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近くのようで遠いクラスメイト  作者: いちごモンブラン


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転校生

「◯◯高校から転校してきた斎藤裕也です。これからお願いします。」

見るからにチャラい金髪で背の高い男子生徒が軽い自己紹介を終える。

周りからは黄色い声援が上がっていた。


…僕は彼を知っている…。


先日の倉瀬との動物園デート(仮)にて、彼は僕達の前に現れた。

「麻耶じゃん。久し振り〜」

「もしかして裕也くん?2年ぶりくらい?随分雰囲気変わったね〜。別人かと思ったよ〜」

「俺も成長したってことだよ。それにしてももうそれくらいかー。時間が経つのも早いね。」

…何やら仲が良さげな感じだな…

心に少しチクリとしたものを感じたが、おそらく昔からの知り合いなのだろう…。同じ中学なら面識くらいは有りそうなものだが…。僕の方が関係は深いはずだ…。自分にそう言い聞かせ、仲間に加わろうとした。

「倉瀬の知り合い?初めまして、白井です。」

「斎藤っす。倉瀬とは同中でした。ていうかタメだから敬語は要らないよね?」

金髪でチャラいからといって人は見掛けにはよらないものだと思う。

事実、この人は良い人だと感じる。

「それにしても麻耶、めちゃ可愛いくなったな。」

「そんなことないよ〜。」

…倉瀬の声が高鳴り、顔も耳まで先程までと違い赤味を帯びているのが見てとれた。

自身に醜い感情が沸き上がってくるのを感じる。その顔をさせていたのは僕の方だったはずなのに…。

「そう言えば、俺、此処らへんに引っ越すことになったから。高校も同じだぜ。」

全身から汗が吹き出る。

「やった〜。じゃあ、また一緒だね。」

「おう。それじゃ、デートの邪魔して悪いな。俺、そろそろ行くわ。」

「もう〜そんなんじゃないってばー」

去って行く斎藤を僕は虚ろな目で見送る。


…そんなんじゃない…。


倉瀬のその言葉が脳裏を反芻する。当たり前のことだ。これは一緒に出掛ける約束を取り付けただけ。…それだけのことだ…。

倉瀬の真意は分からないけれど、脱力した全身の力を戻すのに、時間が掛かりそうだ。

「私たちも帰ろうか?」

「あぁ…そうだな」

…そんな返事しか出来ない自分が情けない…


駅で電車を待っている時も、乗って家に帰っている時も、あいつと倉瀬の関係を考えこんでしまう。

そもそも、あいつと倉瀬が昔どんな関係だとしてもどうでもいい。大事なのは今だ。今の気持ちだ。

そう自分に言い聞かせ、奮い立たせる。


…でも明日、学校に行くのが億劫だなぁー、あいつも転校してくるし、ネガティブなこと考えちゅうよ…。


こうして夜が更けていった。


















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