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近くのようで遠いクラスメイト  作者: いちごモンブラン


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13/15

過去 5

俺はとぼとぼと家路に着いた。その歩く足には希望が感じられず、まるで数ヶ月前の、倉瀬麻耶に出会う前に戻ったようだった。

そして、そうさせたのも彼女自身でもあった。

家に帰るとそのままベッドへと倒れ込むように吸い寄せられていった。

そのまま瞳を閉じることが出来ればどんなに楽になれるのか…。だが、俺の頭には先程の倉瀬麻耶とのやり取りが絶え間なく反芻する。

彼女にとって、斎藤裕也とはどんな存在なのだろう…。彼氏…?、仲のいい男友達…?、はたまた唯のクラスメイト…?。恋人になり、特別な関係になったはずなのに、倉瀬麻耶のことが分からない…。

その日は自問自答で、一睡もすることが出来なかった。


次の日も麻耶は何も無かったかのように声を掛けて来た。

「おはよう、裕也くん。」

「ああ、おはよう。」

俺はたじろいでしまう。当たり前だ、あんなことがあったんだから…。

でも、俺は麻耶に何ていったらいいか分からなない…。お前にとって俺はなんなんだ、なんて言える程の器を備えてはいなかった。

結局、俺はそのことを言うことが出来ず、残り少ないこの学校での生活を減らすことになった。


休日になってもそのことが頭から離れない。俺は気分を変えるために、出掛けることにした。

あまり外出をしないほうだったが、家に籠もっていてもしょうがない…。少し遠くのショッピングモールへと駆り出した。

夏休みに麻耶とデートした場所だ…。今にして思えば、あの時が一番楽しかったなぁ…。今、何しいるんだろう…麻耶のやつ。



そう考える俺に神様は残酷な光景を見せつけた。

目の前、そこには倉瀬麻耶がいた。それだけならおかしくはない。遠くとはいっても遊びに行けない距離ではないのだから…。俺が度肝を抜かれたのはその隣、見知らぬ男と一緒にいたことだ。

兄弟か…、いや、一人っ子ということは以前、麻耶本人から聞いた。じゃあ、あれは…?

心臓の動悸が五月蝿い…。冷や汗もどんどん出てくる。

男の風貌は金髪で、ピアスをしているいかにもチャラ男という概念を具現化した存在にみえた。

友達だろうか…。そうに決まっている…だって、倉瀬麻耶は俺を変えてくれたのだから…。そんな訳がないんだ…。そんな…こと…。

譫言のように出たその言葉と頭の中で今までのことがパズルのピースがはまっていく。そんな状態にとどめを差したのは、手を結んだ2人が仲良く小物店に入る光景だった。


…俺は恥を忍ばず、泣きながらその場から逃げ出していた…。





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