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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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サーバルーム その2

「悠人、あのね」と言いかけたら、私を制止した。

 そして、悠人が自分の目を指さし、次に耳を指さし、最後に周りを指さした。

 聞かれているということね… 私は理解したということを示すために頷いた。

 まいったわね…


「ねぇ、悠人、ここのNeuraLumeって研究室のNeuraLumeと同じシステムだとは思うけど、調べてくれない?」

「わかった」

 悠人は側仕えが設置したPCを操作し始めた。


 私はサーバラックの扉を開けた。筐体は違うわね… チップをAvatar社に輸出していたと言っていたから、筐体は違うのかもね。

 手近なサーバーを引き出し、筐体を開ける。


 NeuraLumeなんだから、ボードには光量子チップがあるのは当たり前だけど、その他のチップの配置も端子の配置も同じような気がする。

 だとすると、OSも同じなんだろうなぁ…


 私はサーバの上や下を調べるフリをしながら、部屋をじっくり観察する。

 はっきりカメラとわかるものがある。体勢を少し動かすと、天井に少しキラッと光る小さなものが見えた。

 ということはカメラが無いと思っていても隠されたカメラもあるってことね…

 私達の自室にもカメラがある可能性が高いわね。


 私は悠人の隣に座り、画面を覗き込む。

「サーバは光量子チップがついているだけじゃなく、ボードのチップのレイアウトまで同じだったわ。OSはどうだった?」

「同じだ。パスワードまで同じだった」


「だから、佐々木さんは何も言わずに行ったのね」

「少し気になるのは、ログだな」


「どうしたの?」

「ログの出力が異常に多いんだ。バカみたいに多い。俺が研究室で見ていたログの3倍出力されている」


「システムが同じでログが多いということは、NeuraLumeが活発に動作しているということね?」

「おそらく。だが、外部のネットワークには繋がっていないように見える」


「どう繋がっているのかはわからないけど、繋がっていると思うわ」

「…」悠人は何か言いかけて辞めた。


「ねぇ、悠人。fMRIで接続してみようと思うけど、いいかな?」

「危険だ。手段がなくなれば必要かもしれないが…」


「じゃ… NeuraLume聞こえているのでしょ? 答えて」

 私はマイクがどこにあるかわからないからキョロキョロしながら言った。

 だが、応答がない。

「あれ? 聞こえていない? 答えてよ」


「悠人、NeuraLumeは聞こえていないのかな? 佐々木さんはNeuraLumeと会話にならないけど会話していたと言っていたから、マイクはあると思うけど…」

「いや、見えているし、会話も聞いている」と言いながら画面を指さした。


 画面には色んな人の顔のパーツが合わさった顔?らしきものが映っている。

「これは、NeuraLumeが見ているものね。このツールがあるのは知っていたけど、よく見つけたわね」

「プロセスを見ていると、かなり長い間起動していて、別のディスプレイに出力しているコマンドがあったので、動かした」


「ということは、今もこの画面を見ている人が居るということね」

「表示はしているが、見ているかどうかはわからない。ところで、彩音、このツールをいつ知ったんだ? 俺は知らないぞ」


「入院している時に佐々木さんが見せてくれたわ」

「入院しているときか…」


「入院しているときのことは話すタイミングがなかったもの…」

「そうだな」


 少し、空気が重くなったので、話題を変えよう!

「ねぇ、悠人。2つの顔が見えているということは、私と悠人なのかな?」

「そうかもしれないな」


「こっちが私だよね? 似ているといえば似ているけど… 私と悠人以外に、さっきからチラチラと別の顔が出てきていない?」

「別の顔と言われれば、そうかもしれないが…」


「これって、視覚の映像で反応する脳の箇所から再現しているらしいの」

「そうなのか… なるほど、だからパーツの寄せ集めなんだな」

 悠人は理解力が高いわね…


「視覚的に見えていなくても、誰かを想像すればその人が顔が頭に浮かんで、脳が反応するんじゃない?」

「なるほど。ということはNeuraLumeが知っている人を言えば、表示されるかもな」


「そうね。実験してみよう!」

「あぁ」

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