第362話見覚えのある人たち
【スタジアムの完成が近づいています! それに伴いまして、延期になっていた『舞闘祭』が開催されます。皆さん奮って参加し、日頃の成果を存分に発揮してくださいね!】
とある日の朝、ホームルームで担任AIからのお知らせが届いていた。
時間がかかると言われたスタジアムの建造が思いの外スムーズに行われたらしい。
何で急に? とは思ったが、生徒会にダンジョン内での建設のノウハウが蓄積されてきているのもひょっとすると関係があるかもしれない。
いやまぁ、工事に学生が関わっていることはないとは思うのだけれど、うちの生徒会は場合によっては無茶をしそうな予感があった。
とはいえどういう経緯にせよ、完成が早まるのはいいことだし、何があっても僕が関知するところではない。
もっと身近に、舞闘祭という学校行事にどう参加するかの方が、僕にはよほど重要だった。
【次のお知らせです! 本日から、このクラスに新しい仲間が加わることになりました! 皆さん仲良くしてくださいね!】
へぇ、そんなことあるんだ。
僕は驚きつつ、ぼんやりと成り行きを見守った。
そしてすぐに教室の扉が開く。
入ってきたのは全部で三人だ。
筋骨隆々の男子生徒が二人も入ってきた時点でざわつきが起こり、さらに、一人女生徒が入ってきたことでどよめきが決定的になった。
【アメリカから留学しに来てくれた、ミアさん、コール君、ブロック君の三人です。皆さん仲良くしてあげてくださいね】
「……」
クラスの名簿に三人の名前が書き加えられる。
クラスメイトは突然の外国人に驚きを隠せないでいるようだったが、あいにく僕はそれどころではなかった。
「……えぇ?」
極めて小声で声が漏れる。
僕には彼らに見覚えがあるんだから、そうなるのも当然だった。
しかも、エキスポなんていう華やかな舞台で面識が……というか、パイルバンカーでぶん殴った相手が、こうしてまとめて留学なんて――気まずいにもほどがあった。




