文化祭 3
「くそっ…‼️なんだよあいつ。」
僕は怒っていた。こんなにも怒りを感じたのは久し振りかもしれない。
好きな人を侮辱されたようなものだ。
だが、冷静に考えてみればあいつの態度は引っ掛かる。斎藤は普段はおちゃらけているが、人の悪口を言うようなやつではない。その斎藤がそう言っているからには何かしらあったのだろう。でも僕には関係ない。
頭に残ってた疑念を振り払い、階段を降りる。さて、どうしようか…? クラスに張りだしてあるシフト表によると倉瀬は昼頃までの予定だ。一人で見て回るか…。僕は賑やか雰囲気のする校舎へと脚を踏み出した。
昼頃になり、倉瀬を呼びにクラスに戻る。この時間まで、働いていたんだ。お腹も空いている筈だ。僕は戻り道にあった模擬店で焼きそばを買うことにした。ソースのいい匂いがする。これで手土産もばっちりだ。
クラスには沢山のメイドが居た。ものの見事に客席は男子達で埋まっている。全員鼻の下が伸びているのが丸わかりだ。…僕も人のことは言えないが…。
「あっ、白井くん」
僕に気づいた倉瀬が近寄ってくる。
「もう少しで終わるからそこで待っててくれる?」
「分かった。」
邪魔にならないように廊下に出て、待機。それにしてもやっぱり男子が多いな…。この時代にメイド喫茶はやはり珍しいのか…。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
接客する倉瀬に見惚れてしまう。やはり可愛い。他の男子達は気付かないのか…。節穴め…。
「どうしたの?白井くん。」
「うわぁっ‼️」
驚いて声を上げてしまった。倉瀬が不思議そうに覗きこんでいる。長い時間考え込んでいたらしい…。恥ずかしい…。
「なんでもないよ。これ、差し入れ。」
僕は買ってきた焼きそばを渡す。
「有難う。お腹空いてたんだ。一緒に食べよう。」
「もちろん。」
僕達は校舎の外にあるベンチに座りこんだ。
「うん、美味しい。」
確かに、かなり美味しい。生徒が作ったものとは思えない。僕的には倉瀬と一緒に食べているのもあるだろう…。
「やっぱ、高校の文化祭は豪華だね〜。華やかさが違うよ。」
「中学の時もすごかったけど、全然違うね。」
中学……。自分で口にしたことで斎藤が言ったことを思い出す。同じ中学だったのに僕は倉瀬のことを何も知らないのだろうか…
いや、関係ない…。昔の話だ。大事なのは今だ…。
僕はぐちゃぐちゃと考える思考を振り払うように倉瀬に尋ねた。
「聞いて貰いたいことがあるんだ。」
一世一代の勝負。此処で決めてやる。




