第三話 40年前
ラキ「元魔法使いとはどういうことだ?」
ラキがいつにも増して真面目な顔で言った。
若干眉間にしわも寄っている。
キラは何が何だかわからない様子だ。
エリー「私も若いころは現役バリバリ魔法もビリビリお肌ピチピチだったのに、
今やお肌たるたる~しわしわ~で困ったものだわ~・・・。」←
ラキ「何で今そんなボケをかましてるんんだ・・・。」
キラ「エリーおばあさんが変なテンションに・・・。」
エリー「おばあさんっていうの気になるからエリーおばさんて呼んで。
私はまだまだ若いわよ。」←
ギン「ここぞとばかりに言ってきてる。」
キラ「エリーおばさん何歳なの?」
エリーおばさん「95歳よ。」
ラキ「そこそこいってるじゃないか。」
エリー「まぁ、とりあえず置いといて。
話進まないからさっきの話に戻すわね。」
ギン「自分で逸らしたくせに。」
~40年前 回想~
私が森ではなく街に住んでいた頃。
街にはたくさん魔法使いがいて空は飛んでいる魔法使いが埋め尽くし、魔法が飛び交っていてた。
私はそこで魔法使いの学校の教師として働いていた。
子どもたちが魔法を覚え成長していく姿を見守るのが私の生きがいだった。
しかしある日、一人の子が学校に来なかった。
エリー「おかしいな・・・。」
毎日遅刻をせず熱心に勉強していた子なので不審に思い、その日の放課後にその子の家に向かった。
家についてみると様子がおかしい。
エリー「こんにちわー!
担任のエリーです!どなたかいらっしゃいますか?」
何回呼びかけても誰も出てこない。
エリー「どこかに出かけているのかもしれないわね。」
その日はそのまま帰ってしまった。
しかし次の日も来なかった。
そして今度はまた違う子が来なくなってしまった。
一人目の子がいなくなってから毎日、違う子が次々といなくなっていく。
エリー「一体何が起こっているの・・・?」
私は不安になり、また一人目の子の家に向かった。
やはり誰もいない。
その時、何かはよくわからないが違和感を覚えた。
その違和感が何なのか必死に思考を巡らせる。
家の周辺を見て、気づいた。
エリー「洗濯物が最初に来た時と同じままだ・・・。」
洗濯物の所へ行き触ってみると乾いている。
下に落ちているものもあった。
窓のほうへ行き、申し訳ないと思いながら中を少し覗くと夕飯が用意されていた。
しかし、その上にはハエが何匹も飛んでいて腐っているようだった。
エリー「私が最初に来た時から家に誰も帰ってきていない・・・?
あれから四日は経っているのにいったいどこへ・・・。」
その後すぐに他の子たちの所に行っても同じような状況だった。
それから何もわからないまま時は過ぎ、毎日子どもたちはいなくなり残り10人になってしまった。
私なりに調べていてわかったことは街の魔法使い以外の人が何事もなく過ごしていることだ。
魔法使いたちは怯えているのに。
魔法使いの人たちとそれ以外のの人たちは仲が良く、
よく立ち話をしているのを見かけたのだが今はそれがない。
何だか間に壁ができている感じがした。
そして、いついなくなっているのかだが、夕方見かけた子が朝にはいなくなっているので夜なのは間違いない。
エリー「試しに今日は寝ないで起きていましょうか。」
明日は休みだし問題はない。
夜中。
何が起こるかわからないので灯りは消して身を潜めながら窓から外を覗いていた。
仕事の疲れもあって段々と眠くなってきた。
瞼が閉じかけたときに急に強い光が目に入ってきた。
眩しくて目が開けられない。
やっと慣れてきて外の光景を目にしたとき、驚きで口が塞がらなかった。
エリー「なにこれ・・・。」
そこには何人もの魔法使いが軍服を着た人たちに担がれながら運ばれていた。
魔法使いたちは寝ているのか気を失ってるのかわからないが動かない。
その中には教え子もいた。
一列に並びながらゆっくりと歩いている。
目に映っている光景が信じられず呆然と立ち尽くしていると、
魔法使いを担いでいる軍服の人と目が合ってしまった。
エリー(やばい!)
瞬時にそう思い逃げようとしたが恐怖で足が動かない。
その時後ろから気配を感じた。
恐る恐る後ろを振り向くと軍服を着た人が何人もいた―――。
エリーおばさん「そのあとはよく覚えてないけど何かの施設に連れていかれたかしら?
そこで色々されて、怖くなって必死に逃げて今に至る感じだわ~。」←
ラキ「最後雑に終わらしたな。」
キラ「知らない言葉ばっかりでよくわからなかったけど何か怖いっていうのは分かった!」←
ギン「わかりやすい内容だったと思うけどな。」
エリーおばさん「連れていかれた施設で何をされているのか理解はできなかったけど、
そこで過ごすうちに魔法が段々と使えなくなっていったわ。
今だからこそわかることだけど、そこでは〝魔法使いから魔法を奪っていた″の。」
キラ「え、どういうこと?」
ラキ「ようは魔法の力を取っていたんでしょ。」
エリーおばさん「そうなの。私は途中で逃げてきたから魔法も少しは使えるしこうやって生きているわ。
魔法使いにとって魔法は命も同然。
それを奪われてしまったら死んでしまうわ。」
キラ「じゃあ、そこに連れていかれた人たちはもう・・・。」
エリーおばさん「死んでしまっているわ。
まぁそこで死んでなくても年老いて死んでるんだけどね。」
ギン「それな。」←
ラキ「最後のほうもっと詳しく知りたい。」
エリーおばさん「40年も前だし、話せるようなことは覚えていないわ~。
それに怖くて思い出そうともしていなかったし。
今も怖いから街にはあまり行かないわ。」
ラキ「たまには行くのか。」
エリーおばさん「行くわよ!本だって読みたいし食べ物だって必要だもの!
周りはただの木だらけで木の実すらつけないし!
せめて木の実くらいつけろよ!お前らは何のために生えてるんだよ!」←
ギン「どうしたんだよ急に!自然好きじゃなかったのかよ!」
エリーおばさん「本で思い出した!確か詳しく書いてある本があったはずよ。
私は読んでないけどこれを読んでみるといいわラキ。」
ギン「切り替え早っ!」
キラ「私そんなに字読めない!」←
ラキ「エリーおばさんは私に言っているんだぞ。」
エリーおばさん「字が読めないのかい?魔法は?」
ラキ「ずっと監獄にいたし、ほぼわからないよ。」
キラ「魔法は炎少し出すくらいしかできない!」
エリーおばさん「監獄にいたのかい?!」
ラキ「いや、見ればわかるだろ。何で気づかないんだよ。」




