《呪いには呪いをぶつけんだよ‼︎》
例の男の捜索命令が出てからかれこれ2週間程の時が流れた。その間、森に住む全種族が血眼になって捜索するが手がかりすら掴めずにいた。
黒狐様はというと、日が増すごとに圧が増加していきこうしている今も八つ当たりによる犠牲者は日に日に増えていった。
そんな中、私達はというとこの日門番の仕事をしていた。
「全く、黒狐様も無茶言うよな。こんなだだっ広い森の中で人間の男を見つけろだせなんて。本当に、こんな森に男なんているのか?」
「おい‼︎余り外でそんな事言うんじゃねぇよ。もし、黒狐様にでも聞かれたらどうすんだよ。それは、分かってても言わないって決めてただろ?」
「悪い、悪い。でもさ?実際そうだろ?」
「まぁ、今頃皆同じ事を考えているさ。だけど、噂によるとあの黒狐様に逆らったウルフ族の村。どうやら、あそこに至って聞くぜ」
「本当かよ?どうせ、この森の政策に嫌気が差しただけじゃねぇの?」
「だから、それは外で...ん?今物音がしなかったか?」
「物音?」
隣にいる相方が、茂みの方へと近づいていく。私には、物音なんて聞こえなかったのだが...。まぁ、おおよそ虫か気のせいだろう。
「なっ!!え?は!!ぁっ‼︎」
「どうした‼︎何かあったのか!!」
「ッっ!!何でもない‼︎大丈夫だ!!何も無い!」
「お...おぅ...そうか...」
相方の可笑しなリアクションに、私は首を傾げる。嫌々、今の反応は絶対に何かあった時のリアクションだろ。
「良いか!!私は、ちょっっっっと‼︎だけ向こうを見てくるからお前は、そこで待っていてくれ!!良いか‼︎ぜっっったいに覗くなよ!!」
そう良い残し、私の相方は足早に茂みの中に飛び込んだ。おいおい、いつから私の相方はこんなに可笑しくなっちまったんだ?それに、覗くなって言われたら覗くたくなるのが生き物としての本能ってやつだろ。
私は、取り敢えずその場からは動かずに音だけで状態を探ろうとする。
「駄目だな、ちっとも分からん」
生き物の動く様な音は、微かにする物のそれが何かは分からない。やはり、直接見ない限りは始まらない。相方には、悪いが少しだけ覗かせて貰おう。
「さてさて、鬼が出るか邪が出るか」
私の心の中は、もはや好奇心で溢れていた。相方が、あそこまで良いリアクションをしたんだ。きっと、中にはあっと驚く様な物がきっと。
私は、茂みの方へと近づき手を掛けた...けど、その後の記憶が思い...出せない。
「二度とやりたく無い...」
「オノレオノレウルフノブンザイデヨクモヨクモ...!!許さない許さない許さない許さない許さな...」
「クソッ...!!もっと、私に力があれば!!」
縛られ木に、吊るさせたウルフ族の女2人と力を求め叫ぶ風花さん。ハイライトオフで、さっきからブツブツ呟いている由良と三角触りの俺という側から見たらかなりカオスな状況が、そこにはあった。
嫌ね?本当に辛いんだわ。まじで。何が悲しくて俺なんかが、女性に向かってアピールせねばならないんだ!!こちとら、生まれてこの方女性の口説き方なんて習って無いんだよ!!
はぁ...まじで、まだ外出て1時間ぐらいしか経って無いけど凄くあの家が恋しい。これが、ホームシックて奴なのか...。
「創君を!!守れるだけの!!強さを!!」
「許さない許さない許さない許さない許さない...」
「 ....あれ?これ、俺が止めないといけない感じ?......はぁ」
弱気になっては駄目だ‼︎取り敢えず今は、第一目標をクリア出来たんだから、他の見張りが来る前に目的を達成させ無いと。
「ほら、行きますよ」
「許さ...分かりました‼︎行きましょうご主人様‼︎」
「私にち...そうね。今は、1秒でも惜しいもんね」
なんか、頭痛くなって来た...はぁ。
「ここが、あの女のハウスね‼︎(小声)」
「ちょっと由良‼︎そんな言葉何処で覚えたの‼︎(小声)」
「ママの本に似たようなや...(小声)」
「もう十分よ。それ以上は、何か大切なものを失ってしまう人がいるから(小声)」
「2人とも‼︎真面目にやって下さい!!(小声)」
今俺たちは、無事に村に潜入し目的のブツを探している。風花さんの読みだと、村の中心にある長の家にあるということだが?果たして。
「あったわよ。目的のこれ(小声)」
「うわぁ...近くで見るとなんか禍々しいですね(小声)」
それは、直径20センチ程の円形の球だった。しかし、その球からは黒狐を連想させる様な重々しい重圧を僅かにだが感じる。
「さてと、問題は誰が持つかよね(小声)」
「そこは、俺が持ち運びしますよ(小声)」
「駄目です!!ご主人様に、これ以上負担を掛けさせる訳には私が...!!(小声)」
「言っておくけど、私は無理よ?私妖精だもの。何よ、その目は...(小声)」
一瞬、ここは年長者だろって思った気もするがきっと気のせいだろう。でも、やっぱりここは男である俺が少しでも良いところを見せないと!!
「大丈夫だよ、由良。このくらい持った所で、邪魔にすらならないから(小声)」
実は、俺の高校の体育の成績は4なんだ。今更、こんな球体持った所で変わらない‼︎大丈夫、きっと大丈夫!!
「せ〜の‼︎ふん!!.........上がんない!!(小声)」
嘘だろ!!体育4の俺が、こんな球体に負ける筈が無い‼︎きっと、これはこう角度とかが悪いに違い無い。
「ふ〜ん!!ふん!!(小声)」
駄目だ、全く動く気がしないぞこれ!?本当に、取れる奴なのかこれ?まさか...これこそ罠‼︎?敵が、この球を狙っても取れない様にわざと...!!
「普通に創君が力がないじゃ無い?、ちよっと、由良も持ってみたて(小声)」
「分かりました...っ、ご主人様の言う通りかなり重いですこれ(小声)」
由良も、俺と同じ様に球体を持とうとするがそれが動く事は無かった。やっぱり、重いよねこれ。別に、由良が動かせてたらどうしようとか思って無いし?
「困ったな...3人とも筋力Eぐらいか...。しょうがない。余り気は進まないけど(小声)」
そう言うと、風花さんは詠唱の様な言葉を紡ぎ始める。
凄い‼︎風花さんの周りだけ風を感じられる。やっぱり、ここは異世界なんだなって感じが凄いする。まぁ、今更なんだけども...。
「ふぅ...取り敢えずこれで持ち運び出来るわね。これ、まあまぁ集中力使...不味い‼︎2人とも急いで家から出るよ!!」
「もしかして、バレ..」
「まだバレては無いけど...あいつらが帰って来る音が聞こえたからね。急いでここを出るよ」
流石は、風花さん。俺には、聞こえなかったけどここからそんな音まで聞こえるなんて...!!やっぱり、歳を重ねると地獄み...早くここから逃げ出さないと!!
「はぁはぁ、疲れた...」
村から、離れた平地の様な場所で俺は座り込む。やっぱりと言うべきか、40分移動、お色気、隠密、10分ダッシュはキツすぎる...。
「大丈夫ですか‼︎ご主人様。どうか、お休みなら私のお膝をお使いください!!」
「うぅん...いい。大丈夫だから」
2人は凄いな...あんなに動いたのにまだ立っていられるなんて。はぁ、自分より小さな女の子に負けるなんて...。それに、風花さんはあの良く分からない球体持ったままなのに息一つ乱れていない。
そう言えば、なんでこの球体持ってきたんだっけ?大事な事なのに、そう言えば聞いてなかったな。
「あの、この球体なんで持って来たんですか?」
「呪いと呪いを反発される為よ。簡単に言うと、呪いの力で引き寄せられてしまうなら最初からこれを持つ事で他の引き寄せる力が大分抑えられる様になるって事よ」
......なんか、そう言う映画日本にもあったな。確か、呪いには呪いをぶつけんだよ‼︎的な流れで最終的に詰む流れになる奴。本当に、大丈夫?それ?
「まぁ、私も呪いについてはあいつから聞いた程度の情報しか無いからちょっとだけ自信が無いかもだけど...」
大丈夫なんか、それ???(2回目)




