二話 転生後の生活
目を開くと、女性と男性の姿が目に入った。どうやら無事に転生できたようだ。周りを見ると絵画や骨董品などが置かれていた。見た感じ中世のヨーロッパをイメージさせる。
そんなことを考えると同時に、違和感に気づく。体の感覚が小さいのだ。まさか……。
「オギャー」
だそうと思った声は声にならない。
「よくやった、クリスタ、元気な男の子だ」
男性がそういう。この人が今世の父になる人なのだろう。真上をみると女性が涙を流していた。
「良かった……。本当に良かった」
よほど嬉しいのだろう。
「お前の名前はユートだ。ユート・フォワード。俺は父さんのソードだ」
男性が言う。
「私は母さんのクリスタよ」
どうやら赤子からスタートらしい。こうして、僕の第二の人生がスタートした。
◆
転生してから七年の月日が流れた。ちなみに、一年は日本と同じように365日のようだ。僕には二歳下の妹がいる。名前はアイリスだ。
僕とアイリスには他の人が持っていないような特殊な力がある。最初はイリアさんがくれた力かな?と思っていたがアイリスにも似たような力(効果が似ているわけではない)があるから、どうなのかイマイチわからない。
ちなみに僕のスキルは『付与』だ。能力の内容は好きなタイミングに八個の属性を付与する力っぽい。ぽいっていうのは他にもなにかできる気がするのだ。
転生してから七年が経ったが未だにこの能力の全容は掴めていないのだ。その属性は、光、闇、火、水、風、氷、雷、土だ。
ちなみに、父さんも母さんもそんな力は持ってなさそうだ。アイリスの能力は『癒しの力』とでも言うべきか。どうやら、回復魔術の効果を高める力らしい。それぐらいしか僕は知らない。
父さんに力のことを聞こうとしたが「まだお前たちには早い」と言われて、教えてくれなかった。さっきも言ったが、この世界には魔術が存在する。しかも、冒険者という職業もあるのだ。そのため、冒険者ギルドも存在する。ザ・異世界だな。
僕が転生した家系は、フォワード家である。この国、グラディア王国にあるフォワードの町を治めている貴族の家系だ。フォワードの町は、グラディア王国の最も南側にある。グラディア王国の南側には魔王軍の国があり、そこの護りを任されているのだ。そのため、フォワードの町には、王国の軍が駐屯していたりする。その町に住む人も強者揃いだ。父の名前は、ソード・フォワード、黒髪黒目のイケメンっていう感じだ。母は、クリスタ・フォワード、青髪青目のおしとやかな印象を受ける。ちなみに、僕は父さん似で黒髪黒目だ。アイリスは母さん似で青髪青目だ。
この二人はかなりすごい。父さんは、この国の王都で有名なグラディア学園という超エリート校の剣術科目に通っていてその剣術科目を首席で卒業している。見た目は平凡な感じなのにね。母さんも、同じくグラディア学園に通っていて、文学科目を首席で卒業していた。そのためとんでもない学力を持っているそうだ。
そんな二人に育てられているから、僕とアイリスは一通りの剣術と文学を学ばされていた。まぁ、まだあっちの世界でいう、小学生が習うようなことしか習ってはいない。ちなみにこの世界(国かもしれないが)は学校へ通うことは義務化されていない。学びたい人が試験を受けて合格すれば入れる感じだ。ちなみに、僕は今のところ学園に行く予定は無い。なんだかめんどくさそうだしね。まぁ、さっきもいった通り、今行く気は無いだけだ。もしかすると、将来行くことになるかもしれないがその時はその時考えようと思う。
さてと、今日の学習も終わったし、図書室にでも行こうかな。そう考えて図書室へ向かっていると、前の方からアイリスがやってきた。
「あっ、おにいさま。どこへいくの?」
どうやらアイリスは僕がどこへ向かうのか気になったらしい。ちなみにアイリスは僕にすごく懐いてくれている。お陰で兄妹仲は良好だ。
「僕はこれから図書室へ向かうんだ。アイリスも来るか?」
僕は一応、一緒に来るか尋ねる。
「わたしもいくー」
アイリスも来るらしい。というわけで、アイリスを連れて改めて図書室へ向かった。
◆
図書室につくと僕は早速、とある本を手に取った。その本の題名は『魔法辞典』だ。実はこの世界には魔術が存在すると同時に、魔法も存在する。ちなみに魔法と魔術の違いは、単純に強さだ。
ただ、もうこの時代に魔法を使えるものはほとんど存在していない。いたとしても使えるのは魔王軍の上位存在くらいだろう。魔術は魔法にくらべると、発動が簡単で扱いやすい。魔法は、魔術と比べると、発動が難しく、扱いづらい。しかし、その攻撃力は魔術と比べ物にならないほど強力だ。まぁ、簡単に言うと魔術は発動が簡単な魔法の劣化版といった感じだろう。
「おにいさま、おにいさま。これどういういみなんですか?」
「えーっと。これはね……」
この屋敷の図書室は蔵書数が半端ない。軽く千万冊は超えてるだろう。流石にすべて読む気はない。僕が呼んでいるのは、何となく題名を読んで面白そうだと思ったものを読んだりしている。僕が今読んでいる本も面白そうだと思ったから読んでいるのだ。そんな感じで僕は異世界ライフを満喫しているのであった。




