第278話ロマンを求めて
「よし! 秘境探索にGO!」
「おー!」
いつもの衣装をバッチリ着込み、僕と浦島先輩はエルフ探索に向かうはずだったのだが……僕的にも予想外だったのは、今回探索に向かうのは僕ら二人だけではなかったことだった。
「「「「「「おー……」」」」」」
ここにいる人達は生徒会の知っている顔ぶれというわけでもなく―――ほとんど知らない顔が並んでいる。
うちの学校の生徒会ってかなり沢山いるみたいである。
現在在学中の学生の中でも精鋭中の精鋭である彼らはしかし、今は顔面を蒼白にして少し震えているようだった。
だがそれも無理はない。
今いる密林の階層はそんな彼らでも容易く命を落とすレベル帯である。
借りてきた猫みたいになっている彼らがここにいる理由は一つ、とある企画に参加させられたからに他ならない。
僕らは恐々声をそろえる彼らを見て、どうにも不憫さを感じてしまった。
「えっと生徒会って……こんなにいるんですね」
「30人くらい? まぁ一部だよね」
「30人で一部かぁ……」
「人員は十分すぎるってことに……なるのかな?」
「少しレベリングすれば?……」
「いやー急な話だし……かなり気を付ければ何とかって感じ?」
「そうですねぇ」
正直に言えばちょっと危なっかしいけど、何とかはなるはず。
少し慎重にやらなきゃいけないなとこっそり相談していると、僕らの代わりに場を取り仕切り始めたのは今回のイベントの発案者だった。
「よし君達! 今日はよく集まってくれたね! 無茶な話だと思った者もいるだろうが決して損はさせないと約束しよう!」
おそらく自分のレベルも足りてはいないだろうに、ずいぶん元気ハツラツな彼は、演説でハードルを上げていた。
生徒達に語り掛けている男子生徒。
彼は生徒会会計長 烽火 ケンジ氏その人である。
エルフを探そうという大雑把なテーマはこちらの提案だけど、急遽組み込まれたファイアーボールヘッド生徒会指導編は彼の持ち込みだった。




