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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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密談 その3

「あま…ん、…てすか?」

「うっ、なに?」


 私が目を開けると、お医者さんが見えた。

「ん? ここは?」

「目が覚めましたね。落ち着いてください」


「はい」

「ゆっくり瞬きをしてください」

 私は目を閉じ、開いた。


「周りを確認してください」

 私は見渡す。病室だね… ということは現実に戻ったのかな…


「うっ寒い… 寒いです」

「はい。体温が低下しています。ホットパックを入れていますので、暖まると思います」


 ホットパック? なにそれ? ん? この胸の上のフニャフニャした布のこと?

 こりゃ良いわね… 肩に当てたらコリが取れそう…

「落ち着いてきたようですね」

 ホットパックを抱きかかえながら、「はい」と答えた。


 その後、診察を受けたが、原因は特定できないらしいので経過観察を続けるらしい。

 看護師が機材を片付けるために病室を出る。

 しばらくすると、看護師さんと叔父さんと悠人が入ってきた。


「安静にさせるために、面会時間は10分だそうだ」と叔父さんが言う

「そう…」

 悠人が看護師が目を離した隙に、メモ書きと4cmほどの小さな機器を私にそっと握らせた。何かわからないけど、使えってことね。


「メガネがないと不便だろ? 持ってきたぞ」と叔父さんが眼鏡ケースを私に渡す。

 メガネ? 私使っていないけど…


「昨晩と同じように意識を失って、体温が低くなっていたが、同じか?」

「そうだと思います」


「そうか…」

 看護師さんが「ご負担になりますので、そろそろ」と言うので、「わかりました」と言って2人は出ていった。


 メモ書きを見ると、MacにARグラスを接続して、URLとボタンを押して表示される文字列を1分以内に入れろと書いてある。

 叔父さんが私に渡したのはARグラスね…

 液晶があるから、ここに文字列が出るのかな?

 One Time Passwordを生成するデバイスということか…


 私の直接デバイスを渡しているから、携帯などを使った2段階認証より安全ということ?

 私はMacを開いて、ARグラスを接続した。

 そして、URLを入力して表示される画面にデバイスに表示された文字列を入力する。


 すると、すぐに『入ったな』を表示された。

『はい』


『メガネは使っているか?』

『そう指示されていたからね。どうしてARグラスなの?』


『まわりから見えないだろ?』

『なるほど』


『ここでは固有名詞は使っても問題ない。このログも1分で消去される。そして、30分ごとにダイアログが表示されるから、そこにデバイスの文字列を入れろ』

『わかったわ。ものすごく厳重ね…』


『仙台の家に盗聴器があったし、ガレージの機器にもウィルスが入っていたからな』

『誰も住んでいない家に盗聴器なんてつけて意味があるのですか?』


『電池で動作するものだったから、最近設置されたな。ウィルスはいつからかはわからない』

『もしかして、佐々木さんが?』


『おそらく。それより、NeuraLumeの中に入ったのか?』

『はい』

 私は前回と今回のNeuraLumeの中の話を書いた。


『研究室のNeuraLumeも接続するたびに変化していたけど、リッキーも変化しているの』

『進化しているようだな』

 進化? ちょっと違うような気がするけど…


『外部接続ができるようになると、どう変化するかわからないわ』

『そうだな』


『佐々木さんってAvatar社と関係あると思わない?』

『あるだろうな』


『リッキーが復讐したい対象も佐々木さんの関係者よね?』

『可能性が高いな』


『だよね。佐々木さんに知らせる?』

『それはこっちで調べるのでちょっと待て』


『わかったわ。わからないことだらけね』

『そうだが、彩音がfMRIなしでNeuraLumeと接続できる方が問題だ』


『NeuraLumeと接続していることは医者には言っていないのだろ?』

『さすがにね… 頭がおかしいと思われるわ』


『医者も佐々木さんの息が掛かっていると考えて行動しろ』

 あっ。そういうこともあり得るのか… だから看護師にバレないようにデバイスを渡したのか…

『わかったわ』

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