↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
436/473

第434話テンガロンハットおじさんとひのたま小僧の冒険

「ふぅ……」


 巨大ゴリラのモンスターをどうにか叩きのめし、僕はテンガロンハットのおじさんの救出に成功した。


 そして今、ジャングル階層の奥地で、僕は当然警戒した彼と真っすぐ見つめ合っている。


 さてどうしたものか?


 僕はまず友好の証として、手持ちのポーションを差し出した。


「どうぞ使ってください」


「……君は?」


 そんな質問に答えるとしたら、もちろんこの名前だろう。


「ファイアーボールヘッドです」


「……見たままだな」


「僕もそう思いますね」


 メラメラ燃える頭を揺らし、その通りだと肩をすくめると、ツボだったのかテンガロンハットのおじさんは爆笑していた。


「ハッハッハッ! 面白い奴だな君は!」


「はっはっはっ! ありがとう! でも僕なんてつまらない男ですよ」


「……謙遜というよりも意外過ぎる自己評価だな!」


 まぁインパクトは抜群だと思うよ。頭燃えてる人間なんてそうそういないからね。かっこいいけど。


 だがそんなやり取りだけで、手渡したポーションを一気に飲み干したテンガロンハットおじさんは、瞬時に回復した自分の怪我に驚いていた。


「おお! いいポーションだな!」


「特別製ですよ? 大サービスです」


 よし。これでおじさんの命の危険はひとまず去った。


 これで少しは落ち着いて話ができるというものだった。


「良かったら出口まで連れていきましょうか?」 


 一息ついた僕は、ついでにとそんな提案を口にしてみた。


 するとテンガロンハットおじさんは僕の顔をじっと見ながら、しばし考え込む。


 そして――彼は子供のようにいたずらっぽく笑うと、遊び心溢れる提案をしてきた。


「いや……こうなったからにはどうせ護衛には怒られるんだ。だったらもう少し遊んでやろう」


「マジですか……」


「もちろんだ! 実はわしはエルフをテイムしに、このダンジョンにやって来たんだ。ただ……どうも情報が足りなかったようでね。さっきはうまくいかなかったんだよ。そこでどうだろう? 君は見たところ凄腕の探索者だ。ひょっとすると、エルフのテイムについても何か知っているんじゃないか?」


 僕は、この核心を突いた提案に戦慄した。


 そしてなんというアグレッシブなおじさんだろうか。


 この期に及んでまだエルフのテイムをあきらめていないとは――正直、そういうの嫌いじゃない。


 僕はうーんと唸り、一応迷ったそぶりを見せたが、だったらとこちらも大胆な質問を返した。


「……ちなみに、エルフとハイエルフなら――どっちがいいです?」


「ハイエルフでお願いする!」


 テンガロンハットおじさんはあまりにも即答だった。


 僕らはニカリと笑い、がっちり握手を交わした。


 大いに気に入った。


 その勇気に敬意を表して、彼のリクエストに応えることにしよう。


 僕は一旦叩きのめしたゴリラを魔法で回収しつつ、ウニョンと空間を曲げて通路を作った。


 そしてポッカリ空いた空間のゆがみの前で、テンガロンハットのおじさんに向き直る。


「じゃあ――なるべく急いでいきますか」


「ほほう……こいつは期待できそうだ」


 我ながら怪しげな移動手段だと自覚はしている。


 だというのに僕が用意した空間のゆがみへと躊躇うことなく飛び込むテンガロンハットのおじさんは、やはりただものではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このおじさんもディードリットに魅了された世代ですかね?
ハイエルフとエルフの見た目の違いってなんだろう…なんとなくノーブルな感じ? 出るとこ出てるかは今どきどっちでも大きいのも小さいのもありそうだし… あ、自分はどっちでもありです
この瞬間、世界の歯車が大きく動き出したのだった! …いや、狂いだしたのかもしれない?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。