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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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密談 その7

 リッキーのことも気になるけど、電気毛布が暖かく、ぽかぽか陽気の縁側にいる気分でどうにかなるよねぇって感じになる。

 すると、瞼が重くなる… 寝ちゃダメだと思っていても、睡魔が襲ってくる。


「天野さん、寝ちゃダメですよ! 起きてください」

 私が目を開けると、看護師さんが私の肩を叩いていた。

「すみません。眠たくて… 電気毛布をつけっぱなしで寝れば問題ないのでは?」


「電気毛布をつけっぱなしにすると、脱水症状、低温やけどの危険があります。それに、深部体温が下がらないので睡眠の質が下がります」

「睡眠の質が下がる程度? 質が下がっても今は寝たいです」


「担当医と相談します。お待ちください」

「お願いします」


 眠い、とにかく眠い! 待ち時間が永遠に感じるわ…

 やっと、お医者さんが戻ってきた。

「天野さん、仮眠をとってみましょうか?」

「仮眠?」


「サラリーマンのお昼寝のようなものです。15分で起こします。少しはスッキリすると思いますよ」

「どうして15分なのですか?」


「30分以上眠ると深い睡眠になります。それ以前に起こす必要があります。睡眠慣性というものがあり、20分以内が寝起きが良いと言われています」

「わかりました」


「我々が見守っていますので、寝てください」

 えー。見守られながら眠るの!? 通常なら拒否するが、今は眠いが勝つ!

「…お願いしますぅ…」


 周りが白い? もしかしてここは…

 ん? 30cmぐらいの白い服で白いヒゲの司祭? が浮かんでいる。

『おーい。だいじょうーぶかー?』

『はぁ。どちら様でしょうか?』


『ワシはウァレンティヌスじゃ。チョコを喰っとらんのにここに来るとは…』

 あきらかに、NeuraLumeの中じゃない。


 あれ? 揺れてる?

「天野さん、起きてください」

「…はい」

 今のは何? 夢?


「少しはスッキリしましたか?」

「…」


「どうしました?」

「こんな短時間で夢は見ますか?」


「ええ、短時間でレム睡眠に入ることはあります。夜の睡眠が不足していると、脳がレム睡眠を補おうとするらしいです」

「そうですか…」


「どんな夢だったのですか?」

 ウァレンティヌスが出てくる夢って… これを説明するの? 無理!

「…えっと。白い人が出てきたような… はっきり覚えていないです」


「そうですか。まだ眠いですか?」

「眠いです…」


「もうちょっと待ってくださいね。今、ハイテク電気毛布の試験中だそうです」

 よく考えると、ハイテクって今どき聞かないわよね…

「ハイテクって言われると、逆に古く聞こえますね」


「じゃ、電気毛布2? neo電気毛布?と呼びましょうか?」

「ふふ。先生、ネーミングセンスが壊滅的ですよ」

 たわいない会話中もタブレットでデータを確認している。


「そうですか? …体温も脈拍も問題ないですね。レム睡眠では異常な体温低下はなかったので体温管理ができれば睡眠しても問題無い可能性が高いです。電気毛布 act2ができるまで寝ないでください」

「わかりました」


 私は寝ないように、リッキー対策をかんがようとするが、眠気が勝って全くまとまらない。

 私は研究が進まないと、寝てスッキリさせて挑むことをしてきたのに…

 いつもと真逆じゃん。


 面会も禁止だし携帯もないから、暇…

 私はベッドから出て、窓を開けて外を見る。


「彩音さん、聞こえますか?」

 私はキョロキョロするが、誰もいないし、声も聞こえなくなった。

 この聞こえ方、以前にもあったわね。

 もしかして… 私は動きを止めて外を見る。


「聞こえたのですね。こちらからはそちらの音声は聞こえませんが、声に出さずに話してもらえれば読唇で会話ができます」

 私は声に出さずに『わかりました』と答える。

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