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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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NeuraLumeの外?

「すまない。音羽教授がキスをしなかったからな。私が、天野教授にキスは変だろ?」

「だからって、胸を触らなくても…」


「効果的はあったろ?」

「…そうですが」


「さっそくだが、NeuraLumeの中での話しをしてくれ」

 クレードルのことを話すわけにはいかない。

 そうすると、何も話すことがないんだよねぇ。

 どうしよう…


「言いたくないのか?」

「そうではないですが… NeuraLumeから出るとはっきりしないのです。リッキーと話したとは思うのですが…」


「では、リッキーに聞いてくれ」

 そうきたか… リッキーが状況を把握しているはず… リッキーに丸投げするか…


「リッキー、私がNeuraLumeの中にいた時に何の話をしていた?」

「あ?」

 リッキーが面倒なことを押し付けやがってと言っているような気がする。

 これは、リッキーの反応から? それともまだNeuraLumeと繋がっているから?


「お前がNeuraLumeに入った時と出た時を整理していたんだろ? だから肉体への接触が意識を本体へ集中させる最も簡単な方法じゃないか?なったんだろ?」

「なるほどな」

 どうやってNeuraLumeから出ることができるのかは確かに話していたわね。

 時間的な問題はどうなんだろう? かなり長い間話していたようなきがするけど、佐々木さんは納得するかな?

『たぶん、もんだいないぜ。NeuraLumeの中の方が時間の流れが速い』

『ん? これはリッキーの声?』


『あぁ。奴らには聞こえていない』

『よかったー。ってなるわけ無いじゃん! 私はNeuraLumeの外にいるのよ。どうしてリッキーと会話ができるのよ?』


『お前はNeuraLumeから出たと思っていたかもしれないが、今までも出ていなかったんじゃないか? 繋がりが強くなればNeuraLumeの中で、弱まればNeuraLumeの外だったんじゃないか?』

『そう言われれば、fMRIに繋いでいないもNeuraLumeの中に入る説明はできるけど、それってどういう原理?』


『知らん』

『知らんって』


『小難しいことは俺の範疇外だ』

 うーん。

 え? 肩を揺さぶられた。


「彩音。大丈夫か?」

「あっ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」


「休んだほうがいいんじゃないか?」

 休むのはいいんだけど、お腹が空いた。

「休むのは休むけど、甘いものが食べたいわ」


「じゃ、カフェのケーキを食べるか?」

「カフェのケーキ…」

 私は砂糖の塊を思い出して、ため息をついた。


「どうした?」

「えっと…」

 どう表現すれば、穏便に伝わるかなぁ。


「ちょっと口に合わなくて…」

 側仕えが佐々木さんに耳打ちした。


「なるほどな。確かにあれは酷い。私が用意しよう」

「え? いいのですか? ありがとうございます」

 側仕えが部屋から出ていった。


「天野教授、リストバンドによると、血糖値が下がっている。これは、NeuraLumeと関係があると思うか?」

 NeuraLumeは私の脳も使っているようだから、それが原因ね。

 でも、それを言うのは得策じゃないわね。


「関係はある可能性が高いとは思います。血糖値のグラフを見せていただけます?」

 私はタブレットを受け取り、バイタルを見る。

 頭を使うと血中のブドウ糖が消費され血糖値は下がるのは確かだけど… これだけじゃね…


「どうだ?」

「これだけでは、なんとも言えないですね」

 佐々木さんが、私が何かを隠しているのではないかと思って探っている感じがする。

 どうするかなぁと思っていると側仕えが戻ってきて、テーブルにケーキを配膳する。


「甘夏みかんの生ガトーショコラを用意いたしました」

 なにその美味しそうなの!

 私はすぐに起き上がった。


 悠人は私がふらついた時に助けてくれるつもりなのか、立つのを補助してくれる。

「ありがとう。大丈夫よ」

 私達はテーブルにつく。


 ケーキが層になっている。一番上は白、真ん中はオレンジ、最下層はブラウン。

「いただいてよろしいかしら?」

「どうぞ」

 私はケーキを一口食べる。

「甘夏?の爽やかな酸味とカカオの苦みがあって美味しいわ」

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