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46.勇者の世界征服計画

「不本意だ。非常に不本意だ」


 オリジナル・アキラは不機嫌そうにぶつぶつと呟いていた。


 彼の手元にはホログラム発生装置と空間転移装置のリモコンがある。


「いいじゃないか。一応最初の予定通り『魔王は勇者に倒されました。めでたしめでたし』だろ」


 シャワーを浴びて出てきたカイは、頭をタオルで拭きながら気楽に言った。


「今の文明にない技術を使っての介入は、どこかで世界を歪ませる結果を呼び起こす確率が……」


「どうせもうこの世界を造るのにそんなもの、いくらでも使ってきただろ。今更、今更」


 ひらひらと手をふって見せる。


 カイの提案とは「予定どおりに勇者対魔王をやる」であった。




「大体、やり方がなまぬるいのだ」


 今までの魔王の所業のレポートを読んで、カイは一喝した。


「具体的な人的被害は出ていないし、支配系統の入れかえもない。


 これじゃあ、わらわら予想外の分子が生まれても不思議はない」


「いや、あまり自分たち以外のものを害するのは……」


「馬鹿か!」


 ぐじぐじ言い訳をするアキラたちにカイはばんばん、とレポートの束を叩いていった。


「ここにこれだけの設備があるなら、あの女神みたいな実体のない本物っぽいものを出したり、……あの死んでるアキラたちは、動かないが死んでいないのだよな?」


「回収しただけ。生体としては生きてる」


「じゃあ、あれにリモコン? とかいうものをつけて動かして壊してみせるとか」


「な、なんて残酷な……」


「うるさいな。私の魔王を守るためなら、私はなんだってする覚悟なんだよ」


 人道的モラルぎりぎりまで粘ってやる、と言い切るカイにアキラ二人は目を見交わした。

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