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ダンジョン学園サブカル同好会の日常  作者: くずもち


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第292話何のために僕を呼んだのだろう?

「どういうことでござるか?」


 桃山君は意味が分からず首を傾げていたが、そりゃそうか。


 きわめて個人的な都合は、共有なんてしていなかった。


 僕は、最近大変身したクラスメイトの顔を思い浮かべ、どうしようもない虚無感を感じつつ、ざっくり説明した。


「……ええっと……クラスメイトの所に……ハバキリ君がやってくるかもしれない?」


「それの何が問題なんでござる?」


「まぁ簡単に言うと……たぶんだけど……ラブしちゃってる?」


「ラブですと!」


「……そうなの。その上、なんか家庭の事情がドロドロみたいで、一人で会うの気まずいんだってさ?」


 とてつもなく簡潔にSOSの内容を説明すると、桃山君は息を呑んで戦慄を顔に出す。


 だけど驚いた桃山君はすぐに冷静さを取り戻して言った。


「……なんでそんな相談をワタヌキ氏に?」


「ね! 不適材不適所極まれりだよね!」


 いやあもう本当に。


 いろいろと僕という人間を確認して襲撃やら、相談やらはして欲しい。


 正直に言おう。


 なんか変な感情が渦巻いているのは僕もなんとなくわかるけれども、適切に対処とか無理なので。


 その辺り踏まえて、ヘルプも出して欲しいところだった。


「……難問でござるよね。拙者達がどう相談に乗っても……説得力クマムシサイズでござるよ?」


「微生物級ではあるけれどもさ。でも……相談に乗って欲しいわけではないと思うんだよ。その場にいることに意味があるというか……」


 面倒ごとの予感しかしないけど、まぁたぶんそれくらいの事だと思う。


 だけど桃山君は懐疑的な表情を浮かべていた。


「……ホントでござるかぁ?」


「……というか何かした! というところを見せないと、奴は僕を再び毒殺しに来かねないから……」


「…………どういうことでござる? クラスの友達ですらないんでござるか?」


「うーん……クラスメイトではあるんだよ」


 彼女、ハットリさんとの関係を言い表すのはとても簡単で、とても難しい。


 僕としては加害者と被害者が一番しっくりくる。


 後は雇用主と店員か。


 ただ友人関係というよりも、敵対関係。


 最近ようやく関係が改善して、協力者だけど、背中は任せられない臨時傭兵くらいの関係までレベルアップ?した感じだ。


「……うん。超複雑」


「……自業自得なんでござろう?」


「まぁそうなんだけど。これに関しては向こうも悪いと思うんだよ?」


 さてわざわざ連絡してきたと言うことは、草薙君パーティに進捗があったのだろう。


 放っておくのも選択肢にあるにはある。


 ただハバキリ君は魔改造してしまったし、確認しに行くにはちょうどいいタイミングかもしれないと、僕は空間魔法を使って売店までのゲートを開いた。






「……」


「……」


 ゲートを抜けて、すっかり魔女仕様に改造されたお店に僕らはやって来た。


 現在店には人はいないらしい。


 だがすぐ近くで話し声……というか、派手な爆発音が聞こえて、僕らはビクリと身をすくませる。


「な、何事でござる!」


「桃山君! ここは慎重に行こう……」


 何が起こっているか確認してからでも、今の僕達ならば事態を収めることくらいできるはずだ。


 周囲の人間の気配を感じ取り、僕らは慎重に……というかコソコソ隠れながら店の裏手から、声の方へと回り込む。


 事態は切迫しているのか?


 僕はそんなことがあるのか? と首を傾げた。


「ここの階層のモンスターに苦戦しているところを助けている?」


「いや、逆にハットリさんがハバキリ君に襲い掛かってるかも?」


「流石にそれはないでござろう?」


「ねー?」


 それは僕もそう思う。


 いくらハットリさんだってそんなあれだけ愛を語る男子にこの短時間に襲い掛かっているなんてことは……


「ハッハッハッハッ! この森の魔女に逆らうとは身の程知らずどもめ! ならば少々遊んでやるとしようか!」


「……」


 僕はそっと自分の顔を掌で覆った。


 もう、この女子。マジで意味が分かんない。


 黒い帽子と黒いマントでバッチリ決めたハットリさんは、カッコイイキメ台詞と共に、ハバキリ君一行に襲いかかるところだった。


「「どういうことなの?」」


 なぜだかバトルが始まっていた店の前は、戦場になる五秒前である。

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― 新着の感想 ―
錯乱した…?でもロール的にはめっちゃ似合うなぁ
残念女子がよぉ⋯⋯
これは薬の副作用ですね、うん… そうだよね?そうだと言ってよ、攻略くん!
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