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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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336/469

第336話トール・ブレイカー

「よし。じゃあ――やってみようか!」


「了解です!……楽しみですねぇ!」


「じゃあ拙者が誘導してくるでござるよ!」


 東雲さんが携帯を構えて撮影準備。カメラ君も飛ばして記録する。


 桃山君がダッシュで消えていった階層はとても広く、岩山が聳えていた。


 ダンジョン内部なのにまったく見覚えのない景色に、ハバキリ君が大いに取り乱していたが、それ以外は問題なしである。


「……こ、ここは?」


「本日の実験場です。深くは追求しないように!」


 威力を確かめる実験はしたいが、敵のタフネスが中途半端だと威力のほどがよくわからない。


 というかこのブレイカーは、はっきり言って威力という面ではほとんどのモンスターにとってオーバースペックなロマン兵器である。


 使うとしたら今まではただのギミックとして切り捨てていた、規格外に巨大なモンスターが望ましい。


 そこで今回目を付けたのは鉱石フロアのゴーレムだ。


 岩石で肉体を形成した巨大ゴーレムが多いこの階層は、場合によってはそのサイズ感でさらに低層のモンスターすら凌駕する場合もある。


 その性質上、ゴーレムに痛みはないし、一撃ではやられないだろうという目算でのバトルフィールド採用だった。


 僕はいつもの衣装に着替えて頭の炎を灯す。


 そしてアームを呼び出し、トール・ブレイカーを装備。


 武器を握ると、戦場への帰還を喜ぶように魔力の高まりを感じた僕は、その時点である程度の手ごたえを得ていた。


 桃山君が走って行った方をじっと見つめたまま、しばし待機。


 そして大きな地鳴りと共に大地が丸ごと動く光景に、ハバキリ君が震えていた。


「な、なぁ……山が……動いていないか?」


「動いてるねぇ……ああ。射線には絶対に入らないでね? 桃山君の姿を確認次第、始めるから」


「何を!? こっちにまっすぐ向かってきているんだが!」


「向かってきてるねぇ。まぁ、落ち着いて? まずは……遠距離攻撃試してみようか?」


「はぁ!?」


 僕はハバキリ君の悲鳴をBGMにして、十字架の長い部分を前にして構える。


 そして手元を操作すると、ガチャリと上下に開いた砲身を、まっすぐ動く山に向けた。


「釣れたでござるよ!」


「OK! そのまま真っすぐこっちに!」


 桃山君の声が届き、視界に確認。


 さっそく僕は魔力の供給をスタートした。


「……」


 ギミックの展開はスムーズだ。


 最初なので慎重に僕は手順を確認しながら、工程を踏んでゆく。


 攻略君、まず腕を狙おう。お願いできる?


『了解。やや右、上……そこでストップ。カウントダウン開始するよ。3カウントで』


「ターゲットをロック―――。弾丸を生成し、固定」


 ガチャンと音が響き、甲高い音が徐々に強くなっていった。


 コアの膨大なエネルギーの高ぶりは尋常ではなく、解き放たれる瞬間を待ち望んでいるかのようだ。


「……チャージ完了」


『3……2……1』


「発射」


 僕は唇を舐めて湿らせ、引き金を引く。


 その瞬間ブレイカーの砲身が激しくスパークし、閃光と共に放たれた弾丸は狙い違わずほぼ一瞬で山の右腕に命中して風穴を開けていた。


「……! いったぁ! ヒュー! マジか!」


「……っ!」


 山に文字通り風穴を開けた威力は、レールガンにしても普通ではなかった。


 腕は穴から砕けて落下していたが、山ゴーレムはまだ倒れずに期待通りのタフネスを発揮してくれたようだ。


「まだ健在ですよ! 止まっていません!」


 東雲さんが焦り気味で叫ぶけど、全てはテストのため想定通りの手順に過ぎない。


「分かっているさ!」


 というか、まだ止まってもらったら困るんだ。 だって、レールガンなんていうのはオマケ機能なんだから。


 僕は続いて砲身を閉じて、アームに持たせると一番大事な耐久テストだと接近戦へと移行した。


 トール・ブレイカーを担ぎ一気にダッシュ。


 本気で加速した桃山君と入れ替わるように山ゴーレムに走って行く。


 素材は岩だが、まぁほぼ山だ。


 ピラミッドよりもはるかに大きなそいつに近づくと、戦闘というよりももはや登山だ。


「よいっ……しょっ!」


 だがそれを跳び越す勢いで跳躍。


 僕は実際に飛び越せるところまで飛び上がり、思い切りブレイカーを振りかぶる。


 山頂に向かって振り下ろされた一撃は爆音とともに雷撃を炸裂させると、一気に山肌を裏返していく。


 走る雷の威力で頭頂部が派手に吹き飛び、最後には噴火の様に四散した。


「……っっ!」


 落下しながらその光景を眺めていた僕は、ちょっと唖然としながら、シールドを飛ばして、落石から東雲さんとハバキリ君をガードする。


「うーむ」


 着地してひび割れて完全崩壊する山ゴーレムを眺めながら、僕は長めに唸る。


 おおよそ二発か。


 レベル的には保った方なんだろうけど、実際砕いてみせるとちょっと引く威力だった。


「これは……ヤバいなぁ」


 弱くはないと思っていたけど、よりド派手になったものだ。


 近接武器として一撃の手ごたえは最上で、壊れたトール・ハンマーさんも浮かばれるに違いない。


 まだまだ暴れ足りない様子のトール・ブレイカー試験戦闘は一応――成功である。


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― 新着の感想 ―
その火力は何処へ向かうのか?
残念ながら使用禁止です。バランスもブレイクしちゃってます。 もう一度オリハルコンあたりで最高級の武器をお願いします。
更新ありがとうございます∠(`・ω・´)某トライガンで銃器として巨大十字架あったけど(;´∀`) おまけ要素のレールガンとはいえこれで近距離から遠距離、そして防御までオールレンジファイヤーボールヘッド…
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