第358話何とは言わないが4体選んだ(side:ワタヌキ)
「さて……お前達の力、見せてもらおう!」
選んだ人型亀はとりあえず4体。
ピザも食べきって、忠誠心は高くなっているはずだが、今回のテイムモンスターはコーディネートのし甲斐がありそうだった。
その根拠は今、僕の横で大量のサワークリームをつけて、フライドポテトを頬張りながら、滝のような涙を流していた。
「もぐもぐ、まむめきでふ……」
「レイナさん? 何言ってるかわかんないから、飲み込んじゃって?」
「もぐもぐもぐ……感激です。ワタシは今幸福を感じています……食べてるポテトもしょっぱいですね!」
「この亀達、ジョブも装備もないみたいだけど……どんなふうにしたい?」
「えぇ……それ言わせちゃいますか? わかってるくせにー」
レイナさんは、今更感動のピークがやって来たみたいで、テンションが壊れ気味である。
うんうん。とてもよく分かるよ。
僕だってマンモスのこんがり肉を食べた時は泣きそうだったし、今だって、どうやってワゴンを改造しようか考え中だった。
「実力も見ておきたいね。なにか頼んでみようか?」
「戦ってるところが見たいなら、困ってる探索者を助けてもらえばいいんじゃないでござるか?」
桃山君の提案に僕は手を打つ。
探索している生徒は沢山いるだろうし、深めを攻めているガチ勢のダンジョンアタックならピンチも多いから、サポートもしやすそうだ。
戦闘の器用さを見るなら、誰かを助けるカバー力こそが最も知りたい部分だった。
「じゃあ試して観察する? カメラ君を一緒につければバッチリじゃない?」
浦島先輩もカメラ君を呼び出し、専用のディスプレイをアイテムボックスの中から引っ張り出した。
「いいでござるね。どれだけ戦えるのか……というか状況判断できるのか見ておきたいでござる」
「やってみようか? じゃあ、カメラ君。撮影頼んだ。君達、誰かピンチの探索者を助けて帰ってくるまでが任務だ。可能な限りコソコソすること」
ウニョンと魔法で浅い層への扉を用意しながら指令を下すと、期待に応えるようにアクロバティックな亀達は、扉の中に飛びこんでゆく。
そんな彼らを追って、カメラ君もフィーンっと最後に扉に飛び込んだ。
「さて! じゃあ、ちょっとゆっくりしようか!」
僕はお気楽にそう言って、ワクワクしながら鑑賞会の準備を整える。
正直、お腹いっぱい食べて「みんなでアクション亀の大活躍でも観ようか?」くらいのテンション感だったのは否定できなかった。




