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近くのようで遠いクラスメイト  作者: いちごモンブラン


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さよなら

目を覚ます…。ここは何処だ…?。

辺りを確認すると、周りが高いフェンスに囲まれていた。…そうか、ここは屋上か…!。白井に忠告をした後、そのままここで寝てしまったのか…。

屋上から校庭を軽く覗くと、文化祭の屋台が視え、生徒が楽しんでいるのが見て取れた。

どうする…?まだ文化祭は終わっていないが誰か誘って、回るか…? …いや、そんな気分でもない。深く溜息が漏れた。また、あの夢か…最近見なくなっていたんだかな…。嫌な記憶はそう簡単には忘れる訳がない…。結局、俺はそのことを麻耶には言及することは出来ず、モヤモヤしたまま学校を去ることになった。麻耶がどんな気持ちであんな行動に出たのか分からずじまいで、ああいった風体になれば、裏切られることもなくなるのか。女子は、麻耶も本当はああいうのがいいのだろうか…。そう思った俺は、見た目だけ取り繕うことにした。その甲斐あってか、転校先の学校ではかなりチヤホヤされた。

今までと違う対応をされ戸惑ったが、これもいい機会だ…、麻耶のことを忘れられると…。俺は新たな恋に邁進していった。恋人だって出来た。

…だが、忘れられない。麻耶と過ごした時間は確実に俺の心に刻まれ、それは他の女子と過ごす日常とはまるで違う。初恋とはそれ程までに罪であると、身を持って体験した。高校に上がってもう一度地元に戻ることになったときは素直にチャンスと思った。今の俺ならきっと麻耶も満足してくれるはず…。全部俺が悪いんだ…。俺があんなだから麻耶は…。もう答えなんて出ているのに、それでも忘れられずやり直るなんて考えてしまう。連絡することも出来ず、一緒に行った動物園に行ってしまうのも弱さの現れだ…。

数年ぶりに麻耶に会った時、電流が走ったのを憶えている。どうだ…!、もうあの頃のダサい俺とは違う…!お前と釣り合う男になったんだ

…!

だから…俺と…。

隣にいる恐らく今付き合っているだろう男のことを無視して、考えてしまう。まだ、その時ではない。麻耶に俺がどれだけ変わったのか、分からせなければ。そして、もう一度…。


そんな考えが罰が下ったのか…。再び、校庭を見る。仲良くベンチで談笑している一組の男女。白井と麻耶だ…。その手は結ばれていて…。

虫のいい話かもしれないがやっと解放された気がする。ショックより安堵で満たされていくのを感じる。終わったのだ…。これで次に進むことが出来る。

…白井…次はお前の番だ…。お前はこれからどう乗り越えるのか魅せてくれ。


…微かな水滴が頬を流れるのを感じていた…。









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