第1章 6話 人の家を勝手に覗いてはいけない。
それで、帰ってきたは良いものの、またまた勉強地獄なんだよな〜
しょうがない。夕飯まで頑張りますか
「⋯⋯あ゙〜」
僕は机に突っ伏する。
文字が多い。多すぎる。
世界には、どうしてこんなにも文字が必要なのだろうか。
十個くらいで良くない?
⋯いや、良くないな。
少なくともこの本の分厚さを十個の言葉で表すのは不可能だ。
「あ~息してるだけで体が勝手に覚えてくれないかな〜」
いやまあね?ダト字以外は必修では無いよ?⋯あれ、これ前も言った気がするな。
どっちでもいいけど。
常用のものだけ覚えればいい気もするけど、それだと本全部読めないしな。
てか常用でも何万とあるらしい。
それを覚えるだけでも何年掛かるのか。
「あ゙〜続きやるか⋯」
「はぁ⋯。やっぱり十個でいいよな⋯」
僕はため息をついた。
やっぱり世界に十個だけでいいと思う。
正直言って僕には覚えられない。
いや、僕じゃなくても覚えられる人はいないだろう。
きっとそうだ。
決して僕が駄目なのではない。
⋯そうだと信じたい。
そうじゃないとまるで僕が馬鹿みたいじゃないか!
まあそんな事は置いておいて、とりあえず、全部読もう。
それで覚えればいい。
そう、地道に、地道に⋯⋯
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あれから一週間経った。
文字は地道に学んで、本は半分ほど読んだ。
肝心な内容はというと、勇者が魔王を倒すために旅をするというものだった。
「旅ねぇ」
そういえば最近、この村に旅人が寄ったらしい。
泊まるところが欲しいとかで今も居るのだが、どこに泊まっているのだろうか?
村長の家とか?
それだったら納得できる。でかいしな。あの家
僕もあれくらいのやつ住んでみたい。
一回お邪魔しに行こうかな。
迷惑になるだろうから行かないけども。
というか、村長って普段何やってるんだろう。かなり年配の人だって聞くけど。
やっぱお茶啜ってたりするのかな?
そんな事気になってもしょうがないわけだが、気になるのもは気になる。
奇跡的にどっか覗けるところ無いか探してこようっと!
僕はメモを持ち、家を出て村長の家を覗きに行く事にした。
〜村長家周辺〜
どっか隙間開いてないかな〜
ん~
「あ!」
隙間だ。
どれ、覗いてみるかな〜
「あぁの⋯⋯何、してるんです、か⋯?」
村長の家を覗こうとした僕の耳に、優しい声が入ってくる。
僕は咄嗟に声の主の方向を向く。
⋯⋯白い髪に、青い目。
見る人が見れば攫われてしまいそうな少女だ。
「あ、えっと⋯これは違いまして、何かの間違いといいますか、その⋯」
⋯これまずいかも?
というか、なんか既視感があるな?
どちらも微妙な雰囲気で、初対面。
うん、二度目だ。
ジークと初めてあった時と同じ空気感。
いや、それ以上に気まずいかもしれない。
相手は初対面ジークよりもじもじしている。
ジークの時はどうしてた?
思い出せ⋯⋯⋯⋯あ、名前だ。
でもこの状況で名前聞くやついるか?
いやいない。
「⋯⋯」
「⋯⋯」
よく考えると僕は女の子と話したことが無い⋯
詰ん⋯だ⋯⋯⋯!
いや、一つ対処法はある。
もうそれしか無い!
「あ、すいませぇぇん。何でもないです〜」
「え、ぁ⋯ちょ⋯⋯あ⋯」
それはそう、颯爽とこの場から去る!
振り向きざまに、視界の端で僕に手を伸ばすのが見えた。
後ろから声が聞こえるが、どうすればいいのかわからないんだ!ごめん!
僕はその場から逃げ去る。
気まずかった。とても気まずかった。
僕は今現在進行形で走っている。
「―――」
なんか今、後ろから声が聞こえた気がするが、今から戻ってなんか言うにしても何を言えばいいかわからない。
どこかに隠れれば追ってこないだろう。
ひとまず森に避難だ!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
とりあえず、撒けた、かな?
またあったらどうしようかな〜⋯⋯
ジークとか良い関わり方知らないかな。
どこかで会ったら聞いてみよう。
木々を越え草原を目指す。
「いつもは通らない道だからどっち行けばいいかわかんないな」
そう言った時、目の前に眩いばかりの光が満ち溢れる。
「うぉ⋯眩し⋯⋯」
僕は手で顔に影を差した。
そこには草原にいる短い剣を持ったジークがいた。
光の正体は剣に反射した太陽の光だった。
「ジークか。ちょうどいいや」
僕は剣を照らすジークに近づくと、ジークが僕の足音に気づき、こっちを向く。
ラッキー!早速聞いてみよう。
あれ、そういえば、前もだけどなんで一人だとここにいるんだ?
嫌われてはいないはずだ。絶対
うん。絶対
「あ、セフィル⋯君」
なんか距離感じるな⋯
ちょっと悲しい。僕は仲良くなりたいと頭の片隅で思ってるのに。
「えーっと、やっほー」
というか、なんで剣なんて持ってるんだ?
聞いてみるか。
いや、まずはどう接すればいいか⋯⋯
悩むな⋯
よし、気になる方を聞こう!
「なんで剣なんて持ってるの?」
「ああ、これか⋯⋯」
ジークが右手に剣を持ち、掌の上に刀身をかざして言う。
「これは、訓練?みたいな⋯もの」
「⋯?」
かなりぼやかされた。
使うことないだろうに。
⋯⋯まあ、あるかも知れないか。
「なんにもやることが無いからさ⋯いざという時のため、的な?」
いざというときのため⋯か。
ジークは剣を降ろす。
そうだ!
僕は大人になったら旅に出る⋯予定だし、僕も少しは剣を振れるようになろう!
そしてあわよくば付いてきてもらおう。
旅は道連れってね!
「あのさ、ジークは将来の事とか⋯決まってるの?」
「いや、決まってないけど⋯⋯」
よしきた!
「僕、大人になったら村を出て、旅をしようと思ってるんだけど⋯一緒に⋯⋯その、来ない?」
言った。言ってやったぞ!
さあ、どう来る!?
ジークは遥か遠く、空を見上げる。
「旅か⋯⋯それもいいかも知れないな」
お⋯これは?
「⋯少し、考えさせてほしい」
あぁ⋯⋯
ジークが再び僕の方を向いてそう言った。
「僕もまだ決まった訳じゃ無いからさ⋯まあ、考えておいてよ」
「うん」
さっきから距離を感じるな⋯⋯
「――――」
その時、森の奥からなにか声が聞こえた。
投稿頻度遅くてすみません!
次回から頑張っていくつもりです!




