↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
400/472

第399話ささやかなアピールのつもりだったのに

「ちょっと待って? わ、私は今、冷静さを欠こうとしています……。プリティな天使ちゃんのスタイリッシュガンアクションヘソチラが私を狂わせて……てっ! そうじゃなくって! あれ完全に銃でしょう!? 普通の魔法じゃ無くありませんか!」


 会場がいきなりの銃声でどよめき、一斉に視線が集まっていた。


 そこですかさず、僕は燃える頭の火力を上げて、説明を開始した。


「そうなのです! 特殊な魔法技術を採用していまして……実はこちらの魔法杖、銃に近い物理攻撃力を備えているのです!」


「と、特殊な魔法技術ですと!?」


 ガガーンと背後に出ていそうないいリアクションを返してくれる店長さんはさすがだった。


 そして彼女の素晴らしい反応に乗っかって僕は爽やかに頷くと、今度はすかさず浦島先輩にご登場いただいた。


「そしてこちらの装備。実はその魔法技術を一部使用しています。ヘルメットにご注目ください! それでは先輩! お願いします!」


「ほいほい。任せてー」


 軽く返事をし、浦島先輩が進み出ると、周囲で展示品の試しをしていた探索者達も、こちらのやる事が気になったのか更に注目が集まった。


 十分に注目が集まったタイミングで、浦島先輩はバサリとジャケットを脱ぐ。


 するとジャケットの中から現れた、格ゲーキャラを思わせるタンクトップ姿におおー!っと感嘆の歓声が上がった。


「! ヘルメット+タンクトップ+コンバットパンツ&ブーツとは! 大きめの手袋もいい味出しています! また逸材を連れてきましたね……そしてタンクトップの上からでもわかるあの鍛え上げられた肉……一朝一夕では不可能だ。素晴らしい」


 店長も大絶賛である。


 浦島先輩はあまりにも堂々としていて、周囲の探索者達の視線を一気に集めた。


 そして空気を読んだ探索者の一人が、僕らにジェスチャーで「モンスターを回す?」 と合図。


 お言葉に甘えてお願いしますと返しておいた。


 浦島先輩は手元のボタンを操作して、ヘルメットを点滅させる。


 そこに浮かぶのは6種類の魔法文字で、同時に魔法を展開した。


「これはっ……!」


 店長さんの驚きの声を合図に、浦島先輩は複数の魔法を一斉に撃ち放ち、モンスターを撃破した。


 今の先輩ならこれくらいの芸当は簡単だろう。


 木っ端みじんになったモンスターを見て、店長さんは、あまりにも無駄の大きい、無駄のない動きで驚きを表現していた。


「なっ! 一度に複数の魔法を使いこなすなんてっ!!!」


 わかっている店長さんは、非常にお手本のような驚き方をしてくれて、大変ありがたい。


 そして浦島先輩も両手を突き出したまま、たっぷり時間をかけて魔法の発動をアピール。


 カメラを意識した立ち姿を披露して、「私、なにかやっちゃいました?」なんてセリフが聞こえてきそうな強者の魔力を解放していた。


 効果は抜群である。


 おぉーっと歓声が上がって、きっと画面の向こうのお友達も喜んでくれていることだろう。


「では……次はそろそろ僕の番ですね」


 会場は、温まっていた。


 天使のガンアクションと、先輩の脱衣演出多重魔法が強すぎて、生半可なインパクトでは、盛り下がるに違いない。


 だがここで怯んでいる場合じゃなかった。


 場所の広さはネックだったのだが、これだけの広さがあるなら何の問題もないだろう。


 さあ来い、モンスター。


 こんなに君達のリポップを楽しみに思ったことはないよ?


 熱が冷める前に、もっとテンポよく出てきてほしい、僕はそう心から願っていた。


 僕の願いは、おそらく神様に通じたのかもしれない。


 草原の真ん中に空間のゆがみが生じ、手頃なモンスターが出現する……はずだった。


 オオカミか、それとも別の何かか。


 だがリポップというには、歪み方が妙に派手で、僕は首を傾げた。


「アレ? なんか……おかしいな?」


 派手に空間が歪む現象はまるでピラミッドゴーレムを呼び出した時のようで、規模が大きすぎる気がする。


 そして出現した質量が影を落とす。


 その時、ユグドラシルもどき1階はイベントの熱が強まるどころか、一気に冷えて、もっと言うなら気温まで一気に下がり、草原が霜で凍りついていた。


「……え? ナニコレ?」


「……! ランダムエンカウント!? 嘘でしょ!? このタイミングで!?」


 今度の店長さんの驚愕はネタ無しの本気の響きが生々しい。


 ランダムエンカウントとは、普段出現しないようなその階層に似つかわしくないレベルのモンスターが突然現れる現象のことだ。


 そしてまさに、突然現れた真っ白い冷気を纏った巨人は、どう見ても階層に似つかわしくないどころか、僕らを除く観測史上最強の化け物だった。


 誰もが、混乱したのは間違いない。


 だが僕は内なる相棒が告げた言葉で、焦りのあまり炎に隠れた顔から変な汗が噴き出していた。


『……これは君に引きつけられてきたみたいだね』


「……?」


 ……今なんて言った攻略君?


 いやいやそんなわけないだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ダンジョンさんが良い相手を見繕ったようなのでここはワタヌキ氏も派手な演出でお応えしないといけませんね! 指パッチンして機体名を派手に叫んで呼び出すとか(笑)
当然、『変身』『蒸着』とかでお着換えですよねww
最高の舞台で最高のお披露目ですね? 戦闘ロボットってだけでもすごいのに、巨大モンスターとの戦闘まで見られそうだし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。