第418話お客さんの二人
教室で座っているとさっそくコール君とブロック君が血相を変えてやって来た。
彼らは声を極限まで潜めているが、しかし興奮を抑えきれていない。
そんな二人を見てついついニヤニヤしてしまっているのは、僕と松林君だった。
「……おいおいおい! あれは本当なのか!?」
「いくらなんでもだろう……! 大丈夫なやつなのか??」
この反応は実物に乗ったね? ……それならばこの興奮も頷けるというものだ。
「さてそれはどうかな? まぁ、実際に触ってみたのならそれが答えだよ。ねぇ、松林君」
「え? ……ああうん。もちろんだとも」
松林君が頷くと、さらにコール君の表情がより一層渋いものへと変わっていた。
「……だがロボだぞ? 本当に役に立つのか?」
「すごい技術だとは思うが……モンスターに通用するか?」
そして実際に運用するにあたっての懸念ももっともだった。
しかし言ってしまえば10階の守護者よりも強いゴーレムだ。
それを手足のように操れる時点で、モンスターに十分有効な武装だと僕は思っていた。
「もちろん。作っている人たちも信頼できるって思ってるよ? ねぇ? 松林君?」
「ああ、おお! 売店の商品だって卸してもらっているしな」
僕らはやっぱり笑顔で頷く。
ただ松林君が困惑しているからか、ブロック君はコール君に意見を求めていた。
「ふーむ、どう思うコール?」
「……精霊の一件がなきゃ、冗談言うなと笑い飛ばしているところだが……正直気になって仕方がない」
「実は俺もだ……これが騙されたと思ってやってみろってやつか?」
「はっはっは! そうだな! ブロック! よしじゃあ、試しちゃうぞ俺は! おい、そこの二人! 役に立たなかったら覚悟しとけよ?」
なんというか、決して安い買い物でもないだろうに、ノリと勢いで話に乗ってくる二人は純粋にすげぇなと僕は思った。
「ははは……もちろん。望む所だよ? ねぇ? 松林君?」
「え? さっきから何でオレにいちいち振るのー、なんかおっかないんですけど?」
まぁそう言わないでよ。
僕だけ店員でもないのに自信満々なの変じゃない?
でもぜひとも重要な事なので後押しはしておきたいというのが僕の本音だ。
コール君とブロック君はまだまだ困惑が勝っている感じだけど、詐欺じゃないのは開発側の人間として保証したい。
ただ、二人が注文した商品についてどんな反応をするのか? それは実際に使ってもらわないとわからない。
……海外の方は訴訟がすごいというし、大丈夫かな?
僕は正直ちょっと変な汗が滲んでいた。




