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異世界に転生したし好きに生きる事にした〜転生はご褒美です〜  作者: 結桜 月


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4/5

屋台通り〜食べ歩きとちっちゃいわんこ〜

夏い暑ですね。蝉は元気にないとります。炎天下ですので御自愛下さい




冒険者ギルドから屋台通りを目指して歩く。


「みっみみゅ!みっみみゅ!!」


(ごっはん!ごはん!!)


「きったね〜」 「やーい、灰っころ!灰っころ!」 「悔しかったら何か言ってみろよ!!」


人気のない道を歩いていると、近くの路地からそんな声が聞こえた。


「お前らっ!!」


「何だよ、灰っころ!やんのか?」


路地を除くと3人と1人…の足にしがみつく何か。確かに灰色っぽい髪色の子供とその足下には震えてうずくまる何かが。小さな何かから声がした。


「ねーね…」


「っは!こら、何してるの!こんなにびしょ濡れにして!!」


バケツを持った悪ガキ3人に服の濡れた子供と髪までびっしょりの幼児。  


「うわっ」「わっ、あっ」「こ、こいつらが、くっせぇーから、み、水浴びさせてやったんだよ!!」


「水にしちゃあ、随分汚い水ねぇ…?」


「あっ!」 「うっ、それは」 「こ、こいつらの方が汚ねぇから何でも一緒だっ!」


「一緒なわけないでしょっ!!こんなに汚して!どこの悪ガキ共よ!親はどこ?!」


「ん〜みゅっ!」 


「「「あっ!」」」


『ゴチンッ!』


「「「って〜」」」


3人にゲンコツをお見舞いする。


「ちゃんと綺麗に片づけなさいよ!!次は貴方達ね」


1番足の速い子にモップを持って来させ、びしょ濡れの子達に向き直り、大きい子の方にしゃがんで話しかける。


「家は近いの?」


「…ない」


「え?」


「何でもない!行くぞっ!」


「待って、どこ行くの?!このままだと風邪ひくから家が近いか聞いたの!」


「うっ…「ねぇーね」」


小さい方がふるふると震えている。目が同じ色。


「可愛っんん''!家に誰かいるの?って言っても震えてるし…。はぁ、まさかこんなに早くギルドに蜻蛉返りする事になるなんて。行くわよって冷たっ!!やっぱり冷えてきてるじゃないの!もう…」


手を掴むとビクッと身体を揺らす子供。「あっ?!」っと驚いたのか大きな声を出し、掴まれた手を凝視しているが、そりあえず可愛いし風邪でもひいたら可哀想だし、仕方ない。冒険者ギルドに連れて行こう。


「後で見に来るからちゃんと綺麗にしてなかったら憲兵につき出すわよっ!!」


「「はいっ!!!」」


そう言い捨てて2人を連れ、急いで冒険者ギルドに戻った。



「シャワー貸してもらえますか?」


急いで冒険者ギルドに戻り先程の受付嬢に頼む。


「あら、大変!こちらにっ!」


受付嬢はずぶ濡れの子供達を見て察して案内してくれた。ギルドに入る前に服は軽く絞ったからそこまで汚す事なく脱衣所に到着して、服ごと子供達を浴室に入れる。


「石鹸はあるのね…良かった」


ローブを脱ぎ、袖とズボンを捲り上げこっそり取り出したシャンプーとリンスをユゥイに渡し石鹸を泡立てる。


「この泡でちゃんと綺麗に洗うのよ?出来る?」


「うん」


「ユゥイ見てあげて。私は服を何とかするから。これじゃ、帰れないだろうし」


「みゅぅーいっ!」


あわあわに石鹸を泡立てて水魔法を洗濯機の容量で回転させ、そこに服と泡立てた石鹸を入れて洗う。一度では汚れが落ちきらず、何度か洗い濯いで今度は風邪魔法で脱水して乾かす。


「みゅうぅーいっ!!」


「洗えた?」


目をやるとピカピカの幼児とまだ汚ったない子供…。


「貴方も洗うのよっ!」


そう言い、幼児の方は脱衣所から取ったタオルをユゥイに渡して任せる。お姉ちゃんは、体は綺麗になっていたが、髪が長くて難しいのか洗えていない。何回か石鹸で洗いって流してを繰り返し、仕上げにシャンプーとリンス

をして乾かして驚いた。


「これは…ヤバいかも」


キラキラと輝く白髪に獣耳にふわっふわの尻尾。渾身の入浴でとんでもないものを誕生させてしまったようだ。クリクリのおめめがこちらを伺っている。全部が綺麗になってしまい、傷もない綺麗になってしまっている子供達。汚れていた事で多少誘拐のリスクが回避されていたであろう事は十分に推察できてしまうほどの見た目。


「こっちの美的感覚的にコレは有り?」


「んみゆぅ?」


受付嬢さんを呼んで相談する事に、丸投げする事にした。



「あら〜まぁっ!ん〜〜」


「やっぱり2人で歩かせるのはよろしくないですか?」


「はいっ!」


「やっぱりか…。ん〜。ローブを1つ貸し出してもらけませんか?」


「では、私のを使って下さい」


「えっ?!」


「ユーティアさん達は冒険者登録もして頂いていますし、何よりせっかく綺麗になったのに貸し出しのものとなると埃っぽくなるので」


「助かりますけど良いんですか?裾とか汚してしまうんじゃ…」


「大丈夫ですよ、今の季節なら短いものを使っておりますので。それに、ローブなんて汚れてなんぼですから!」


「セリーナさん…。ではお言葉に甘えて少しの間、お借りさせていただきます。この子達を送った帰りにお返ししに来ますね」


「はい、かしこまりました!では、お持ちしますので少しお待ち下さい。取ってきますね」


そう言ってセリーナさんは脱衣所を出て行って少ししたら短めのローブを持って帰ってきた。



「長さも引きずるほどじゃなくて良かった。貴方は顔を見られないためにも抱っこで我慢してね?」


「っん」


ぎゅっと首に抱きつく幼児とお姉ちゃんとは手を繋いで歩く。空腹の限界を迎えていたユゥイと、路地の事も気にかかったので家に送る前に屋台通りに行く事にした。路地は綺麗に掃除されているようでこのまま念願の屋台通りに向かう。通りが近づくにつれ良い匂いが漂ってきた。


「ん〜良い匂い。お腹すいた〜」


『『っぐうぅ〜〜、きゅるるる』』


「お腹すいてるの?」


お姉ちゃんの方が『こくん』と頷いた。


「なら、あそこのベンチで待ってて。ユゥイもついててあげて?」


「みゅいっ?!きゅーうぅ!」


「えっ?やなの?でも2人にするのは心配だし…食べたいもの選びたかったのね?」


そう言うと、あれあれっと手で指して訴えるユゥイ。


「みゅぅーい!」


「分かった!あれが食べたかったのね。じゃあ、2人をお願いできる?」


「みゅーぃ!」


「お願いね」


お姉ちゃんに抱っこされている幼児の顔が隠れている事を確認してユゥイに2人を任せ、お肉っぽい串焼き4本とメインになりそうな麺類を買って戻り串焼き皆んなに手渡した。ユゥイと幼児は齧り付いて食べているのに、串焼きを見つめたまま食べないお姉ちゃん。


「食べれないのだった?こっち、食べる?」


そう聞くと「お金ない」と小さく返す。


「先に家に送らないでユゥイと私のご飯に付き合わせてるお詫びなんだから大丈夫よ。家に送った後にお家の人に請求したりしないから安心して食べな?嫌いじゃないんでしょ?」


「うん!」


そう言うと串焼きに齧り付いて食べるお姉ちゃん。美味しそうに食べる皆んなを横目に私も串焼きに齧り付いた。塩焼きかと思えば何かのハーブを付け込んでいるようだ。肉汁が滴り噛み切れる柔らかい肉質に、臭みもハーブのおかげか無くてとても食べやすく美味しかった。


「食べ歩き大成功ね!」


「みゅーいっ!」


ユゥイと健闘?を称え合っていると果実水で喉を潤していたお姉ちゃんが言った。



「髪、あげる」


「え?」


「髪、切って。髪あげる」


「いや、だからお金なら…」


「私達、孤児。母さんが2年ぐらい前に死んで父さんもソエルが生まれる前に死んじゃった」


「そうだったのね、でも髪は「だから、捕まって誰かに切られるなら使って。あってもどうして良いか分からないし、今ならいつもより高く売れる。お金になるって母さん言ってたから」」


「孤児院には行かないの?」


「ソエルと離れ離れにさせられるし、この髪は危ないって母さんが言ってた。気をつけなきゃダメって」


(そりゃそうだ。顔面国宝級とこんな綺麗な銀髪じゃ気をつけたって十分じゃない)


「だから髪お姉さんが使って」


「じゃあ、冒険者になったら?」


「?まだ、なれない。自分の身も守れないから髪使って。でも、獣化出来る」


「ん?獣化?」


「うん、獣化。早く走れるし目も鼻も耳も良くなる」


「…えっ?!なら」


「でも、ソエル自分守れない。一緒には守れない」


「そりゃそうだ…分かった。私も裕福なわけじゃないし髪は切ろう。これからの生活で長いと大変だし切って良いんだよね?」


「うん、良い。今までは切っても汚くて、買い取ってもらえないから伸ばしてただけだから」


「じゃあ、切ってもらおう。それでローブ2つ買ってとソエルの魔法どうにかしよう」


そう告げるとお姉ちゃんは目を見開き驚いて言った。


「ソエル魔法使えない!私達、魔法使えない」


「ソエルは魔力高いよ?」


「?!!」


ソエルの魔力が高いことに相当驚いたようだ。目をガン開き驚愕している。


「知らなかったんだね。ソエルが選ぶ事だけど魔法学校もあるみたいだし選択肢は多い方が良いでしょ?」


そう問いかけると、「魔法学校」とまたもや驚愕しているお姉ちゃん。


「宿代とかは髪代から何とかして、手続きとか大人が必要なものは私がどうにかして、知ってる事とか教えて。私この街に来たばっかりだからこことかは貴方達の方がよく知ってるでしょ?」


またまた驚愕したような表情で思考停止して『こくん』と頷くお姉ちゃん。


「じゃあ、髪売ってローブ買いに行こ。セリーナさんにローブ返さなきゃだし宿もどうにかしなきゃ。その前に貴方の名前は?この子はソエルで良いんでしょ?」


「うん、この子はソエル。アタシはイェルン、エルで良いよ」


「エルね。この子がユゥイで私はユーティア、ユティでもユーアでも呼びやすいように好きに呼んで」


「うん!」


「ユゥイ、ユア!」


ソエルが名前を呼んで嬉しそうにはしゃぐ。


「そう、ユア。ソエルもよろしくね」


すっかり話し込んでしまったので急いでローブを買い、冒険者ギルドに戻り買い取り業者とローブをセリーナさんに返し宿に急ぐ。「まだ、髪切ってない」とローブを買う事に慌てるエルと、「急いでいるから先払い!」と言い聞かせたりセリーナさんにローブを返したり、髪が思った以上に高く売れたり何とか夜までに宿に帰れてとりあえず今のままの部屋に泊まることが出来たりと、てんやわんやではあるものの宿の食事にありつけお風呂にも入り皆んなで一つのベットで眠りについた。




こんな事になるはずでは…進まないw

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