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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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320/471

第320話本日の勝者

「オオオオオ!!!!」


 すさまじい咆哮が響き渡る。


 部屋中を猛烈な炎が駆け巡り、膨大な熱を撒き散らしていた。


 生徒会長は自身が炎と同化したかのように燃え上がって、花臣の展開する影の結界の中を鮮やかに彩っていた。


「……」


 だが、直撃したはずの魔法はオーガにまったく効いてはいなかった。


 あまりにも威力が足りない。


 純粋な魔力の強さが、オーガの守りを突破できていない。


 オーガは不愉快そうに生徒会長を睨むが、生徒会長は炎の勢いを一切緩めずに、オーガに語り掛けた。


「その表情、見下しているな? 私が目の前を飛び回る羽虫にしか見えていない……そうだろう?」


「……」


 彼女への返答のように、それこそ羽虫を払うように腕が振るわれる。


 だが生徒会長に命中する寸前、クロハナサクヤの枝がその腕を受け止めた。


「!」


 そして黄金の炎が滝の様に上空から降り注ぎ、猿鬼が羽交い絞めにして、犬神は足に深く噛みつく。


「グガアアアア!」


 オーガは思い切り暴れたが、そう簡単に振りほどけるものじゃない。


 ―――だが、均衡は長くは続かなかった。


 本来であれば、圧倒的な膂力で粉々になっているのは生徒会長のはずだ。


 だが、その腕は生徒会長に掠ることもなく、猛り狂うオーガの抵抗は徐々に弱まり、先に膝をついたのはオーガの方だった。


「!??」


 ガクンと突然立ち眩みを起こしたように頽れたオーガの表情は青ざめて見える。


 そんな様子を生徒会長は腕を組んだまま、ただ見ていた。


 そしてその場から一歩も動かずに、倒れ込むオーガに言い放った。


「だが―――その羽虫にお前は届かない。変身か進化か知らないが、よく動けるようになったのが貴様の敗因だ」


 オーガが動けなくなった原因、それは酸欠だ。


 機動力が大幅に上がったことで必要な酸素の量は急激に上がった。


 それに加えて、回復しても失われた血は戻らない。血液で酸素を脳に届ける以上、オーガにだって影響はある。


 そして現在この部屋は、影の結界によって完全に酸素を遮断していた。


 そんな中で全力の炎を使えば酸素不足はさらに加速する。


 ただ、炎の魔法特性のある生徒会長は意識的にオーガの周囲の酸素から使っていたようだが、これだけ猛烈に燃え上がっていれば、当然自分達にも影響がないわけがない。


 つまり生徒会長だって恐ろしく辛いはずだ。


 だが一切そんな素振りすら見せず、むしろ不敵に笑っている生徒会長は、完全に根性のみで立っている。


「舐めるなモンスター。勝負というのは最後に立っていた方が勝つということだ」


 そして完全に動けなくなったオーガを見下ろした生徒会長は最後まで不敵な笑みを崩さなかった。


 正直、この作戦はリスクがあまりにも高かった。


 だが、一点だけ魅力的な部分もある。


 それは敵に与える、圧倒的な敗北感だ。


 オーガは敗北した相手に従う非常にシンプルなモンスターなのだが、これなら生徒会長がオーガに勝利できる。


 不安は花臣たちが完全に守り通せるか? 時間は足りるのか? という点だったが、間に合って本当によかった。


 花臣は圧倒的勝者マウントを取る彼女を見て、鬼よりおっかないなと内心思ったけど。そこから先は思考が纏まらない。


 それはそうだ。なにせオーガよりも運動量が多く、怪我をしている人物はいる。


 そう、花臣である。


 花臣が先ほどの攻防で崩れたのは、動かずに結界を維持しないと意識を失う極限状態だったからだ。


 だが薄れゆく意識の中で、花臣もまた根性で意識を保っていた。


 そしてオーガが負けを認め、生徒会長とパスが繋がった瞬間を確認して。


「……あ、やばいでござるな」


 不覚ながら気が抜けると、花臣の意識は電源が落ちる様にスコンと落ちた。

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 道場破りオーガGETだぜ(๑•̀ㅂ•́)و✧ |д゜)チラッ姿は変わるのかな?桃山君そっくりになったりしてw
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