第431話お客さんが来ているよ
副産物ではあるのだが、レベルが上がると賢さも上がるという話は本当らしい。
それを意識してからは、僕の学力は急上昇していた。
特に顕著なのが語学だった。
ものすごい速度で喋れるようになるから、三十くらいまでレベルを上げたら是非とも試してもらいたい。
ジョブが魔法職なら、もっと頭がよくなると思うと、なかなか面白い話だった。
「語学は案外理解できるなぁ。プログラムもやってみると案外……賢くなったのかな? 行動パターンはたいして変わっていないんだけど」
『そりゃそうだろう? 趣味趣向は変わってないんだから』
攻略君から笑い交じりにご指摘をいただいたが、まぁ英語が堪能になって最近得したと思えたのが、国際交流でゲームが楽しかったことなのだから、そんなものかもしれない。
「賢さとは? ……まぁあんまり変わられても困るか。いやー……映画がもっと面白くなるのは間違いなく利点なんだよなぁ」
例えば、正直ミームやジョークが乱れ飛ぶ系の映画は半分くらい楽しめていない疑惑があったわけだが、字幕なしで見てネタを検索しながら楽しむのは最高である。
僕はチミチャンガを頬張りつつ、映画完走後の知的な余韻に浸っていると、偶然ネットニュースが目に入った。
それは要約すると日本で首脳会談が開催されて、警備が大変! というような話をしていたが、僕としてはアニメ版の某クモヒーロの続編がいつ来るかの方が気になったくらいだった。
翌日――。
ダンジョンの入り口で明らかに外国人の黒服の人たちと、テンガロンハットをかぶったおじさんという珍しい顔ぶれがいるのを見つけて、僕はなんだろうと首を傾げた。
「……何アレ?」
そこには留学生組の姿もあって、何時もと少し違う緊張感がある。
「なんか……ちょっと面白そうだな」
謎の一団とミアさん達のパーティはダンジョンの中に消えてゆく。
それを確認した僕は、すぐに受付でダンジョン探索の手続きを開始した。
「すみませーん、今から潜りまーす」
「はい。今お客さんが来ているから、トラブルにならないようにね?」
受付さんに助言され、僕は頷く。
さて、せっかく語学のレベルが上がったことだし僕は一団の後を追いかけてみることにした。




