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『平成ギャルが公爵令嬢に転生したら、貴族社会がマジでだるすぎた件』  作者: qp46


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10話 どこでも盛りたいならあれしかないっしょ!

「……ねえフィリア」


「はい!」


 最近、

フィリアの返事が良すぎる。


 王女なのに。


「その“ぷり”さ」


 りなは机に置かれたプリを指差す。


『うちらマブダチ!!』


 ラクガキだらけの写真。


 フィリアはそれを大事そうに抱きしめた。


「はい。宝物です!」


「いや重っ」


「っ!?」


「でもまあ分かる」


 りなは笑った。


 プリ機は革命だった。


 今や屋敷だけじゃない。


 社交界の令嬢たちまで、


* 「次のお茶会で撮りません?」

* 「盛れる角度はこちららしいですわ」

* 「小顔補正とは一体……」


 とか言い始めてる。


(……いや広まりすぎでは?)


 そんな時だった。


 りなはふと思う。


「……でもプリってさ」


「はい?」


「持ち運べなくね?」


「……?」


「もっとどこでも撮れた方が良くね?」


 その瞬間。


 ――ブワッ。


「来ました……!」


 フィリアが若干テンション高めに言った。


 黄金の光。


 神々しい紋様。


 もう誰も驚かない。


『創造神スキル起動』


『“どこでも盛りたい”という欲求を確認』


「このスキル、マジでギャル寄りなんだが?」


『新規創造候補を解放』


『スマートフォン』


『カメラ機能』


『写真加工』


「加工まであんの!?」


 空間が歪む。


 現れたのは、

薄く四角い黒い板。


「……スマホじゃん」


「す、すまほ……?」


 フィリアが不思議そうに覗き込む。


「これでどこでも写真撮れる」


「どこでも!?」


「しかも盛れる」


「盛れるのですか!?」


 フィリアが食いついた。


 完全に染まっている。


「ただ〜……」


 りなはスマホを操作する。


 圏外。


「電波ないからほぼ使えん」


「で、でんぱ……?」


「まあ気にしない気にしない」


 りなはカメラを起動する。


「ほら、フィリア」


「は、はい!」


「もっと寄って」


「こ、こうですか……?」


「硬っ」


 カシャ。


「おお〜」


 すぐに写真が表示される。


「えっ!?」


 フィリアが目を見開いた。


「もう映っております!?」


「しかもほら」


 りなが画面を操作する。


 キラキラ。


 肌補正。


 ほんのりラメ。


「……っ!!」


「盛れすぎでは!?」


「スマホってマジ革命なんよ」


 フィリアは、

目を輝かせながら画面を見る。


「ぷりとは違うのですね……」


「プリは“特別感”あるじゃん?」


「はい!」


「スマホは日常って感じ」


 どこでも撮れる。


 何気ない瞬間も残せる。


 それはこの世界には、

まだなかった文化だった。


   ◇◇◇


「レティシア様!!」


 翌朝。


 恒例となったメイド長突撃。


「今度はなに!?」


「令嬢方が“自撮り”を始めました!!」


「もう広まった!?」


「さらに、“盛れる角度”の研究会が開かれております!!」


「研究会!?」


「あと王女殿下が廊下で突然“ぴーす”を始めたと王城から苦情が……」


 りなは静かに天を仰いだ。


「……革命、起きてんなぁ」

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