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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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仙台探索 その1

 仙台についたらすぐに車に乗り換え。

 本当に手際がいいわ…


 駐車場から降りて小道に入ると、気が茂っているので枝を避けて歩く。

「どうした?」

「どうしたって何が?」


「蜘蛛の巣でもあったか?」

「蜘蛛? え、ないけど…」


 私が枝を裂けるために、手ではらう。

「歩きづらいわね。こんなに枝が出ていたかしら…」

「彩音。止まれ」


「蜘蛛がいるの?」

 私は右手を引っ込めて、左に寄った。

「いや、違う蜘蛛じゃない。彩音の右手は枝を払ったのか?」


「そうだけど…」

 悠人が、私の右手で枝を払ったあたりに手を伸ばすが…

 枝に悠人の手が当たらずに、枝をすり抜けているよね。


「どうなっているの? マジックなわけないよね」

「彩音。このあたりに枝があるのか?」


「もしかして、枝が見えないの? これは?」と私は左側の枝を指差した。

「そこにはある」


「でも、こっちの枝は見えないのね…」と右側の枝を指差した。

「あぁ。見えない」


 私は右側の枝に近づいて、よーく見るが… 本物じゃん。

 どこからどう見ても本物…


「えっと、私の体温はどうなっているの?」

 側仕えがすぐにタブレットを取り出して確認し、「35.5度です。若干低いですが、許容範囲内です」と言う。


「この小道は手入れされていないのかと思うほど、枝が多いと思っていたけど、違うのね」

「あぁ。手入れされた小道だな」


「天野教授はNeuraLumeが見せる映像と現実が混じって見ているということか?」

「そのようですね」


「はぁ。面倒ね… 両方避ければ危険はなさそうね。見えないよりマシか… 行きましょう」

「俺が前を歩く」


「わかったわ」

 私は悠人の後ろについていくが、NeuraLumeが見せる映像が悠人の体を突き破ってくるのでちょっと怖いが、森を抜けたのでホッとした。


「はぁ。森を抜ければ問題ないわね」

「いや、問題はあるが、俺がフォローする」


「ありがとう」

 テラスでリッキーが座っているのが見える…

 リッキーはNeuraLumeが見せている映像で、本物じゃないのは確定だけど、現実と区別がつかいない。

 日の当たり方や風はNeuraLumeの中と現実は違うはずだから、見分けられるはず!

 が… どう見ても日の当たり方も風で揺れる衣服も現実と同化している。

 もしかして、私の脳が勝手に矛盾が無いように補正しているの?


 脳はかなり柔軟というか、いい加減だから、現実を捻じ曲げて認識しているのかも…

 ということは、無意識に見えているものを補正するとなると、記憶の仙台との違いを探すのは難しいことにならないかな…


『そんなに俺が自然に見えるのか?』

「彩音。どうした? 幻覚が見えるのか?」

 リッキーと悠人が同時に話しかける。

 NeuraLumeの中が見えていることは佐々木さんも理解しているからリッキーが見えていると話してもいいんだけど、同時に話しかけられると面倒!


「…大丈夫か?」

「大丈夫よ。リッキーがそこにいて、悠人とほぼ同時に話しかけられただけ」


「だけね…」

「リッキー、面倒だから話しかけないで」


『…わかったよ』

 やけに素直ね… リッキーってどんどん変化するからよくわからないのよねぇ。


「リッキーとは話がついたわ。家を確認する前に、岡田さん達に挨拶をしなきゃね」

「あぁ」

 私たちがガレージに向かったが、誰も居なかった…

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