「大事なのは“自然体”ってこと!」


「そ、そうですわね……!」


「盛るのも大事!」


「はい!」


「でも盛りすぎるな!」


「難しいですわ!?」


 フィリア様が半泣きになる。


 私は笑いながら紅茶を飲んだ。


 恋愛って、

結局みんな手探りなんだなぁ。

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