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チートスキル!契約鑑定眼!!!

「――次の方、どうぞー!」


 聖女メルティの元気な声が、事務所内に響き渡る。

『王立・ホワイト冒険サポート事務所』の営業初日。ドアの前には、噂を聞きつけた冒険者たちの大行列ができていた。


「よ、よろしく頼む……! 俺は戦士のガルドだ」


 事務所の相談カウンターにやってきたのは、身長2メートルを超える大柄な重戦士だった。だが、その表情は疲弊しきっており、目元には濃いクマが張り付いている。


「はい、ガルドさんですね。まずは現状のコンディションと適正を把握するため、こちらの『適性・労働環境鑑定』を行わせていただきますね」


 俺は眼鏡(支給品の伊達メガネ)の位置を正し、チートスキル『契約鑑定眼』を発動させた。

 すると、ガルドの頭上に青いウィンドウが浮かび上がり、詳細な数値とステータスが可視化された。


『名前:ガルド(28歳)/職業:重戦士』

『疲労度:88%(危険水域)/ストレス値:92%(過労死寸前)』

『保有スキル:【超・物理耐性】【盾受け(極)】』

『適性職種:前衛タンク・防衛現場監督(適性率 98%)』

『潜在能力:パーティー全体の被ダメージ30%軽減(※要・十分な睡眠)』


(うわぁ……ひどい数値だ。過労死寸前のブラック環境じゃないか……)


 俺は眉をひそめ、書類にペンを走らせた。


「ガルドさん。現在のパーティーでの担当は?」


「ア、アタッカー(攻撃手)として、巨大な大剣を振り回して最前線で戦わされている……だが、最近体が重くて攻撃が当たらないんだ。『使えない給料ドロボー』とパーティーを追い出されそうになっていて……」


「……原因ははっきりしています」


 俺はズバリと言い放った。


「ガルドさん、あなたの本質はアタッカーではありません。圧倒的な耐久力と仲間を守る【盾受け】の天賦の才能を持った『完璧なタンク(前衛防衛職)』です。それを攻撃手として過酷なシフトで使い倒された結果、過労でパフォーマンスが激減しているんですよ」


「え……? 俺が……タンク……? アタッカーじゃなくて……?」


 ガルドがぽかんと口を開ける。


「はい。人間の適性に合わない配置転換(ミスマッチ)は、本人にとっても組織にとっても不幸でしかありません。ガルドさん、まずは『有給休暇』による強制休息を1日取得してください。その後、あなたの防衛能力を最高に評価してくれる適正なパーティー(職場)へあっせんします!」


「ほ、本当か……!? 俺、また胸を張って戦っていいのか……!?」


 ガルドの目にじわっと涙が浮かんだ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ガルドの転職あっせんとコンディション改善が見事に成功したその時――


 ――テレレレ・テッテー!


 頭の中に、晴れやかで荘厳なファンファーレの音が響き渡った。


『――業務成果を確認。事務所実績ポイントが一定値に達しました』


『【事務所ランク】が【Rank 1:街の相談所】から

【Rank 2:地域優良拠点】へ昇格しました!』

『ランクアップ報酬として、以下の「福利厚生(チート機能)」が拡張されます』

『1. 【福利厚生:特別手当(能力一時底上げ)】の解放』

『2. 【事務所設備:自動メンタルケアサロン】の解放』


(うおっ!? 事務所のランクが上がった!?)


 驚く俺の横で、メルティが目を輝かせて叫んだ。

「勇者様! 事務所の裏手に、なんだかとっても温かくて居心地の良さそうな『リラクゼーションお休み処』が湧き出てきましたよ!?」


「よし……!」


 俺は拳を握りしめた。

 労働者の適性を見抜き、正しい場所へ導く。

 そして事務所の評価(ランク)を上げ、さらに手厚い『福利厚生』を解放していく――!

 この仕組みがあれば、この世界の冒険者たちをもっと救える!

毎日18時30分更新!

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