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『平凡な俺が異世界で最強の二人と国を造る』 ~武力も知略もないけれど、出会いだけには恵まれているようです~  作者: ダイヤマ


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18/33

第18話 カンポルという名


「お前たちに引き続き、この異変の調査を任せたい」


 領主の言葉に。


 タローは頷いた。


「分かりました」


「受けるか?」


「はい。何でも屋なんで」


 少し前まで。


 無くし物を探し。


 家を掃除し。


 農家を手伝っていた。


 それが今では、領主から直接仕事を任されている。


 自分でも不思議な気分だった。


「それでは、まず――」


 アフラが地図へ手を伸ばした。


 その時だった。


「失礼します!」


 勢いよく扉が開く。


 一人の兵士が飛び込んできた。


「何事だ」


 領主の表情が変わる。


「緊急報告です!」


 兵士は息を切らしていた。


「東部のラウ村に魔物が出現!」


「またか」


「いえ!」


 兵士が首を振る。


「一体ではありません!」


「何体だ?」


「確認できているだけで三体!」


「三体……?」


「すべて通常より遥かに大型です!」


 アフラの目が鋭くなる。


「種類は?」


「グラウルが二体! ボアが一体!」


「変異種か」


 領主が立ち上がる。


「すぐに兵を――」


「まだあります!」


「何?」


「ミル村にも二体!」


「……何だと?」


「さらに南東のベル村からも救援要請が届いております!」


 部屋の空気が変わった。


「同時に?」


 タローが呟く。


「はい!」


「何体おるん?」


「現在確認できているだけで……八体です」


「八!?」


 昨日までは。


 一つの場所に一体。


 それでも十分な脅威だった。


 それが。


 今日は複数の村へ。


 ほぼ同時に。


「偶然ではないな」


 アフラが言った。


「俺もそう思う」


 タローでも分かる。


「昨日俺らが調べてたから?」


「可能性はある」


「向こうが動いた?」


「それもまだ分からない」


 アフラは冷静だった。


「だが、昨日までとは明らかに違う」


 領主が兵士を見る。


「動かせる兵は何人いる?」


「屋敷周辺を除けば、およそ七十!」


「三つに分けろ」


「お待ちください」


 アフラが口を挟んだ。


 領主が振り返る。


「何だ?」


「七十人を三つに分けるつもりですか?」


「そうだ」


「それでは足りません」


「ならばどうする?」


「地図を」


「…………」


 領主は一瞬アフラを見た。


 そして。


「持ってこい」


「はっ!」


 大きな地図が机に広げられる。


 アフラはすぐに三つの村の位置を確認した。


「ラウ村」


 一つ。


「ミル村」


 二つ。


「ベル村」


 三つ。


「それぞれの人口は?」


 兵士が答える。


「ラウ村がおよそ三百。ミル村が百五十ほど。ベル村は二百ほどです」


「防壁は?」


「ラウ村には木柵があります。ミル村にはありません。ベル村には簡易的な柵が」


「自警団は?」


「どの村にもおります」


「戦える人数は?」


「そこまでは……」


「近くに冒険者は?」


「ベル村近くの宿場に何人かいるはずです」


「…………」


 アフラが地図を見つめる。


 タローには。


 何を考えているのか分からない。


「アフラ?」


「少し黙っていろ」


「はい」


 数秒。


 アフラが顔を上げた。


「ベル村には兵を十五人」


「十五?」


 領主が眉を寄せる。


「少なすぎないか?」


「近くの冒険者を雇います」


「間に合うのか?」


「騎馬を一人、宿場へ走らせてください。村には柵もある。兵十五人と自警団、冒険者が合流すれば時間を稼げます」


「なるほど」


「ミル村には三十人」


「ラウ村は?」


「兵を送りません」


「何?」


 領主だけではない。


 兵士も驚いた。


「三体いるんだぞ?」


「だからです」


「どういう意味だ?」


 アフラが。


 ソニルを見る。


「こいつを送ります」


「俺か」


「ああ」


 領主が目を見開く。


「一人で三体を相手にさせるつもりか?」


「はい」


「いくらあのグラウルを倒したとはいえ――」


「ソニル」


 アフラが聞く。


「昨日のボアと同程度が三体だ」


「ああ」


「倒せるか?」


「分からん」


「またそれ!?」


 タローが思わず突っ込む。


「戦っていないからな」


「昨日一体倒したやろ!」


「三体とは戦っていない」


「そらそうやけど!」


 アフラは気にしない。


「三体同時でもいけると思うか?」


 ソニルが少し考える。


「たぶん」


「なら問題ありません」


「問題あるやろ!」


 領主がソニルを見る。


「本当に任せていいのか?」


「行ってみないと分からん」


「不安になる言い方すんな!」


 タローが頭を抱える。


 だが。


 アフラは断言した。


「兵を三十人送るより、ソニル一人を送った方が早い」


「…………」


 領主が黙る。


「分かった」


 決断は早かった。


「ラウ村はソニルに任せる」


「はい」


「ミル村へ三十」


「はい!」


「ベル村へ十五。冒険者にも協力を要請しろ」


「はっ!」


 兵士が走り出す。


「残り二十五人は?」


 領主が尋ねた。


「予備です」


「予備?」


「新たな場所に魔物が出る可能性があります」


「…………」


 領主の表情が変わった。


「そこまで考えるか」


「相手が意図的にやっているなら」


 アフラは答える。


「三か所だけとは限りません」


     ◇


 予想は。


 すぐに現実になった。


「緊急!」


 別の兵士が駆け込んできた。


「今度は何や!?」


 なぜかタローが聞いた。


「東の街道付近に大型の魔物が二体!」


「ほらな」


 アフラは表情を変えない。


「予備兵のうち十五人を回してください」


「残り十人は?」


「残す」


「まだ出ると思ってる?」


「分からない」


 アフラは答えた。


「だが、全部使い切る方が危険だ」


 領主が兵士を見る。


「アフラの指示通りにしろ」


「はっ!」


 兵士が走っていく。


 タローは。


 アフラを見ていた。


「なあ」


「なんだ?」


「お前、領主みたいになってへん?」


「何を言っている」


「兵士動かしてるやん」


「必要だからだ」


「いや、普通できへんって」


「それより」


 アフラがタローを見る。


「お前も仕事だ」


「俺?」


「ああ」


「俺、魔物倒されへんで?」


「知っている」


「即答やめて」


「住民を動かせ」


「…………え?」


     ◇


 ラウ村。


「来たぞ!」


「魔物だ!」


「逃げろ!」


 巨大なグラウルが二体。


 その後ろから。


 巨大なボア。


 村人たちが悲鳴を上げる。


「兵はまだか!」


「間に合わない!」


「門を閉めろ!」


「家畜は!?」


「そんなもの後だ!」


 混乱。


 その中を。


 一人の男が歩いていく。


「お、おい!」


 村人が叫ぶ。


「そっちは魔物だぞ!」


「知っている」


 ソニルだった。


「お前一人か!?」


「ああ」


「兵士は!?」


「来ない」


「はあ!?」


「俺が倒す」


「…………」


 村人が固まる。


「三体いるんだぞ!」


「ああ」


「死ぬぞ!」


「それは困る」


「なら戻れ!」


「でも倒す」


「話通じてる!?」


 巨大なグラウルが。


 ソニルに気づいた。


 グルルルル……!


 一体。


 二体。


 そして。


 ボアまで。


 三体の変異種がソニルを見る。


「…………」


 ソニルは拳を握った。


 身体から。


 闘気が溢れる。


「なんだ……?」


 村人たちが息を呑む。


「一体ずつなら」


 ソニルが呟く。


「昨日やった」


 グラウルが飛びかかる。


「なら」


 ソニルが踏み込んだ。


「三体でも同じだろう」


 ドンッ!


 一瞬。


 ソニルの姿が消えた。


 次の瞬間。


 ドゴォン!


 一体目のグラウルが吹き飛んだ。


「…………」


 村人たちが固まる。


 二体目。


 爪。


 ソニルは片手で止める。


「邪魔だ」


 そのまま投げる。


 ズドオオン!


「…………」


 最後。


 ボアが突進。


 ソニルは真正面から拳を構えた。


「ふっ!」


 ドゴンッ!


 巨体が。


 宙を舞った。


「…………」


 村人の一人が呟く。


「なんだ……あいつ」


 ソニルの前に。


 文字が浮かぶ。


【経験値を獲得しました】


【戦士 Lv11 → Lv12】


【戦士 Lv12 → Lv13】


【戦士 Lv13 → Lv14】


 まだ続く。


【戦士 Lv14 → Lv15】


【戦士 Lv15 → Lv16】


【戦士 Lv16 → Lv17】


【戦士 Lv17 → Lv18】


「…………」


 ソニルが文字を見る。


「十八」


 少し考える。


「器用も上がっただろうか」


 最初に確認したのは。


 そこだった。


     ◇


 一方。


 タローは。


「だから落ち着いて!」


 村人たちの前で叫んでいた。


「落ち着けるか!」


「魔物が来てるんだぞ!」


「家畜を置いて逃げられるか!」


「店の商品はどうするんだ!」


「一気に喋らんといて!」


 戦場より。


 ある意味。


 こっちの方が大変だった。


 避難を命じられた住民たち。


 だが。


 簡単には動かない。


 家。


 家畜。


 商品。


 畑。


 生活のすべてがここにある。


「分かった!」


 タローが一人の農家を見る。


「家畜が心配なんやな?」


「あ、ああ」


「全部連れていくのは?」


「無理だ!」


「じゃあ若い奴だけでも連れていける?」


「それなら……」


「やろう」


「でも――」


「残った家畜は俺らが何とかする」


「何とかって?」


「それは後で考える!」


「おい!」


「今は命が先!」


 次。


 商人。


「商品が心配?」


「当たり前だ! 全部俺の財産だぞ!」


「一番高い商品だけ持てる?」


「え?」


「全部持とうとするから逃げられへんねん」


「…………」


「一番大事なんだけ持って。残りは店閉めて置いとく」


「盗まれたら?」


「俺が領主に話する」


「本当に?」


「する!」


 できるかは。


 後で考える。


「子供と怪我人を先に!」


「避難場所は?」


「教会!」


「入りきらないぞ!」


「じゃあ倉庫も使う!」


「誰の倉庫だ?」


「持ち主誰!?」


「俺だ!」


「貸して!」


「いきなりだな!?」


「人死ぬよりええやろ!」


「…………分かった!」


「ありがとう!」


 次々。


 人と話す。


 聞く。


 何に困っているのか。


 何が不安なのか。


 何なら譲れるのか。


 元の世界で。


 タローが何度もやってきたこと。


 営業。


 相手の話を聞き。


 相手が何を求めているのかを考え。


 話をまとめる。


「よし!」


 気づけば。


 人が動いていた。


「子供から先!」


「荷車こっち!」


「怪我人乗せろ!」


「家畜はこっちへ集めろ!」


「商人さん、荷車一台貸して!」


「分かった!」


 タローは。


 ふと止まった。


「…………」


 自分でも少し驚いた。


 誰も。


 最初は言うことを聞かなかった。


 それが。


 今は。


 自分の言葉で動いている。


「タロー!」


 アフラの声。


「何してる!」


「今行く!」


「避難は?」


 タローが振り返る。


 住民たちが次々と移動していく。


「大丈夫!」


 笑う。


「話ついた!」


 アフラは。


 一瞬だけ。


 タローを見る。


「…………そうか」


「なんや?」


「いや」


 アフラは地図へ視線を戻した。


「次だ」


     ◇


 夕方。


 領主の屋敷。


「……信じられん」


 報告を受けた領主が呟いた。


 ラウ村。


 変異種三体討伐。


 死者なし。


 ミル村。


 兵士と自警団が変異種二体を撃退。


 ベル村。


 冒険者が合流し、防衛成功。


 街道。


 兵士が一体を討伐。


 もう一体は逃走。


「これだけの同時発生で」


 領主が報告書を見る。


「被害がこれだけで済んだのか」


「はい」


 兵士が答える。


「アフラ殿の配置が的確でした」


「…………」


「さらに住民の避難については、タロー殿が」


「俺?」


 タローが自分を指差す。


「お前だ」


「殿って呼ばれた」


「そこか」


 アフラが呆れる。


「いや、初めてちゃう?」


「どうでもいい」


「よくないって」


「それから」


 兵士がソニルを見る。


「ラウ村の三体は、ソニル殿が一人で」


「三体すべてか?」


「はい」


「…………」


 領主が三人を見る。


「お前たちは」


 一度言葉を止めた。


「本当に何でも屋なのか?」


「はい」


 タローが答える。


「一応」


「一応とはなんだ」


「最近、何でも屋の範囲超えてる気がして」


「俺もそう思う」


「領主様まで!?」


 領主が笑った。


「だが」


 すぐに表情を戻す。


「助かった」


 三人を見る。


「お前たちがいなければ」


 地図へ視線を落とす。


「いくつの村が失われていたか分からん」


「…………」


 タローは。


 少しだけ照れた。


「まあ」


 頭を掻く。


「仕事なんで」


「そうか」


「はい」


「ならば」


 領主は笑う。


「良い仕事だった」


     ◇


 その日の夜。


 領内の酒場。


「聞いたか?」


「ああ」


「東の村の話だろ?」


「またあの三人組らしいぞ」


「変な三人組?」


「そう」


「カンポルだろ?」


 少しずつ。


 噂が広がる。


「ラウ村の魔物を一人で三体倒したらしい」


「嘘だろ?」


「本当だってよ」


「それだけじゃない」


「何が?」


「他の村でも、あいつらが兵を動かしたらしい」


「何でも屋が?」


「知らねえよ」


 男が酒を飲む。


「でも」


 笑った。


「困ったらカンポルに頼めって」


「なんだそれ」


「最近そう言われてるらしいぞ」


 少し前まで。


 変な三人組。


 そう呼ばれていた。


 その名前が。


 少しずつ。


 別の意味を持ち始めていた。


     ◇


 同じ頃。


 国境の向こう側。


 ネオセカンド王国。


 王城。


「どうだ?」


 豪華な椅子に座り。


 大きな肉を頬張りながら。


 一人の男が尋ねた。


「スギルヨワはそろそろ泣きついてきたか?」


 国王。


 ネオセカンド2世。


 四十代。


 太った腹。


 指にはいくつもの宝石。


 目の前には。


 食べきれないほどの料理が並んでいる。


「それが……」


 側近の男が言いづらそうに口を開く。


「なんだ?」


「想定より、被害が出ておりません」


「…………」


 ネオセカンド2世の手が止まった。


「なんだと?」


「本日、追加で放った変異個体も」


「待て」


 国王が肉を置く。


「追加で何体放った?」


「十体です」


「それで?」


「討伐、あるいは撃退されました」


「…………」


「一部は逃走しておりますが」


「なぜだ!」


 ドンッ!


 机を叩く。


「スギルヨワだぞ!」


「は、はい」


「弱小国ではないか!」


「そのはずなのですが……」


「兵も少ない!」


「はい」


「強力な冒険者もほとんどいない!」


「はい」


「ならばなぜ耐えている!」


「それが」


 側近が一枚の報告書を差し出した。


「妙な者たちがおりまして」


「妙な者?」


「はい」


「誰だ」


「カンポル」


「…………」


「何でも屋だそうです」


「…………」


 沈黙。


 そして。


「は?」


 国王が聞き返した。


「何でも屋?」


「はい」


「余を馬鹿にしているのか?」


「滅相もございません!」


「国が何でも屋に救われているというのか!」


「どうやら……」


「馬鹿馬鹿しい!」


 報告書を奪う。


「どれ」


 読む。


「変異グラウルを討伐」


 次。


「変異ボアを討伐」


 次。


「複数の村で異変を調査」


 さらに。


「本日の襲撃において……」


 ネオセカンド2世の眉が動く。


「またカンポル」


 次。


「またカンポル」


 さらに。


「またカンポル!」


 報告書を机へ叩きつけた。


「なんなのだ、このカンポルというのは!」


「三人組だそうです」


「三人?」


「はい」


「たった三人?」


「はい」


「我が計画を三人に邪魔されているのか!?」


「正確には――」


「黙れ!」


「はい!」


 ネオセカンド2世は苛立っていた。


 本来なら。


 変異させた魔物を次々と送り込み。


 スギルヨワ王国の兵を疲弊させる。


 村を荒らす。


 農地を荒らす。


 国民を不安にさせる。


 そして。


 限界が来たところで。


 ネオセカンド王国が手を差し伸べる。


「我が国が助けてやろう」


 そう言えばいい。


 さらに。


「今後も我が国が守ってやる」


 その代わり。


 両国を一つにする。


 もちろん。


 ネオセカンド王国に圧倒的に有利な条件で。


「弱った国を助けてやるのだぞ」


 ネオセカンド2世が言う。


「余ほど慈悲深い王もおるまい」


「……左様でございます」


「そうだろう?」


「はい」


「なのに」


 報告書を見る。


「なぜ弱らん!」


「カンポルが……」


「それはもう聞いた!」


 国王は苛立ちながら。


 再び報告書を手に取った。


「このソニルという者は?」


「戦士です」


「それは見れば分かる!」


「申し訳ございません!」


「どれほど強い」


「変異個体を複数、単独で討伐しております」


「一人で?」


「はい」


「…………」


 国王の顔が少し変わる。


「レベルは?」


「最新の情報では十八前後かと」


「十八?」


「はい」


「たった十八?」


「はい」


「おかしいではないか!」


「我々もそう考えております」


 ネオセカンド2世は。


 しばらく報告書を見つめた。


「残り二人は?」


「アフラという男」


「何者だ?」


「詳細不明。ただ、今回の防衛では兵の配置を考えたのはこの男だと」


「軍師か?」


「何でも屋です」


「…………」


「…………」


「次」


「タロー」


「こいつは?」


「代表です」


「何ができる?」


「…………」


 側近が報告書を見る。


「特には」


「は?」


「戦闘能力は低いようです」


「魔法は?」


「ほぼ使えないと」


「頭は?」


「アフラほどではないかと」


「ではなぜ代表なのだ?」


「分かりません」


「…………」


 国王は。


 タローという名前を見る。


 そして。


 鼻で笑った。


「まあいい」


 報告書を投げる。


「調べろ」


「カンポルを?」


「ああ」


「三人とも?」


「当然だ」


 ネオセカンド2世は。


 再び肉へ手を伸ばした。


「余の計画を邪魔するというのなら」


 一口。


 肉を噛みちぎる。


「邪魔にならぬようにすればよい」


「…………」


 側近が頭を下げる。


「承知しました」


「特に」


 国王が言う。


「その三人の弱点を探せ」


「弱点……」


「ああ」


 ソニル。


 異常な武力。


 アフラ。


 異常な頭脳。


 そして。


 タロー。


「一人」


 国王が笑った。


「随分と弱そうな男がいるではないか」


 何でもカンポル


 その名は。


 ついに。


 国境の向こう側にまで届いた。


 ただし。


 それは名声としてではない。


 敵として。


 ネオセカンド王国が。


 三人を見始めた瞬間だった。

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