仙台探索 その4
私達はシャワーで音を消して、互いの耳のそばで小声で話し合った。
そして、隠し部屋を探す。
私たちはキスをする。そして、壁に押されたように移動する。
どこからも見えない位置で悠人は盗聴防止装置をひねり、LEDを見ている。
悠人は私の口に指を押し当て、私が頷くと、本棚を調べ始めた。
盗聴器はあるけど、カメラはないってことかしら…
私も一緒に本棚を調べる。
NeuraLumeの中のように壁をすり抜けることができれば簡単なんだけど…
開いた隠し扉の構造から考えると、右側に仕掛けがあるはずだけどわからない。
『ねぇ、リッキー。聞こえる? 開け方を教えてよ』
『俺を便利に使うんじゃない』
『いいじゃん。教えてよ』
『はぁ… 本棚の右上を触れ。手前に動く部分があるだろ?』
『ん? どれ?』
『もう少し左。そのあたりで動きそうなところがあるだろ?』
1cmほどの幅だけが手前にズレる。
『次は右下にも同じような仕掛けがある』
『できたわ』
『最後は右側の奥を上にスライドして、右側の手前を下にスライドする』
『これね』
動かすと、カチャと音がした。
『次は扉全体を押し込んでから、開く』
私は扉を押したが、微動だにしない。
悠人は私がしたいことを察知して、扉を押すとズズっと扉が押し込まれた。
悠人は察しがよく、扉の開く方向を想定できていたので、開けてくれた。
隠し部屋は真っ暗で、よく見えない。
携帯があれば、ライト代わりにできるわね。
私が出て行こうをすると、悠人が私の手をつかみ、隠し部屋に押し込み、扉を閉める。
真っ暗じゃない! どうするのよっと怒りたかったが、悠人が見えない…と思ったが、暗い電気がついた。
「小さい声なら問題ない。リッキーと話していたのか?」
「そうよ…」と回答したが、部屋の中がNeuraLumeで見た時と違う。
見渡すと、物が多い…
「この部屋… 覚えているわ。私はここに入ったことがあると思う」
「そうか…」
机の上にはコンピュータが置いてある…
悠人は電源を入れる。
「起動するわね… なつかしいOSね」
「あぁ。小学生のころに使っていたな。彩音、パスワードを知っているか?」
私は椅子に座り、キーボードを引き寄せる。
「二つ目のパスワードかも…」と私は呟き、入力するとログインできた。
デスクトップを見ても、ホームディレクトリを見ても何もない…
「ねぇ、何もないわよ」
「隠しフォルダがあると思う。代わってくれ」
「わかったわ」
私が立ちあがろうとすると、足に何かが触れた。
私が下を覗き込むと、何かある。
「ん? 何?」
暗いわね…
悠人がペンライトで照らしてくれる。
赤いクマのぬいぐるみ…
「ベリーレッドのテディベア… ラス君、ここにいたのね」
「ラス君?」
「この子の名前」
私がぬいぐるみを手に取る。
うーん。とっても、しっくりくる。
いつも抱いていた感触が蘇る。
「そういえば、彩音はすべてのぬいぐるみに名前を付けて…」
私の目の前は徐々に暗くなり、悠人の声も小さくなる。
まずいわね。
私は悠人に抱きついて現実の感覚に集中しようと手を動かした気がするが、実際に動いているかもわからない。
これは、NeuraLumeの中に入るのね…
『リッキー、聞こえる? あれ?』
ちょっと違う?




